桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見え ....
絨毯に虹ができていた

ガラスのテーブルのせいだろう

この世はひかりで出来ている

否、この世はひかりで見えている

否、この世はひかりのようなもので出来ている

テーブルはガラスで出来ている

虹 ....
精錬された中指に
溶け落ちるクリーム
最後に残るのは苦しみ

蒸気圧がどんどん落ちて
すり替えが始まる

いつになっても
立っているだけの案山子が
ピエロのように
一粒の涙を舐める ....
日がしろく輝いて

ひとびとに熱を伝えている

傍らの空にはさくら

それをこどもみたいに自慢げによろこび

それをおとなみたいに適度な距離でたのしみ

日がバス通りの向こうに落ちて

ひとびとから熱 ....
黒光りする盧舎那仏は
大仏殿のひんやりした空気の中に
佇む自分を見下ろしている。
盧舎那仏に見られている
自分だけではなく
その場に佇むすべての者に
注がれる大仏の眼差しは
見る者からは ....
 
 
ぬめぬめとした悲しみが
晴れた空から降っている
ものとものとが擦れ合う音や
ぶつかり合う音が記号のように
いたる所にありふれている
スクランブル交差点を渡る人々は
無秩序な足取 ....
仕事を一生懸命するひとが人格者とは限らない
重要なことは考えないで決めている
酒は一日の疲れを酒の疲れにすり替えてくれる
家で飲む酒は川の水のように重い
永遠の緑は情熱の持続を教えてくれている ....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
 
 
今日はワカサギが良く売れる
いつもは店の奥まったところに並べているだけなのに
学生も社会人風の人もノートや鉛筆には目もくれない
いっしょに良い匂いのする消しゴムや
綺麗な色の蛍光ペ ....
{引用=
繋ぎたい手をわざとに隠す
距離に焦がれる眼球を
胸に取り込んでベッドまで持ち帰る
ランプの灯りに意識を漂わせて
アルコールを一口舐める
(あの丸くて柔らかいの欲しいな)
(ホル ....
あの小山のてっぺんの公園に
十七のぼくは二十六の女と上った
ふとくてぐねったまっ白いアスファルトの道
したで買ったハンバーガーは
チーズの足腰のない冷えた匂いと
ピクルスと湿っぽいパンの淋し ....
 
 
線路を描く
薄暗がりの方から
ほのかな明かりを灯して
路面電車がやってくる
駅を描く
路面電車が停まる
後扉から乗る
チラシの安売りの服を着た女の人が
前扉から降りて行く
 ....
葬式いろの装飾の

さくらのぼんぼり

きみがなまめいた

生理にせがまれて

おれペニス口紅の

スティックになる

つまらない命いろ

葬式いろの装飾の

さくらの ....
花冷えの雨はやむことがなかった

低い山にガスを這わせて

四分咲きの桜花を辱めて

花冷えの音がやむことはなかった


電車が運んでくれるそのさきに

灰の街が自意識に苛まれて ....
その日雪がふっていた
徹夜になろうかという夜だった
案外おおきくてストップモーションの
その日雪がふっていた
けぶる街で祝杯をあげていた

それは誰だ

その日雲がなくなっていた
そ ....
空にはまあるい月が照り、
山には桜の花満開
それを眺めるウサギの背
一緒に踊ろu とタヌキ数匹

その囃し歌 wo
井の中の
蛙が聴く

こんな満月の宵に
夜桜満開
浮かれた蛙  ....
{引用=
嫉妬に狂った女が送ってくる
ヒステリックなメール
私が貴方の何かを奪ったのだという
よく分からないのだけれど
だとしたら謝らなくては?

ごめんなさい?
違う、もっと別の
 ....
バイバイ カザルスホール

最初は静々と
自信のない歌声は
旋律の迷いを消すだけの声で
他人の声は聴こえない
自分の声も聴こえない
歌に詞(ことば)はなく
声に魂はない

次に粛々 ....
欝になり
しばらくして
料理をすることが
困難になった

そして この10数年
簡単な料理以外は
作らなくなった

末の子は
あたしの手料理の味を
知らずに小学校にあがった

 ....
1  月はまるで、地球の薬指に光る真珠のようだ。
2  月はまるで、大きな藍闇に光る女の目のようだ。
3  月はまるで、私の心を映す鏡のようだ。     欠け行き満ち来る銀鏡。
4  月に呼応し ....
これって何かの間違いだったりして

夕方近くに先日面接受けた問屋さんからの着信
胸の震え抑えつつ電話に出てみれば採用しますの吉報だった

他の誰かと間違えていないよね

いつもの野良猫に ....
{引用=
他愛もない笑い話をして
おどけた返事をする

きみは
僕のことを
僕よりも詳しくて
その華奢な肩に
少しの間
体重を預けたくなったり
する時がある

でも僕が
そん ....
 
 
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする

夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
カタヤマを丸亀でピックアップした
競艇にいってくれないか、ユキオはびっくりして聞き返した
このまえ上田さん、パチンコが好きだって話してただろ、
週いちどのカタヤマとの飲み会でそんな話になったのを ....
コガネイ係長と食事をしたあと係長いきつけのスナックに連れていかれた
ふだんスナックなど行かないユキオには居心地のいい場所ではなかった
こういう店はカウンターのなかにライトがいくようにしてある
大 ....
ひとつの幽霊となって
ある日の透明をかえりみる
止まない雨に
裂けない雲に
青空の贖罪を聞く

糸を編む蚕の
たゆまない運動の
底の磨り減った靴の
歩いてきた時間を告げる

再会 ....
シバタさんと久しぶりに話せた
所長にだいぶ持っていかれてるんじゃないか、
ユキオは顔をこわばらせながら
そうですね、と言って演技ではなくため息を吐いた
シバタさんからの注文以外ほかで取られてい ....
雪の降り積む
季節の頃に
じっとつぼみを
育んできて
やわらかな光が
いま やさしく包む

きょう、桜の花が
咲きました

これからずっと
幾年も
ふたりでいつも
過ごします ....
鏨(たがね)を打ち込む

光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む

切断する術は腕一つ
ハンマーふりおろしの際の微妙な躊躇は
表面を滑 ....
コンビニの袋をちりちりいわせながら歩いていた
夜風のなかに小便のような匂いがした
あたりを見回すとその匂いはツツジの群生からこぼれていた
それは甘くて涼しいヨシミの匂いにも似ていた

連休ユ ....
月乃助さんのおすすめリスト(2698)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
童話(おやすみなさい)- たもつ自由詩1710-4-5
- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-4-4
最後に残るのは苦しみ- within自由詩6*10-4-4
さくらが目に沁みる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...210-4-4
盧舎那仏- ……とあ ...自由詩8*10-4-4
都会- たもつ自由詩610-4-4
一日の疲れを- 吉岡ペペ ...自由詩410-4-4
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩11*10-4-3
文具店- たもつ自由詩710-4-3
((心E/D房))- 高梁サト ...自由詩10*10-4-3
六月の涙、アスファルト- 吉岡ペペ ...自由詩1510-4-3
終点- たもつ自由詩610-4-2
死世界のぼんぼり- 吉岡ペペ ...自由詩610-4-1
花冷えの街- 吉岡ペペ ...自由詩810-4-1
その日- 吉岡ペペ ...自由詩410-4-1
蛙_to_満月- ……とあ ...自由詩6*10-3-31
ハッピーエンド- 高梁サト ...自由詩10*10-3-31
合唱を_さらに合唱を_ーバイバイ_カザルスホールー- ……とあ ...自由詩9*10-3-30
キッチンドリンカー- 森の猫自由詩4*10-3-30
満月は欠け始めた。人類は月を10万年間も見て来て、・・・・・ ...- salco自由詩9*10-3-30
言い聞かすひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*10-3-29
なみだ- 高梁サト ...自由詩6*10-3-29
鳥かごのキリン- たもつ自由詩2510-3-29
蛇つかいたちの行進ラスト- 吉岡ペペ ...自由詩810-3-29
続_蛇つかいたち- 吉岡ペペ ...自由詩310-3-29
春の雨- within自由詩6*10-3-28
蛇つかいたち- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-28
桜_咲く- 鵜飼千代 ...自由詩14*10-3-28
鏨(たがね)- ……とあ ...自由詩6*10-3-28
蛇たちの天体- 吉岡ペペ ...自由詩710-3-28

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