脆く崩れた時間の跡は
黒いばかりの真空の穴で
菜の花の黄色と向日葵の黄色が
溶け始めた根雪を帰路に{ルビ誘=いざな}う

冬の残滓は降り積もり
焼却炉へ
埋立地へ
悪魔の似姿をした双子 ....
 立ち去る君にかける言葉も無く、
立ちつくす僕は一匹の蛙だ
やっと啓蟄になったのに
気が付いた時に
桜の蕾はパンパンに膨らんで
僕らの別れを祝うように
枝は軋んでいた。

僕が声をかけ ....
きのうはだかを撫でてくれていた
そのちいさな手のひらに
射精してしまってもいいですか
あなたがいないだけで
ぼくは罰を幻視してしまうのです

ゆくさきを見失った熱が
ぼくの真ん中で氷をつ ....
うそになる
うそにならないように
きもちをつたえると
うそになる
ほしいものは
ほしいとつたえないと
うそになる
うそにならないと
みんなどっかへ
どっかへいってしまう
うそになら ....
もうじぶんから発するほど電磁波を浴びていた
年度末の翌月はいつもこんなだ
正社員のひとたちはみんな帰ってしまった
あたしはあたしをぼくと呼びたくなった
ぼくのことをぼくたちと呼びたくなった
 ....
君はいつか僕に会えるだろう

人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから

僕も毎日、想っていた

父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を ....
へえ、そうなんだぁ

今はもう小さな児童公園の近くに祠があるだけで
不忍池と同じくらいの池がここにあったなんて信じられない

畔にあった茶屋のお玉さんが身を投げたのでお玉が池と名づけられたと ....
篠突く雨の肌寒い日を過ぎて
惨い風に揺さぶられては砌を過ごし、
未だ、未だ幾日かの――
いつとも知れぬ散りぎわを

華やかな夜の影に埋もれ
ふたたび音もなく舞う、桜吹雪
いつか濃い朝靄に ....
あなたが送ってくれた手紙を読みながら
まだ一度も会ったことのない
あなたの笑顔をかんがえる

そういうときの私は
太陽に向かってノーテンキに咲いている
この島のハイビスカスなのです
 
 
カニの甲羅に
雪が降り積もる

ブランコは揺れる
誰かの言葉の
力を借りて

食べ飽きてしまったね
紙の形は

自分の目を覗き込むと
動いている人の
背中が見える ....
   
     1

明るい陽光を浴びて
僕の黒猫は
幸せそうに膨らんだ
黒い鞠となって
朝から眠り込んでいる

彼女の黒い体毛は
朝の陽光を吸い込んで
幸せ一杯に膨らんで
 ....
鳥がみどりに

ひっかかっている

そこからはばたくそれは

とつぜん現れた影のようだった

今夜もまたワインよ

いちにちの疲れ

ぼくに差し出せよ

ぼくの疲れは癒され ....
 
一週間は七日だと思っていたが
どうやら間違いのようで
私には足りないように思える

たぶん 本当は九日なのだろう


月火水木金土日笑泣



月曜日

 ....
【7.24 快晴】

am12:00 タイのバンコクに到着。
空港の有料トイレを使用。
いつも思うのだが、排泄にお金を払うのは人間として納得いかない。
再びルフトハンザ機に乗り込み次の中継地 ....
 
 
習ったばかりのルートの記号を
少年はノートに書きました
丁寧に書いていたはずなのに
最後に記号は壊れてしまいました
わずかな隙間から覗き込むと
自分が幼少時を過ごした町の海が見え ....
またぞろ、首都に恐竜の骨が現れた。
しかも泡の抜け殻で

唸りを上げて
ブロントザウルスの首の骨は
子供達の学んだ校舎を
子供達の遊んだ公園を

今は髭の生えている
今は化粧の香 ....
{引用=
(あの時こうしていればよかったなんて思っても、本当に戻れたら、きっと同じことをするに違いないのに)


【7.23 快晴】

am6:00、起床。
モーニングアラームをセット ....
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている



花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る



光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋



輪郭をも ....
ヨシミはカワバタとユキオのどちらが好きなのかを考えたことがない
ユキオとサヤマのときは考えてもいたような気もする
カワバタに借りたプルートウというマンガを読みながらその考えたこともないことをはじめ ....
春に体は押し返され
弾みで乾いた鱗が
ばさらばさらと足元を埋める
みだりがわしい温度に
誘われるまま

感知信号に止められて
まるで自分が分銅になった気がし
もう死んでしまったのかと思 ....
ぼくのせいで旦那さんが死んだことを
ぼくもそのとき死んだことを
奥さんが33ヶ月投獄されたことを
こどもの成長のためだけに奥さんが死ななかったことを
あなたたちのこころのひかりが
ほんとうに ....
退屈な三つのピリオド
(現在、過去、未来)


空虚なモチーフ

 脆弱な論理、

  贅肉な表現

傲慢な符丁

無意味な玩具

高笑い
(ちょっと浮いている)
弥勒の雨の降り初め
緑青の音階が透きとおった
川はもう
市街地に集合して海に戻りたがっている。
手のひらに(砂の塩)
29℃の残り香が開け放たれた窓を過ぎ、
鉄の雨が降った
クリーム色を ....
それにぼくはふたをしたのか
みてみぬふりをしたのか
きもちをコントロールしたのか
あきらめたのかわからなかった

でもいまゆめのなかで
あなたのもうひとつのなをよんで
はずかしくて
ホ ....
 

 
父はサボテンでした
とげはありませんでしたが
サボテンでした
水を蓄える仕組みがあるわけもなく
少しの水では生きていくこともできませんでした
ましてや荒野に一人
じっと立っ ....
日本でホームレスであるということ
マズローの欲求でいう生理的欲求を満たし
安全欲求をかろうじて満たしているひと
かろうじてとは
安全欲求を完全に満たしてしまえば承認欲求のステージにいってしまう ....
ヒエラルキーに隠された怪物たちの居所。それらは唐突に王に君臨する。

彼は決して頂点に立ちたかったわけではない。異形なるもの異質なるものは一人ぼっちで頂点に立つしかなかった。キュービックのなかでむ ....
 
入ったときは営業職のエリートで

国内海外飛び回り、

買い付けた資源や文化の紹介

もちろん行かない所は無い、

西はジブラルタルの突端で
愛を語ったこともある。

東は ....
{引用=


  ? ためらう水紋


しぐれる春
名残りの花に
しずくしたたり
風もよう 波もよう
光さすらひ 想いまよひ

水紋 水紋 水紋 水紋 …



繰りか ....
{引用=
どこまでも遠浅の海岸で
白波を追いかける明方
目覚めると涙を舐めていた
すぐ熱いシャワーで
洗い流そうとしたのに
いつまでも耳奥から波の音が消えずに

こんな音
溺れる前に ....
月乃助さんのおすすめリスト(2699)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
斜めから射す光- within自由詩2*10-4-13
別れの蛙- ……とあ ...自由詩13*10-4-13
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うそになる- 吉岡ペペ ...自由詩9+10-4-13
ダイブ- 吉岡ペペ ...自由詩610-4-12
君の隣に海がある- 楽恵携帯写真+ ...14*10-4-12
お玉が池のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*10-4-12
桜吹雪- atsuchan69自由詩18*10-4-12
スマイル・ハイビスカス- 楽恵携帯写真+ ...7*10-4-11
降雪- たもつ自由詩610-4-11
猫二題- ……とあ ...自由詩9*10-4-11
Ever_Green- 吉岡ペペ ...自由詩1110-4-11
一週間- 柊 みん自由詩5*10-4-11
FREE_HUGS・Ⅱ- 高梁サト ...散文(批評 ...8*10-4-11
童話(波音)- たもつ自由詩1210-4-10
ブロントザウルスの骸骨- ……とあ ...自由詩11*10-4-10
FREE_HUGS・Ⅰ- 高梁サト ...散文(批評 ...5*10-4-10
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春の入り口- within自由詩8*10-4-9
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悲しきホームレス- 吉岡ペペ ...自由詩710-4-7
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春の別れ- まどろむ ...自由詩5*10-4-6
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