泳げる海が見つからないから
青い水彩で画用紙を染めた
小さな 赤い魚
たくさん描いても
ひとりはさみしい
泣いたら 海になって泡になって
青に溶けて消えてしまうの
赤い魚も 白いクラ ....
>汗をかくからふいてあげる
少しふくらみをもった三日月ほどの光量で
ナプキンに描かれた「under construction」が
ひらりひらりと宙ぶらり
胸いっぱいの少女マンガを愛 ....
必然と人生で必要なものは
食べ物と金と空気あろう
もともと黒い烏丸には
白い空間など身に覚えのないことだろう
くじびきで決まった神などに
この先の行く末などを
指し ....
おんなの額の眉間のあたりに
ワルプルギスの夜は訪れ
黒い瞳は熱をおびて
銀食器のように冷たく暗く輝いている
あるいは柱の様な静けさの中には
緊張の糸と欲望の動脈が絡まり
....
渚を歩いていたときのことだ。
波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
090702
高真空を保つため
綺麗なガラスを探してる
トタン屋根の鉄を材料に
製造中の万能管ソラ
空の守りに使うんだ
ガラスのコップは溜 ....
くにゅくにゅ列車が
小さなバス停にやってきて
ダチョウを三羽乗せて行った
ダチョウたちが仲良く
キャラメルを分け合っているのが
窓の外からも
なんとなくわかった
何も無い妹の ....
シグナルを待つ間
雨の音ばかり聞いていた
せつなさが押し寄せて
あわててアクセルを踏めば
頬を伝わる涙に気付く
外はサイレントレイン
あなたの声も聞こえない
まるで逃げるように車を飛 ....
この部屋の光の具合もあるだろうが 其の皮は重く
赤みは幾分黒ずんでいるように見受けられる
産毛のようなものが軸の窪みのあたりに白くうっすらと生えている
以上からしても 其の林檎は若々 ....
人々は 互いの浅瀬に足を浸して
塩の水を汲み取っている
此処では誰もが 孤高で
ありながら共存している
互いの森で 迷いながら
不意に君は森を抜けて 一面の草地に ....
みんな頭の上に
金魚鉢を持っていて
歩けば中の水が
ちゃぷんちゃぷん
揺れている
ときどき
金魚が入っている人がいると
みんなが振り返る
水が濁って
少ない人がいた時は
....
花は花で
咲き競い
至福の種子を枝に結ぶ
鳥は鳥で
鳴き集い
矢印となって季節を指し示す
川は川で
せめぎ合い
未だ見ぬ海へと殺到する
雲は雲で
逃げ惑い
苦し紛れに ....
如何せんガクがない。ふわりぷかりと営んできた賜だ。
あるだけじゃあ大してイミは無いけども、無いオレが言ってもやはりボールは枠には飛んでかない。
それとやっぱり使い方なんだろうけれど、もう一つだ ....
090628
怖い光景が続く
乾涸らびた海の底からは
毎日二三個の死体が上がる
魚が居なくなったので
コンクリートに詰めて捨てるの ....
視点の定まらない太陽が見ている
青い海に沈んでいく
穴という穴から泡が立ち どんどん息が苦しくなる
助けて 手で水を掻きむしる 苦しい
苦しいよ 声にならない嗚咽が泡となって消 ....
話しかけるとよく育つのは
ヒトの呼気によってその植物の周りの二酸化炭素濃度が上がり光合成が活発になるから
らしいけれど
日本史の暗記に付きあわされて
一晩 戦国武将の名前を聞かされ続けた仙 ....
そして魚は夢を見た
パラソルをさして
弁当を食べてはまた泳いだ
浜辺に差す太陽は快晴
海を泳いでいく私
ひとつの季節に産まれる光と
ひとつの時間に死にゆく魂
脆い光の骨組みは
腕のなかで息づく命
消えゆくぬくもりへの道筋を辿る
いつかの日
煌く頬のあたたかさを守るため
いくつもの灯りを燈 ....
シリアスな詩を書いてはいけない
空中に散種する植物の
いい加減さで哀しみを
伝播させてはいけない
難解な詩を書いてはいけない
ペダントリで行間を埋め尽くし
注釈が付くのを待つような
....
いつからかその身体は凍えてしまっていて
今まで僕が得意としてきたやり方ではどうにもならなくなっていたんだ
時間が奪った熱量が圧倒的だったってこと
それを思い知らされて途方に暮れていた
....
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る
つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
君の誕生日に大長編をあげたい
大きく包んであげたい
消化にむかわなくていい
たこの吸盤はいたみだ
きみの目がみえない
僕が丹精こめてつくった
きみどり色したまめつぶ程度のふうせんを ....
01
図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。
02
図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になった ....
また、嘘をつきました。
嫌なことから逃げました。
馬鹿みたいで、
情けなくて、
申し訳なくて。
何やってんだろ...って
思う時にはもう過ぎていて。
ほら ....
古き良き時代
いじめのない
僕は平気
モンブランのように甘い
ミナシゴハッチ
お兄ちゃんは
証券マン
妻子持ち
愛に餓えている
人に好かれる
人と話すのは疲れる
気を使っ ....
僕は僕の皮を剥いてゆく
そろり そろり
痛くしないように ゆっくりと
不安 欺瞞 恍惚
嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく
随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....
*
抽象をなぞる指先が、無色透明な肌に存在だけを記して
昨日の空に溶けて行く、輪廻を正しく辿って行けば
全ての人の記憶は一つになると
ついさっき、知りました。
だから、君の香りはどこか懐かしいのだ ....
それぞれの速さで歩む人の群れ
その何割が自分の速さでであるいていて
その何割が他人の速さに合わせているのだろうか
僕が生きている内にすれちがった人は
世界のの人口の大体何%かな ....
前髪を切った
雨上がり
庭先でミツバチと出会う
胡瓜の黄色い花にモンシロチョウが舞う
土の匂いが肺の奥まで届くようだった
見上げれば空が雲と調和して
すべてを見わたしていた ....
あらかじめ堕胎された革命の
水面にたわむれる残像
指先につまむことのできる
計測不能なオーピアムの胞子たち
溺れながら夢を見る
草原を走る深夜の列車の窓
音楽はいつもきまって理不尽
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