ドラマや漫画、アニメや映画など、様々な解釈で話した機会は誰もがあるだろう。
よく「作品は作者の手から離れて一人歩きする」という。
それは、説明されていない部分について、我々受け手側が自由に解 ....
風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
あかねしたたる夕焼けこやけ
一尺五寸の袖ひるがえし
もみじのみちの落ち葉ふむ
振りからこぼれる緋色の襦袢
肩にながるるその髪の
さんごの櫛のその細工
川辺でうつむきあらう血の
い ....
夜は射す
光で濁った眼に
誰も知らない言葉
ずっと昔から
決まって
、いた
こと
おまえは誰
....
春の天皇賞。6歳になった彼の、最初で最後のG1レース。
出走にあたって、彼の所属厩舎だった田中清隆師の残した談話が今でも忘れられない。
調子がどうの、勝ち負けがどうの、という話ではなかった。
「 ....
雨上がりの濡れた空気に
しっとり染み込む芳香は
垣根の向こうの金木犀
乾き始めたアスファルトに
規則正しくむちを打つのは
子どもが回す赤いなわとび
吸い込みすぎて重たくなっ ....
影響
少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が
それが人生の全てだ
と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。
少しばかりの賞賛と
少しば ....
天文館通でスナックのあとラーメン、定番だ
芋焼酎は白い
脈絡もないことを思いながら歩いている
麺はのこしておいてよかったな
酔ったからだをホテルまで動かしている
出張 ....
091017
コロッケを買う
帰り道の悦楽
見事なほどの
木の根の太さ
あ〜ぁ〜あ〜ぁ〜
赤い車のホースを伸ばす
裏の川から水を汲む
火事だ!
....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
すこしずつアスファルトを
黒く塗りつぶしてゆく雨に
みとれているうちに
めちゃくちゃに濡れて帰れなくなった
コンビニの明かりがやけにまぶしくて
美しいことばだけで心を飾りたく ....
ふたりの蛇が絡みあい
とぐろを巻いてぼたっと置かれている
私たちは睨みあう
舌をちょろちょろさせ
鎌首をシュパッと突きあわせ
私たちは今、威嚇しあっていた
私は ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く
拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく
紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
ずっと すきだった
縁があるんでしょう
こんなところで遇うなんて
コンビニのガラスがくもって
おでんの匂い
声もかけずに知らない振り
マスクを脱いだら
真っ更な他人だよ
だけど ....
めったにないことだが、仕事で都市部にでなければならないことがある。そんなとき交差点を歩いていると、あまりの人の多さに眩暈がするのだが、同時に誰かがつけていた甘い香水の匂いに触り、私は先輩を思いだす。 ....
廃墟 と呼ぶ 騒がしい 時間は 鎮まる わかってしまいたくないのに、目を離せない いっしゅんの うちに 瓦礫の 写真は ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった
ベッドのなかでもブーツ脱が ....
母が縁の下から引っ張り出してきたびんは
レトロでポップな橙の花が描かれていて
若い頃の彼女の趣味であったのだろうと想像出来た
恐らく本来は真っ赤な色をしていたのだろう
すすけたえんじ色 ....
ああ
僕は引き裂かれる
林檎がみるみる熟れて破裂する
僕の爬虫類の目つきが変わる
すーっ と
すました顔は得意でも、
僕の宇宙の
花火大会は
は、
は、
はれんちで、
....
君へ寄りかかるフリをしながら
君の世界を盗み見る
僕の心の隙間に秋の風が吹いてくる
黄金に揺れていた稲穂は刈り取られ
赤に燃えている山が映りこむ
そんな折々の季節に彩られ
また君は ....
晴れた空に幸せそうな雲が
まだ明るい日のひかりが
高層のビルに当たっている
こんな時間帯に
悪だくみをする人もいるだろう
美しい歌を聴かせる人もいるだろう
失意 ....
きいた風な言い回し、
人にそれを突きつけて
ああだこうだのお節介
誰も見向きもしないもの
書いてみたって白々しい
自己満足にもなりゃしない。
イメージ不能な自由律
人を小バカにす ....
{引用=純
粋世
界の君
が笑う9ヶ
月前にこの
夢ははじまっ
た、はずの夢
*
はじまったもの達
のはじまらなかった
”名前”をひとつずつ
乾いた舌先で声にうつし
て消し去る ....
「妖」
熟れた日常を引き剥がし
馴染んだ名前を脱ぎ捨てて
あなたの熱は儚く溶けた
残り香だけを朝に置き忘れて
「怪」
仄暗い四辻を右へ折れた ....
おどおどした目で
悲しみ選んでいる人々に
営みの地平から
白い抒情よ、立ち上がれ
響きあうこころと足音
蛍光灯でがらんとしている人々
悲しみは漂白されている
....
どこまでものぼってゆくのです
蔓を伸ばして
空を目指して
林を覆い
木を覆い
風に翻る恨みを超えて
わたしはどこまでものぼってゆくのです
ふと
自分がどこから来たのかわからなく ....
綺麗な砂漠の真ん中で
オンボロなギターを弾き
ラクダと戯れながら
ゆっくり歌を歌っていた
蜃気楼は今日も未来の都市を
ぼんやりとうつしていた
壊れたラジオからは
....
091012
カレーライスと
ライスカレイの違い
よく分からないままに
大人になって
もう一度と思ったが
ライスカレーという人は居なくなり
....
地面に
へたり込んで空を見る
空は
少しだけ遠く
夕焼け雲を連れてくる
犬の目線
猫の目線
カエルの目線
車の目線
テニスコートの
そばの車道で
ぼんやり
身体を投げ出 ....
そのいて座の子らは
日曜日の夜が好き
うたげのあとの
{ルビ零=ゼロ}の織りなすパターンが
ひょっこりと
谷で夜風に当たったり
市役所の屋上から綿毛を飛ばし
無人駅の明かりをともす
....
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