一粒の砂から身動きが取れなくなるまえに 一粒の雨から花ひらく海にダイブするわたしは


美しい


荒波にのまれながら燃えさかる流星をキャッチするわたしは海の守護神となり わたしの大地 ....
服を着た福が来たんだ福袋


間奏が無味乾燥だという感想


サーチしてさっき察知した幸が咲き


踊り振る舞って雨が降るの待った


晴れやかな人工的な穏やかさ


あ ....
毎日、息を吐いている、すうこともあるけれど、いまはどこかの延長にあたる場所で、つめたい空をながめていた。あなたに送られたちいさな花がこめかみで目をまわして。だから、寒いと泣きたくなった。

 ....
退屈は体育座り訪ねてる


銅像も想像力をもっている


街灯のような居場所だった記憶


風の中でふいに生まれる 星明かり


ひらがなでかいたてがみがさわがしい
きらびやかな空が 剥がれ落ちて

菫の咲くほとりをたどって
指たちの

踊る環
   ひとつ
      ふたつ
         みっつ

やわらかな綻びから
洩れる調べの
 ....
ぼくの通う小学校の通学路沿いには
数件の農家がぽつぽつと建っていた
集落は、山々で挟まれており
ど真ん中を貫く小さな川の出口には
海が広がっている
山の麓の、あまり面積の広くない田畑に
寄 ....
1.心配する

そんなにもすこやかなら
まじないはいらないね
唯一だから
名前もいらないんだろう

世界にかぶれないように
もっと 眠ったら




2.真実

バナナの ....
曖昧な目のはしっこに雨が降る


もういいぜ 色の呪いにノイローゼ


手に入れてからっぽを忘れてしまう


童話読む 瞳に埋めた古里で
1分の1サイズから始めたはず
なのに今ではスコープゴート

#これでどうだ #短歌 #tanka
失った春の言葉を集めてる


日本語でしか草原を見ていない


語らない人と暮らしたひとりごと


落とし物 すいめんの樹が揺れる音
ちはやぶるマクドナルドの駐車場今誰の筋肉で飛んだの?

ちはやぶる誰の素粒子も咲いて目を閉じて猿が飲む果実酒
日ののぼる前の空には雲黒く飛んでちぎれる約束は今




{引用=角川『短歌』2022年 3月号分「角川歌壇」にて
福島泰樹先生選 谷岡亜紀先生選 佳作
水原紫苑先生選 秀逸}
この夜を
涯から涯へ
列ぶ灯は
ヘッドランプか
テールランプか
見分けれぬ みどりと機械 ゅ㋱のほ゛り 未徠樂園 桃源郷歌

{ルビ氵旦=ゕゎ}は{ルビ曜=ぁゕ}るひ蘆葉のジーンズ穿ゐてゐる{ルビ浮き素彫りの=ラヰト・モチーフ}一コマ{ルビkinema=映 ....
書かずとも
生きてけるなら
ただ生きろ
詩なんか書くな
布団で眠れ
はじまりは夜の公園で
同級生とタムロしていて
そして煌々と
自動販売機は虫達を従えながら
少年を挑発するのだった





マイルドセブン
マルボ ....
彼は
推測する
私たちの
国が
かつて大きな国で
貧しい
とても
今は
だが
私たちの国の国民たちは
やがて
勝利するだろう
経済的に



私は信じている
それを ....
陽があたたか孤心を照らす

氷を口に入れて陽にとかされる私

再出発こころ得てじっと手をみる

再出発の手ぶらでいく

お年玉用意してしずか座っている

煤逃げ、草の刈りさられた公 ....
恋が終わった
同時に木々の揺らぐ音を
駆け上がった階段から落ちた

もう外へ向けて
放つ言葉はいらない

唇を閉じて
翼を畳んで

制服のスカートだけが
おしゃべりをする

 ....
                        空瓶の呟き
                      ひかりのかけら
                    くさりかけの罅と膿
        ....
白梅のたましひ活くや数奇のいへ
雅も俗も{ルビ粋=すい}に交ふや春の夜
春雨や傘傾けて道二間
松が枝に小雪ちらちら降りにけり
山茶花や天地を紅く染め抜きぬ
盃に白雪ひとつ降りにけり
思ほへ ....
凪の果ての
遠浅のアデンに垂れていた
ことばの鈎をゆわえた
誰かの想いの糸
深海の流れはつめたく速い
願望がのびきって
次つぎ崩れる
砂浜にうち上がることばたち
鮫の群れがねむるまで
 ....
僕達は此処にいる
この川に隔てられ
君と僕、大空の下
絶え間なく落ち続ける

洋上で過ごすように日がな一日
此処で待ち続け絶えず思い出し損ねる
なぜ僕達はやって来たのか
なぜ僕達は此処 ....
壁を叩いて何でも喋れ
と耳を当ててみたが

押入の二段目に上がって
寝そべってみたが

時計を裏返しにして
息を吹きかけてみたが

鍵括弧の付いている
ここだけの話だらけが

 ....
けさは食事を摂らず青空ばかり

よい匂いの洗濯物ができました

妻とよく語り合いテレビが要らない

けさは小説を読む、言葉ながれてゆく

妻が動けば、朝が動く

わたしが家を発 ....
熱気と水分を大いに含んだ空気に覆われた六月のあの日はすでにもう遠い昔 恋する君が好き
あでやかに咲いてる {ルビ難攻不落=なんこうふらく}の彼女を 
守るように立つ君が好き
たとえば一〇〇夜ののちに
この眼が{ルビ盲=めし}いるならば
難攻不落の彼女の
 ....
雨が降り
雪が降り
涙が降った

あした
みんな帰ってくる

粉々になった生活を
雨が固め
雪が固め
涙が固め
それを踏み固める

さわると
するどくて、
ときど ....
彼岸でもなく

此岸でもなく

破顔なのかと思わせてくれる

コレクターズの名曲



・・・


です。
この大切な
悲しみ
無言に
ほどける
ほほ笑みの結晶




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
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