道を白くさせるていどの雪が

ちいさくすうっと落ちてゆく

あれから16年

あの竹の切り口にも落ちてゆく

それはろうそくの火で瞬くまに乾いた

混乱はやんだ

喪失だけはい ....
風がつんざいて
熱量をうつして
新しい季節がやってくる
しがみつく指を
切り落としながら

方角をなくして
こごえる鳥
さみしがりの
喉いっぱいに悼む
星をめざして進む歌が
 ....
オーストラリアに遊びに行っていた恋人に会いに大阪にいった。
そこは他人事のように寒かった。紫色の夜だった。
ストックホルム?大連?どこかでこんないろの夜を見た。冬だった?夏?春か?
店は料亭どく ....
雲は
おおいそぎで手をつないでゆく
下では子供が
ゆっくりと転がしている/雪を

だるまになるまでそばにいたいよ
雲の塊
待っておくれよ

冬は
想いをカタチにできる季節
二段重 ....
夜と似た静寂をまちわびている 恋情の背にふる初雪よ


夢の続きをなぞるように傾いて空白のつめたさに日がさす


からからの空気のなかにいきものが 二人そろって息を殺して
{引用=
あなたの写真を見ていると
なぜか横顔しか
残っていない
小さなカフェに
行ったとき
突然歌手が
ジャズを歌った
ジョー・ウィリアムスに
ちょっと似た声で
いかにも偽者らし ....
<マクシム、どうだ、
 青空を見ようじゃねぇか>

近代詩人のこのフレーズ
    たまらなく好きだなぁ

そして おらは 追記してみたい

   透きとおった四次元の神話 ....
 
浜辺に崩れかかった民宿が一軒とりのこされていて
ひやけた壁のうえを暗灰色のツタが何十本もからみつくようにして這いまわっている
看板に書かれていた文字はとけたチョコレートのようにぼやけ
まっ ....
あなたと一緒に
煮込まれることになった
こども用プールみたいな鍋にほうりこまれて
くつくつ

うつむいても
膝をかかえても
視界のどこかにはあなたがいる

最初のうちは頬をそめた ....
しらじらしく夜を終えて
ともあれわたしはもう一度戻ってきた
数千回目の朝
あさ、
と声にだして呼ばわってみると
どのときの朝もちがった顔をしてふりむく
わたしはその視線の先に相槌を打ち ....
花が枯れています
つまさきのところで花が枯れています
名前はわからないけれど小指ほどにちいさなのが何本も何本も
破った約束のような色をしています

ここはせかいのせなかなのだと
あなた ....
山田さんの背広が
朝焼けを縫い込んだみたいに
ひかりかがやいてみえた


やるじゃん、山田


ぼくは呟いてコンビニに入り
缶ビールとつなあげを買った

 
眠りの城に密かに隠された王女のように
すべては噎せかえるほどの薔薇の足下に

水たまりの中でひねくれた針は不規則に
まだらな時をゆっくり刻む

ひとひら、あるいは幾千枚
モノクロームの雨 ....
学生のあの頃
異様な夜のさびしさに駆られて
親しい友人の家に遊びに行った
そんなことは珍しくなくて
ふたり
ベランダで煙草を吸い
きみはギターを弾いて
わたしはその歌を口ず ....
 
 
しじみが
しみじみしてるのは
しじみがまだ
生きてるからだ

わたしが
しみじみしてるのは
わたしがまだ
生きてるからだ

しじみでも
わたしでもない
だれかが
 ....
世をはかなんで白昼堂々と身投げした
愛しのヤマトヌマエビを弔う詩を書こうとしたが
焼き海苔買ってきてと妻からお使いを命じられて
ちょっとの間留守にしたら
ヤマトヌマエビの死体は片付けられていて ....
つかれた夜に



化粧を落とす
丁寧に泡立てて顔を洗う
せっけんのにおい
シャンプーを流すときに目を閉じて見える色
鼻歌
そして、熱唱

バスタオルに顔をうずめる
パンツ ....
血を吸う代わりに
命を懸ける
ただで
いただく
訳ではない
俺の命は安くないぜ

たかが蚊といえど
命を燃やす
己の命を
翅に乗せ
人間の掌を
かいくぐる
運が悪けりゃ
手 ....
耽美派の教師になる

ロシア・アヴァンギャルドの為にレーニンの死を憐れむ

マレービッチの黄色い無限の彼方を目指す

フォンタナのようにキャンバスをナイフで裂き3次元にする

マン・レ ....
私は今まで何を求めてたのだろうか?

誰に憧れ

何を求めてたのだろう…

何も求めず

ただ時が過ぎ

風化した記憶を

寂しい眼差しで眺めていたい

それだけのはずなの ....
首を賭け
異動を拒む会議室
私の中の
俺が引けない
顔を上げたらそこにいて
手を伸ばしたら触れることが出来て
正しいことをしたときには
えらいねと言ってほしかったのです
私の中の音楽達は皆
荷を詰め込んだトランクをもって出ていきました
だから今は
産まれたてのように静かです

ただ目に映る春をのぞいては
 
 
スーパーにいくと
果物ばかり買ってくる

もう一人
いるみたいに

声はしないのに
それはたしかに

+

骨をのこして
魚はいってしまった

これが最後です
 ....
下降していくカラスが
田んぼの土手を
はいあがる虫を食べている

田植えの前に掘りおこされ
苗が植わるように綺麗にならされる土

地中から 土と共に掘り起こされた虫が
待ち構え ....
「何叫んでんだ?」

海人が現れる
全部聞かれていた
私はもちろん
赤面
夜で多分見えちゃいないが
海人はわかってる
その事を
恥ずかしい

「じゃあ、俺も叫ぼう。おぃ、桜!!  ....
 
午後三時

初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
 
 
日々は繰り返しの波
雨が降れば雨のように泣き
晴れわたれば歌うたう
雨のち晴れや
晴れのち雨や
いつまでも晴れない気持ちに
ときどき気が遠くなり

それでも
ふと見上げ ....
私の夢が破裂して
遠い所にあるのを知った

私に黙ってわたしは
探しにゆこうとするだろう

私は私が欠けたことに気づいて
わたしに戻れと泣くだろう
早く戻れと泣くだろう

夕闇が
 ....
mizunomadokaさんのおすすめリスト(2011)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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寒い夜の即興- あまね自由詩911-1-16
紫色の夜- 吉岡ペペ ...自由詩411-1-16
ゆきだるま- 朧月自由詩411-1-16
まちわびて- はるな短歌211-1-16
横顔- 真島正人自由詩3*11-1-16
光のバルーン(五)- 信天翁自由詩311-1-15
高浜- せかいの ...自由詩710-12-11
イン・ザ・スープ- せかいの ...自由詩710-12-6
きょうの地点- せかいの ...自由詩610-12-6
せかいのせなか- せかいの ...自由詩1010-11-29
おめでとう- せかいの ...自由詩410-11-28
薔薇と睡眠薬- さつき自由詩210-10-28
紅茶が冷めるまで- かんな自由詩8+*10-6-10
しじみ- 小川 葉自由詩210-5-18
あるヤマトヌマエビの死- 冬野 凪自由詩2*10-5-18
つかれた夜に- ________自由詩2*10-5-18
たかが蚊といえど- 曲がり屋 ...自由詩110-5-18
あなたがすべきいくつかのこと- 小川麻由 ...自由詩3*10-5-17
幸せと不幸せ- 伽茶自由詩110-5-17
ピーターパン- TAT短歌1*10-5-17
あなた- 瀬崎 虎 ...自由詩510-5-17
代謝- 瑠王自由詩7*10-5-17
呼び名- 小川 葉自由詩4*10-5-16
土と虫- 砂木自由詩15*10-5-16
メロディ_後- Oz散文(批評 ...210-5-16
図書室の窓辺から- ベンジャ ...自由詩8*10-5-16
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空色めくり- ベンジャ ...自由詩1*10-5-13
わたし待ち- 朧月自由詩210-5-13

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