道の端(はし)にいる僕の上を
季節が素通りし、
時間が頭上を通り過ぎる
そんな僕が立ち止まると
道の反対側には君がいる。
こちら側には僕がいて
反対側には君がいる。
僕の代りに反 ....
パンドラの蓋がずれた
安物の蝶番のせいだ
イライラしていたせいで
乱暴に扱った
最初は煙
嫌なニオイがする
煙というものは蓋を閉めても
漏れてくるからね
も一度蓋を開けて
きちんと閉 ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
・
エスカレーターに乗れば段を踏み外す
券売機のタッチ・パネルはいくら押しても反応しない
施錠をすれば鍵を無くす
自動ドアには挟まれる
わたしは
文明というものに適応するように
生まれつ ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋
■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの
■図書館
古びた新築の匂いがする
■デジャヴ
....
ぼくはあなたで
あなたはぼくで
そっくりそのまま
コピーしている
貼りつけている
ぼくの未来にあなたはなる
あなたの未来にぼくはなる
ぼくはあなたで
....
まっすぐに生きて行く
それ以上でも
以下でもない
ただ
suki
まっすぐに
私の体は
とても小さい
両腕をいっぱい広げて
君を抱きしめる
君の広い背中
君の大きな手
君の優しい声
君の暖かい心
全てが好きで
とてもいとおしくて
私の小さな胸からは
....
僕じゃない
ゴミじゃない
ころされる感情
広い部屋にポツリ
ひとつ涙ポツリ
金じゃない
夢じゃない
惑わされた感情
すごい嘘ポロ ....
{引用=
思えばまるで体全体が鼓膜で包まれているかのように敏感で危うくて響
きすぎだったのだから詰め寄るとなると耳かきなんてもってのほかでせ
めて綿 ....
この街に
夜が戻ってくる
小さな無数の鳥の形だ
夜が鳴き交しうるさい真っ黒な空だ
夜が羽ばたき異臭 夜が巻き散らすむせる羽毛
鳥たちが空に満ちれば
この街の夜が完成だ
この鳥たち ....
090915
5のつぎは6
指が足りない
いっぽんかしてくださいねと
お祖父さん
お墓の中で指を折る
ガラガラと
意志が崩れて
明日は休む
....
今日会えました
夢の中で
忘れかけてたのに
ひょっこり現れ
心丸ごと
ごっそり持っていかれました
なぜか泣きながら橋を早足で歩いてる
前方に居るあなたの元へ向かって
気付い ....
偶然見付けた奇跡を
大事にとっておいたけれど
奇跡は重ねれば薄くなるもの
そうして消えるのにはたいして
時間はかからなかった
森羅万象とは全てのことを言うらしい
理 ....
隙間無く並んだ町並み
商店街のアーケード
自転車こいでるお巡りさん
穏やかで愛想のいい
クリーニング屋のおじさん
後ろ手組んで
何かを眺めてるお婆ちゃん
雑多だけど人情が染みる
夕日が ....
いつかは投稿しようと思っていたテーマなのですが、なかなかまとまらないので試論ということでとりあえず投稿します。
現代詩批判から
文学は読者無しには成立しませんが、その文学を愛する読者は近 ....
演台に
原稿用紙を広げ
子どもたちは声の限りに叫ぶ
「笑顔の
あふれる町にしませんか」
「あなたの近くに
寂しがっている人や
弱っている人はいませんか」
....
砂漠にぽつんと
壁がある。
黒い壁がある。
大きな黒い壁がある。
その前でぶつぶつ呟いている男が一人。
終日ぶつぶつ呟いている。
男の言葉は聞き取れない。
ぶつぶつぶつぶつ呟いて ....
赤い月が見てる
私の背中を
じっと見てる
後ろめたさの滲む背中を
突き抜けて
隠した本音を
見透かしている
君たちの笑顔を飲み込んで
今日も私は
死んでいきます
真実はいつ ....
.
i am a girl
中途半端に背伸びを繰り返して
落っことしたものはなんだい
多分 あなたよりは美しいもの
そんなもの
いつかは忘れてしまうから
知らない間 ....
Tiger's tears drip on the spoon
小さじいっぱいの塩の海
Tiger's dears flop on the dish
小皿いっぱいの原生林
Ti ....
光が花をまね
朝になる
一房一房が
波を追う
雨
丘を昇る霧
向かい合う手
結晶
くちびるの色を
手鏡に塗り
歯は透る{ルビ雷=らい}
透る{ ....
赤いチョーク
のようなトンボが
風をひっかきひっかき
ぼくの背たけを測っている
ぼくは大きくなっただろうか
朝ごとに
ぼくは生まれる
よろこびとかなしみの
草の中から
....
090910
朝起きると
ラジオ体操をする
ラジオ体操の番組を鳴らす
元気のよい小父さん小母さんの声で
目が覚める
ラジオ体操を聞き終わると
....
僕は青い空が好きです
雲一つ無い澄んだ空が
それは小さい頃から好きで
よく晴れた日は
いつもウキウキしていました
本当の僕は
ネクラなので
青い空を吸い込んで
真っ暗な心に
パス ....
ユーフラテス川
という川の名前が
何故か印象から消えないのは
ユーラシア
ユグドラシル
など
ユから始まる名前が
好きだから
なのかもしれない
もし世界がユから始まるなら
僕はなん ....
もしもなんて
所詮どこにもない
ここに生きている事実はくつがえらない
わたしたちは観念して謳歌するしかないのです
疑いも醜い感情も溶かして
夢の軋む音に耳を澄ませて
わたし ....
熱い光はただ重なって
そっと重ねられて
渋滞した道でせわしなく鳴るクラクションも
軽やかに散歩する犬の太くて短い声も
光に飲み込まれてかき混ぜられて
珈琲に落としたミルクみたいにぐる ....
流線形を手がかりに
ピースを一つはめてみた
ぴったり落ち着くことが楽しくて
暇潰しではなくなっていた
ピースが足りないから毎日のように探し歩いた
埃の積もるベッドの下
ジレンマの隙 ....
回転扉の向こうはサバンナだった。
「さぁ、はやく。」
何かに躊躇っているうちに
電解質と一緒に失われた
青という名の雷鳴。
「サバンナに広がるベッドには、 ....
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