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どれほどうら返しても
あなたはみつからない
すみずみまでひらいても
どうしてかいつもこんなふうに
ひとりでみることになる
足もきれいにしてきたのに
道路はいつも
ほかのだれかを運 ....
あなたの、
きゅんとする性器に手を添えて
わたしの角度をはかります
嵐の方向にどす黒い夕暮れははじまって
なぞる、すべるように終わりゆく行為も
いつの間にかそういうはげしさを終えて
....
ま夏の背中よろしくこぼれおちる曲線は
ぼくのよろこびにまっすぐに突きささり
それらはやっぱり放物線をえがいている
きみの曲線のおしまいにくちづけをする
そんな目でみたってだめだよ、もう ....
つめとゆびは
20ずつあるので
ちょうどよくセットになる
わたしは
とりだせないしいくつあるかわからないので
だれともちょうどよくない
かなしい
おいしいうそをついて
世界はおわらない
寝がえりをうったら
あの子が泣いてた
ゼリーみたいな涙してさ
これ以上なにを見れば
生きていることになるのか
体じゅうに種を植えた
女が泣きながら踊っている
名まえのもとに咲く花があるだろうか ことばからはじまる思想があるだろうか
槐、槐 蜂は最初からしっていた こぼれる密の甘さを
槐、アカシア 隣り合っても争わず
咲く白と黄色の狭間に立ってみれば ....
五月の雪の木曜日
あの子はステージで裸になった
次の日には祝いにまつわる詩を書いて
大絶賛を受けたあと欄干から足をすべらせて死んだ
ま新しい五月晴れの朝に
いつもより少しだけ多く ....
水でした。
わたしは息をしました。
水の中でした。
水の中でわたしは息をしました。
実際の話です。
あるいは、
想像上のはなしです。
息でした。
はじめに見たものは、無数の ....
ちょうど百年まえにも
こんな日があったね
うす暗い部屋に
暴力的な光がとびちって
あなたの背中から
夜が逃げていく
どんなふうに笑ったら
夜は戻ってくるだろうか
あなた ....
甘いお菓子をあげよう と
つれてこられた壁のうち側には
びっしりと塩の結晶が生えている
塩をなめながら
つま先だちでのぞいたそと側では
こちらと同じように
塩辛い結晶がきらきらとか ....
わたしは
とてもつよくて
いつかは泣いたりできると
おもっていた
花は咲いていたし
空は青かった ような気がする
でも、よくわからずに
ただ
立っていた
お気にいりを
....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた
気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる
それから、立ち上がって
なにもかも行き届いた ....
死にたい日に
いちばんすきな靴したを履いて
興味のないパーティーへでかける
足首に
ほそいロザリオをつけた男に抱かれたら
こころとからだがはぐれた
音が鳴っていて
とても静か ....
うそをつくと、体が くっ と軽くなるから、抱かれたままうそはつけない。
ばれるから
しめった肌のかんじが すこしだけかわくとき
だから うそついてるんだな っとおもってたよ
はだかで ....
空を引きずり
波を止め
人を変えた
いくつもの声が
きえた
さかい目のような悪夢を
人々はみた
それでも
悪夢のような日常には
すぐに慣れる
都市の陰欝を
打ち抜くように ....