踊りましょう、と誘いの蔓をはりめぐらせて
日没前のクレマチスが笑った

思い出せるだけのメロディを
イヤフォンから流し入れて
電子化されたそれらすべてに
からめとられた夕暮れ
何がしたい ....
えっ、ここなの?

翔太さんに背中押されるようにくぐった暖簾
彼とはじめてのデートだしお洒落なイタ飯屋さん期待してたのに

お母さん、ただいま!

彼の挨拶に笑顔で答える和服姿の女将さん ....
冬に凝縮されていたものが
放散される夏
胡乱な眼で見つめていた
電線で繋がれた道も
砕かれた砂浜の突端で
選択を迫られる

歩いていれば
いつか生から解放される
轍もいつか途絶える
 ....
桜に混じって散り始めた朝も
川面を滑る鴨たちの口ばしも
濁さないほどそっと静かに
重ねた手のひらからさらさらと
留まることなくこぼれて落ちる


喉元がとくとくと同じリズムを刻む
指の ....
 
 
誰かのための
湿った窓がある
三本の線を反復できずに歩いて渡る
蟹たち
をわたしは避けて
自分の指の形がいつもより気になったので
どこかに忘れてきた雨傘の代わりに
古道具屋で ....
日も月もない白い空と
ただ静かな灰色の地
その地平を 巡礼のように
椅子たちが列をなし 何処かへと進んでゆく
【マルボロ】

かあさん あのね わたしがうまれた世界って
本当の本当は しろい正方形だったのでしょう
そこはとても清らかな場所だったのでしょう?

エタノールで消毒した 清らかな ....
乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた

いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ

水晶体に光景が////


湿った砂山
ふもとから
少しずつ掘ってゆ ....
モンパルナスのキキ         
信頼できる男は
愚痴を言う集まりに  
えげつない      
どんちゃん騒ぎ
ロスト・ジェネレーションが       
 ....
道の歪みのそこここに
溜まって出来る水たまり
昔の雨にはつきもので
道行く人の迷惑で

車が通れば泥をはね
人が踏めば靴汚し
道の歪みの性格を
そのまま見せる水たまり

そのうち道 ....
タイから帰ってるはずのカワバタから連絡がなかった
カワバタを想うと滝の音と満月が濃くなった
さいきん心癖のように思うことがある
カワバタが独身だったらあたしはユキオと別れているのだろうか

 ....
ゴールデンウイークはパチンコ三昧にした
お盆をとらない代わりに休みをすべて貰えた
市内のホテルにユキオと合宿をはりそこから毎日パチンコを打ちにいった

ちいさなころ町じゅうのパチンコ屋にお母さ ....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに





膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う



束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
久かたぶりに訪れた渋谷センター街
取り壊し中の建物とかあったりして何となく余所よそしさを覚える

平日の昼間ってこともあるのだろうけど

チーマー、ガングロな人びと
そして神話の国の神話な ....
{引用=
紙上に佇む
痩せ細った枯れ木
磨り減ったペン先がつけた
掻き傷の隙間に
深く根を張るインクの滲み
どこに行くとも
なにを残すとも
示さぬままに
埋まってしまった行の終わりの ....
お母さんがシンゴのことやさしいひとだね、って言ってたよ、

このまえカワバタをお母さんに紹介した
お母さんにポリタンクふたつぶん水を渡してお母さんからヨシミは電動自転車をもらった
なにかで当て ....
{画像=100613231219.jpg}
{引用=



黄昏たちの回廊
夕闇に漂う影が伸び
遊び疲れた風がぬける
 ....
 
 
白線の内側に下がってお待ちください。

白線は自分で引いてください。

内側と外側は自分で決めてください。

白線の外側を
一匹のシオカラトンボが横切っていく
軟らかくて
 ....
忘れられた小さな空がある。

初夏の風を受けて
駅に続くなだらかな坂道を
歩く途中にある
金網のフェンス越しに

名も知らない花の群生
赤紫の小さな花を
背の高い茎にたくさんつけなが ....
カワバタの車のなかでヨシミはこのまえ見た小鳥とカラスの話をした
お父さんが山で汲んできた水をポリタンクに入れてお母さんに持ってゆくのだった

まだかわいてねえな、

さんざんドライヤーで乾か ....
象が一匹いなくなった。いつも母象に寄り添
っていた子象がいなくなった。祖父の魂を斎
場から河原へと運びに行っているうちに、行
方が知れなくなった。魂の流れに誘われたの
だろうか。母象は何もなか ....
降り止まぬ雨はないっていうけど
それで地固まったのかな?

多摩蘭坂から見上げる雨上がりの夜空は
満天の星降るって感じには程遠くて

やっぱ悔しいけどそれが現実なんだよね

それでも、 ....
カワバタからのメールを朝めがさめて見ようとしたらメールが三件になっていた
ひとつはユキオから
ユキオからは、四月の六月、そのひとことだけだった
ヨシミはたまにユキオに写メだけを送る
ヨシミはそ ....
駅前に丈高く伸びた
雑草の海
風にそよぐ波の向こうに
マンションが一棟
真新しいコンクリートの
白っぽい剥き出しのグレー
に風がそよぐ

ポークパイハットを被ったような雲の
ぽっかり ....
 

雨が花の形を整えていく
わたしたちは共通の言葉で話し
共通の言葉で
触れるべき場所に触れる

民家の前にぽつりと置かれたバス停で
傘を差してバスを待つあの二人は
親と子なのだろ ....
還暦をむかえたばかりのお母さんの夢を見た
このまえの夏ヨシミは姉と姉のこどもとお母さんとで還暦の旅行をした
旅先で見た原始てきな川がつよく流れていてそれは前日までの雨で増水もしていたようだった
 ....
 
 
光は屈折し
やがてその先端は
壁の末期へと続いていく

何かあってはいけないので
あなたは洗面所で
数を数えている

川幅の狭い橋を渡ってきた、と
わたしは告げ
手を握 ....
待ち合わせの家電量販店の駐車場は一階にあってひんやりと埃っぽかった
ここから公園が見えた
きのうここにドライヤーを買いに来た
公園にたくさん咲いた桜がここからだとライトアップされて銀河のように見 ....
マネージメントを行う者にとって、[部下に夢を語り、役割の範囲を伝え続け、成果を期待し励ましてゆく]ことは、きわめて重要なことだ

もうひとつ重要なことがある

それは、[部下のリアルタイムの貢 ....
羽虫の妖精が
肩にとまっていた

指で弾いて 
空へ帰そうとしたけど
彼の眼は
地中に埋められた種を
見ていた

生も死も変わらないとしたら どうだろう?

透き通る陽気に
犯 ....
月乃助さんのおすすめリスト(2699)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜型生活者の梅雨晴れ- 橘あまね自由詩610-6-23
新橋烏森口のひと- 恋月 ぴ ...自由詩20+*10-6-21
初夏夕景- within自由詩5*10-6-21
すきとおる- あ。自由詩16*10-6-20
湿った窓- たもつ自由詩710-6-19
旅_景- 塔野夏子自由詩6*10-6-19
マルボロ- るるりら自由詩26+*10-6-18
人工水晶体- 吉岡ペペ ...自由詩1210-6-17
モンパルナスのキキ- 《81》 ...自由詩7*10-6-17
水たまり2- ……とあ ...自由詩14*10-6-15
ギフト- 吉岡ペペ ...自由詩610-6-15
悲しい音- 吉岡ペペ ...自由詩710-6-15
東京哀歌- Rin.短歌2410-6-15
渋谷センター街のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*10-6-14
6月の海- 高梁サト ...自由詩22*10-6-14
滝と月- 吉岡ペペ ...自由詩510-6-13
紫陽花よ- まどろむ ...自由詩8*10-6-13
白線- たもつ自由詩1110-6-12
小さな空- ……とあ ...自由詩20+*10-6-11
小鳥とカラス- 吉岡ペペ ...自由詩610-6-10
私と子象- within自由詩4*10-6-10
多摩蘭坂のひと- 恋月 ぴ ...自由詩17*10-6-7
影いろの世界- 吉岡ペペ ...自由詩510-6-7
駅前再開発- ……とあ ...自由詩6*10-6-7
抜け殻- たもつ自由詩2210-6-6
オレンジいろの汗- 吉岡ペペ ...自由詩310-6-5
- たもつ自由詩10+10-6-5
いきものたちの銀河- 吉岡ペペ ...自由詩210-6-5
夢を語る- 吉岡ペペ ...自由詩410-6-5
行き先- within自由詩3*10-6-4

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