片目を射抜かれたので
精肉部門に逃げ込んで
働かせてもらうことにした
精肉部門では隠れてカイコを
飼って居た様で
絹糸を秘かに作って居ると言う噂だった
私はシルクロードに居る様な気分で
 ....
私たちは確かに同時代に並べられただけの
安直な食器に すぎなかったかもしれない

たった二人しかいない母と子が 流し台に溜めたお椀や皿や鍋は
この家にいた六人分の家族のすべてを洗い桶に入れても ....
対岸の小さな明かりたちを
こぼしたビーズのように拾い集めている

たぶんもう二度と、永遠に来ないだろう完全な夜のことを思う
いつだってやり直したくなった頃には潮が満ちていて
もう引き返せない ....
キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
 ....
寒い夜 
今ごろ どうしてるかな
冷たい風でも吹いたら
諦められるのに

やさしかった
きみの指先
あたためてくれた
冷たい頬を

今でも あたしは
見知らぬ街角に
たたずんだ ....
夜は来て
わたしたちは眠った

愛と またべつの愛とのへだたりや
手が届きそうな不幸
甘いざわめきと
ぺかぺかの看板


星の位置がちがう、
と起き出した
あなたの
頬が氷 ....
忘れていたことを
ある日ぽっかりと思い出す

潮が引いた砂地で
貝が静かに息をしているでしょう
見ればそこかしこで
生きていることを伝える
そんな穴が開き始めて
私の足裏とつながる
 ....
あめはまたたくまに
ゆきをあみ
ふりしきるままの
しろさに
うもれたつちの
ぬくみから
さきひらくもの
その精彩、

たゆたういきの
まにまに
はててゆくひとひら
ひとひら ....
🍎 頬杖 

{引用=言葉は心を越えられないこと知っているのに
心が言葉を越えられないとうつむいてみる
それが
林檎のように沈んでゆく}


🍎 なり損ねた夜

{引用=夜十一時過 ....
十二月の本を静かにひらく
革表紙を少し湿らせて
窓の外には雨が降っている
雫が滴り落ちる またひとつずつ
わたしの頬にこぼれた涙 どこかで流したはずの涙
向こう側にすこしずつ落ちて
波紋を ....
ぼくはぼくをにんげんだと思うのはやめにして


いきものと思うことにした


するとどうだ


せなかからつばさが生えてき ....
僕らの生身の魂は

今も1996年の京都にある

蛸薬師のビブレの屋上に置いてきたんだ

そこに黄色いロフトが建つ前の話だ

飛 ....
雨が降っていて
部屋が暗いので
昼ひなか電灯をつけ
本を読んでいた

一冊読み終えた頃
午後の日が
レースのカーテン越しに明るく射してきて

半透明のゼリーの中から
外を見ているよ ....
飛んでいったコンビニ袋が
最近見なくなった野良猫に見えました
木枯らしが渦を巻いて

去っていく名前のない怪物は
耳の端を赤く染めている

そのうち冷めるからといって
一瞬のぬくもりを抱 ....
中学に入学して初めての定期テストの順位は、中間だった。
わたしが中学生のころもゆとりのお兄ちゃんが中学生のころも学年順位は知らされなかったように思うのだけれど。

わたしが夏に入院するので、検定 ....
ブラッディー・メアリーという酒は

ある特定のメアリーの為に作られた酒だ





 ....
いつも目にすると じっと眺めてしまうポスターがある

それは古い写真のポスターで

エンパイアーステートビルの建設当時の労働者たちの写真だ

高い高 ....
花がしづかに揺れてゐる。

その横に小さな言葉がおちてゐる。

姉さんがそれをひろつて、お皿にのせた。


子供たちは外であそんでゐる。

まぶしいほど白いお皿に ....
束の間の夏を慈しむように
打ち上げ花火は鮮やかに咲き乱れ
七夕の夜を彩る

一つ 花が咲く度に
一つ 想いが散ってゆく

七夕祭りの熱い夜に
やるせない想いを
花火に乗せて飛ばしまし ....
伊藤若冲のニワトリやvegetable達を観たり



歌川国芳の水滸伝のガイルやエ ....
明日また
死んだら
ここへ
並べって
移民役場の
オヤジは
ゆうよ






















 ....
新しい時代に追いつこうとしてもがいてる




足掻いてる






別に置いてかれたって













いーんだけどさ


 ....
五光三光
花見酒





ようやくの休みなのだった
TELすると
施設管理責任者は恐縮しながら
 ....
雨に濡れ
突っ立ってる
ひとりで
スニーカーで
交差点で
背後から
クラクションと罵声に
刺されると
笑えてくる?
笑ってないけど
笑顔を作る仕草は
カップラーメンがふやける感触 ....
そして春が来て
今年も川辺の並木に
ホタルイカの花が咲いた
日中は褐色に湿り
夜になると仄かに光った

数日でホタルイカは散ってしまう
川に落ちたものは
海にたどり着き
地面 ....

歩いて 歩いて 歩いて 歩いた

道の先には丘があり、その先めざして、

歩いて 歩いた。

会える何かをめざして歩いた。

丘の先には空があり、空の中にはぽっかり雲が

歩 ....
竹の子の皮には
小さな産毛が生えていて
まるで針のよう
はがすごとにちくちくする
皮の巻き方は
妊婦の腹帯のように
みっしりと折り重なっていて
はがされたとたんに
くるりと丸くなる
 ....
ふっと舌打ちをして 
音を耳にする瞬間までに
つま先を 膝から上まで飛びあげる作業
骨がパキキと鳴ったり
粒がキリリと噛んだりするのも
承知の上

ふっと横目で見やる世界
はっけよいの ....
おばあちゃんがあけたドアは
いつもあきっぱなし
猫が入る
風が入る

お父さんは怒る
寒いと怒る
家族は怒る
閉めてと怒る

おばあちゃんには見えている
困る家族が
中にいる家 ....
飲み込んだ言葉が
胸にわだかまりの
どろりとした沼を作る

沼の中で
人に見捨てられ大きくなった亀が
悠々と泳いでいる
よく見ると
子どもを食ってふくれた金魚の尾が
ひらりひらり
 ....
mizunomadokaさんのおすすめリスト(2011)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
1998年- 間村長自由詩12*18-1-2
年末の流し台- 為平 澪自由詩2*18-1-2
対岸で迎える朝に- 青の群れ自由詩517-12-31
紙の舟- そらの珊 ...自由詩13*17-12-29
クリスマス・イヴ- 藤原絵理 ...自由詩217-12-24
星の位置- はるな自由詩517-12-24
- そらの珊 ...自由詩10*17-12-23
融点- むぎのよ ...自由詩417-12-23
落ちたりんごを拾うように_(2017)- AB(な ...自由詩9*17-12-21
十二月の本- 石瀬琳々自由詩5*17-12-17
先週の火曜日に- TAT自由詩217-12-7
11月- TAT自由詩217-11-13
びいだまごし- Lucy自由詩11*17-11-8
受容と共有- 青の群れ自由詩917-11-2
良かれと思って言わせてもらえば- 鵜飼千代 ...自由詩6*17-10-15
グレープ・フルーツ・サワー・ブルース- TAT自由詩217-10-14
名もなき鼠のように- TAT自由詩617-9-23
草色- 石村自由詩19*17-8-31
花火- 忍野水香自由詩2*17-8-9
俺も死ぬしか無い- TAT自由詩217-7-13
明日また死んだらこ- TAT短歌217-6-22
イビタス- TAT自由詩117-6-22
藤に鴉- TAT自由詩117-5-10
ペチャンコになったら- まいこプ ...自由詩617-4-14
そして春が来て- たもつ自由詩1017-4-14
道∞- ……とあ ...自由詩217-4-14
竹の子の皮をむく- そらの珊 ...自由詩15*17-4-14
氷の足跡- 藤鈴呼自由詩1*17-4-14
忘れ物おばあちゃん- 朧月自由詩217-4-14
みどりの沼にひそむ- 田中修子自由詩13*17-4-14

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