胎児はちいさくうずくまり
やがて訪れる白色の光明を
羊水の中の夢にみている
童子達は灰色の地面を蹴り
いま浴びている強烈な日光を
明確な視野の隅にとらえる
みずみずしい肌に照る
....
私よりも正直な
私のからだを
知らないままに
歩いていた
不調をうったえられて
むきあえば
ひとりでないような
気がする今さらに
天井だけが
見慣れた空のよう
どこにい ....
きみの綺麗な声が
ありがとうと呟くとき
僕は醜い声で
うそつきと呟いてしまう
真っ直ぐすぎるきみと
歪んでしまった世界は
どうにも似合わなくて
不釣り合いで
それなのに何度も
もしか ....
月が綺麗ですね
有名になりすぎて
照れ隠しにもならない
愛の言葉
「てかマジ月綺麗」
「なにそれチョーウケる。あたしもチョー月綺麗だと ....
{引用=りんご飴のよく似合う
あの子たちの夏も終わる
闇を纏ってなどと
深刻に
傷つきやすいがままに
終わり間際にとわたしは
一篇を描いて
置いてみた
打ち上げ花火ではなく ....
真昼の荒野に陽炎が立つ。
茫洋たる荒地の果てに大海の在るを望む。
私は干からびた海月だ。
海月に語る者は在るか。(それは心の語り手であるか。)
自らの体に楔を打て。その裂口を見よ。
....
┌−−−−−┐
|ねこここね|
|このこのこ|
|ここはここ|
|こねこねこ|
|ねこここね|
└−−−−−┘
ねこだましはできても、ねこだましいは、ねこのこねがないと持つことができないようです ....
ファンデーション 口紅 コンシーラー
ハイライト チーク アイシャドウ
お母さんの お化粧ポーチに入ってた
「イタズラしちゃダメよ」って よく怒られたの
お母さんのおめめ ....
荊の洞
乳白の土
夜から径へ落ちる光
水へ水へ分かれゆく
腕ふるごとに
曇呑む曇
刃を振り下ろす
粉の光
風はふたつ
夜を透る
忘れた言葉
積もる ....
ヒトの形をしているのが奇跡と思える位
あまりにも小さくて柔らかかったあなたを
退院後初めてお風呂に入れた時
私の緊張が伝わったのか
あなたは火がついたように泣き叫んだ
以来あなたが極端に水を ....
空気がゆがんで見える夏の日
その横断歩道には
日傘を差した若い母親と
目線のしたで無垢な笑顔で話す少年
ひまわりが重い首をゆらつかせ
真夏の中央で木質のような頑丈な茎をのばしている
山 ....
原色の風景が
真夏の陽光に
溶ける午後
愛の幻想に
溺れる男は
実像を求めて
海に潜る
捕らえた肉体の
乳房は溶けて
流れ去る
時を
遡行する男の
前をゆく実像は
....
ひもじいといって、啼く蝉はいない
白亜紀の時代から
ひとはひもじい生きものだったという
そのひもじさに耐えて、恐竜から逃れて
生き延びることのできる生きものだったという
生きて
生 ....
研磨し精練し鋭利にしなければ
他人には刺さらない
意識を覆す致命傷を与えられる様に
研磨し精練し鋭利にしなければ
子供があるひ
自分と世界がわかってしまって
踊りだすように
わからないのだ
死が
ひとしくわたしたちを
迎えて
こころではなく
むきだしの神経が
都市の隙間を覆う
いっ ....
拡散する
薄く透明に広がって止まない 大地は世界は 逗留するには狭すぎるから
陽光は優しく乾いた匂い 風の中に見えるもの それを慈しんで生きてゆきたい
心は風 すべての物の中に 僕は生き ....
羽を
水とともに飲み
水とともに飲み
暮れは破け
むらさきを飲み
光をくぐるもの
目をそらす埃
自分の髪を自分で編む冬
ぬかるみの故郷に降りそそぐ朝
....
空が白く覆われた日には旅の準備をしよう。
そんな日はどんな自分に出逢えるだろう。
あなたはどんな態度で僕を迎えるのだろう。
きっとあなたの言葉を聞く為に僕は旅立つのだ。
窓辺から眺める ....
☆がだが☆
作:蛾
【ともだちの感想】だからなに?(`□´)┘
☆しだし☆
作:味の素
【ともだちの感想】子だし、思だし死だし私だし糸だし詩だし…だしぃーって、くさってないで、ちゃんとだ ....
み●●●
●ず●●
●●か●
●●●ら
うまれた
るふらん
みずから
浮上する
レ●●● ....
「雲は水蒸気からできている」
学校の授業ではそう教わったように思いますが
小さな 小さな 水の粒や
小さな 小さな 氷の粒で
本当は出来ているのだそうです
私 ....
信州の古城の櫓跡から
千曲川を眺める
川面の風景の上には
大きな空が広がり
風が吹きわたる
風に膨らまされた空は
何も言わず、僕の頭上にある
古戦場の舞台となった古城
望める山 ....
非戦闘員の大量虐殺
言い訳はどうとでも出来るだろう
戦争を早く終わらせるため
連合国側の人的損失の軽減
卑劣な戦争を起こした報い
人を人として扱わなかった ....
少し早く起きると
白い時間ができている
まだなぞっていない時間
自由なようでいて
もうすでに枠ができているから
はみでることは許されない
希望がある気がした
今日のこれからに
....
ありがとー
ごめんねー
じゃあ
ちょっとそこどいてね
(風)
空間の穴を抜けた
轟々と吹く
舞い上がる粉塵
あのさ
今日
これ全部燃やすんだ
手首
暗い光
足 ....
泥の中の生活
掻き分けて取り込んだ酸素を
呼吸して生きた
苦しいような気もしていた
えらをぱくぱくさせていたら
いつの間にか海に居た
掻き分けなくても在る空 ....
しろく しかくい たてものの中から かわいた無数の命の声がするのを
しずめるかのような噴水
しろさ きわだつ 広島平和記念資料館を想いながら
床についてみた夢は
しろい塩で できた ....
同じ夢を見ている
気が付けば その部屋にいる
知らない部屋が そこにあり
そこから出発しなければならない 私がいる
なぜいるのか そこはどこなのか 分っていない
いくつもの夢をみて ....
ま夏の背中よろしくこぼれおちる曲線は
ぼくのよろこびにまっすぐに突きささり
それらはやっぱり放物線をえがいている
きみの曲線のおしまいにくちづけをする
そんな目でみたってだめだよ、もう ....
上塗りされた夏空の
組まれた手の
ゆびの
一本一本が
解かれてゆくように
光が
そこかしこに
ばらまかれ
熱を分けあう潮騒が
とおく
攪拌されてゆく
カンナの花が
....
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