聖堂の夜会に踊りに行こうと、あなた以外の右手が誘い出して、音をたてて破裂した日の名残り。俯かせた顔の影絵。錆びた蛇口みたいに固まった猫が見つめ。
{引用=祈りとオリーブ色がまじった夜がゆらめき始まる ....
代わりなどなりえない者のことばしか震動させないわたしの空気



残像を遠ざけるように海をみているうつくしい海をみている



右下の頁の数がにじんでく、数えられないあなたが増える、
 ....
洞窟の中は星が咲き乱れる秋だった。
呼吸を止めて止めて止めて、それでも息を飲んだ。
鳥が一羽また一羽と、架かっていく。破裂を含むように、孕むように。
断層の線を睨んで、暗い夜に、昼に ....
ねぇ、ルカ?
あたしたちは、
いったいどれくらいの時間を
一緒にすごしてきたんだろうね?
ねぇ、ルカ?
どうやったらあたしは、
ルカの声を聴くことができたのかしら?
ねぇ、ル ....
(iti)

かみさまがくれた
あたしがどうか
木のように
たおれないでいられますように
この足に
もしも役割があるなら
もうずっとこうしてる。
てのひらは
ひらかれて ....
指さきでふれて
そっとふれて
気づかないくらい
そっと
そぉっと
虹があらわれる時みたいに

そうして
きらきらでぴかぴかの
さんそであふれた海へ
さんそと星くずと
 ....
八月の森のいちれつは
空や雲や水平線がつらなって
やがて終わりの景色のなか
白い波の輪郭にしずんでいった。
泡と光をとじこめて
ヤギの背中のようにあたたかく
そして
引き返せ ....
みずのいちばん深いところから
ららるら、ららるら
と、音がなっている。
どこがはじまりで
どこがおわりだったのかわからなくなった世界で
祝福は洪水になってあふれていた。
夏のに ....
やまない雨はないけれど

ふらない雨はある

雨ってやつはたいへんな気取り屋で

いつだって

おあつらえむきの場所を選んで

タイミング見計らって



やまない雨はない ....
死ぬように廊下へ寝そべり「冷たくて気持ちいい。」と言う幸福そうに

分度器が空から一億降ってきて 空がまばたきしているみたいだ

放課後に人体模型の目を隠し リトマス試験紙こっそりなめろ

 ....
なんでこんな日に
みんなイライラして
私もイライラして
それなのにbirthday
それが一番イライラする
せめてbirthdayじゃなかったら
こんなにも私はイライラしないで済んだはずな ....
街の本屋さんで
握手会をした
テーブルを一個出して
ぼくはぽつんと座っていた
なんの垂れ幕もなく
司会者もいない
道行くひとは通り過ぎてゆくばかり
交差点の信号が変わるたびに
秋が ....
この樹にとって僕は何であり
僕にとってこの樹は何であるのか

ポケットの中で問いつめたくなる季節がやってきた
僕が立ち去っても
鳥たちを集め
僕がゼロになっても
無の中で
散り続ける ....
道がある
道が二手にわかれている
どちらにも行きたいし
どちらにも行きたくない

球がある
投げることができる
転がすこともできる
無視する

行く道にはどうか茨を
球にも棘を
 ....
かぞえる
今コーヒーカップに落とす角砂糖を
喫茶店のドアで涼やかに鳴ったベルの音(ね)を
雨上がりの街角で曲がった回数を
巻き戻して
振り返って

かぞえる
音がとぶまでCDを回した数 ....
夜食は食べる前がいちばんおいしいのであって

ほんとうに食べてしまってはいただけない

だから、

その先は言わないで
靴音が遠ざかる

今日も心のどこかで
待っているわたしがいる
鍵をかけずにいなさい
さすれば彼女は……と
根拠のない
地下からの教えが聞こえるのを

深い深い地底からの、
マグマす ....
うすい埃を蛾のはばたきが払う
ちらちら光る暗がり
息をしている
なにか
(ここにある)
遠いいきもの。

箱を開けて
そこが空なら
びんの底に
わずかに残るソーダの輝く。

あ ....
君が記憶の裏庭で
水浴びを楽しんでいる間
僕の記憶の天井は雨漏りで
傘の中、数えきれない雨粒を
指折り数えている
 
頭の中にはいくつかの泥濘が作られ
天使が次々と身を投げる
それを手 ....
決意は
百円の紙ガムテープから
むかしの恋人に手渡された
曇りの夕方から

はじまる
助手席で息をひそめる狩人は
巻き戻せるようではいけない
くちびるは閉じる
それだけでは
時 ....
昨日は小石を拾って歩き
そのいくつかを空き缶にしまい
いくつかで池の平和を乱し
残りにズボンのポケットをやぶられた

今朝は花を摘みとって歩き
少しを家の花瓶にさして
多くは風邪のあの子 ....
横断歩道でフライング渡りする
ビジネスマンらしき人と目が合って
そう、私も指標にしている
あなたをだ

狭い地方都市に
気だるい午後の陽差し
何処にも行けない連帯感

話をした後生き ....
違う/同じ

全ては前提条件のうえに踊る



ラグランジアンはお好きですか

aとbが群のなかで情熱的に僕を呼ぶ

彼らとは虚数にちかい関係

負にならなくたっていいのに
 ....
教室の
酸素を懸けて
行き交った手紙の山
捨てられない分量が
誇らしかった少女

ほしいものだけを凝視した
そこに
どれほどのわたしが在る
今も なけなしの孤独を懸けて
分離した言 ....
夏の夜がひとつずつ明け
きょうもまた
薄ら笑いで迎えた

なにが可笑しいのか
闇雲に過去を
終わらせてみたい
と思った

断ち切るには
じゅうぶんに
必死の顔つきだが
ことばと ....
                               ―――ステファヌ・マラルメ
     全世界が溶解する
                  波涛
                  ....
園芸部でも
ないわたくしが
やつれたビニルホース
でぶっぱなした冷水を
ひと月おくれて
のみ干し
てゆく
あの向日葵
に今日、白さの
灰が積もる

すべて
の氷花が
いっせい ....
きらりと日差しが
部屋に溶け込んだ瞬間にあなたは溶けていきました


さらさらと崩れおちたあなたを
美しいと思うだけの私です


あれから月日は過ぎたけれども
今も日差しの中で彷 ....
あなたに渡した数枚の写真

たまには眺めているのでしょうか

あなたが映った景色の中に私を見つけてくれていますか


あなたがくれた吸う前の煙草

吸わずに今も残っています

 ....
 食虫植物ズというノイズバンドでいつも弦の足りていないギターに傷を付けたり付けられたりしていた彼女が今日のライブ中に死んだ。おれは隣で彼女が書いた「子宮なんかいらない」という歌を叫びながらベースアンプ ....
mizunomadokaさんのおすすめリスト(1965)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
川沿いの聖堂- コーリャ自由詩711-11-21
遺される- 伊月りさ短歌311-11-19
みずうみの、- tomoaki.t自由詩11*11-11-17
Luca- Lily Philia自由詩311-11-10
futatu- Lily Philia自由詩411-11-10
砂糖水_炭酸水- Lily Philia自由詩611-11-10
コーラル- Lily Philia自由詩7+11-11-9
リベルテ- Lily Philia自由詩411-11-9
ふらない雨- かなりや自由詩311-11-6
学校に行きたい- かいぶつ短歌411-11-6
最低なbirthday- 桜 歩美自由詩6*11-11-5
握手会- はだいろ自由詩4+11-11-3
- T.L自由詩111-11-3
Gu- かなりや自由詩211-11-3
かぞえる- つむ自由詩4*11-11-1
夜食- かなりや自由詩311-11-1
靴音- かなりや自由詩111-11-1
- つむ自由詩4*11-10-30
水の器- かいぶつ自由詩511-10-29
瓦礫の上から- 伊月りさ自由詩511-10-28
届けもの- つむ自由詩5*11-10-17
故郷- 宮岡絵美自由詩211-10-11
imaginary_number- 宮岡絵美自由詩411-9-25
deperson- 伊月りさ自由詩311-9-1
ウロング・サマー_(1)- DNA自由詩111-8-12
白の海域- 葉月二兎散文(批評 ...9*11-7-26
公開空地- DNA自由詩211-7-8
花のない部屋- ロリータ ...自由詩3+11-7-3
同じ景色- 猫のひた ...自由詩111-6-25
木魚屋- 魚屋スイ ...自由詩9*11-6-12

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