「あなた」

あなたは歩み
わたしに残されたものは
ただの影法師


「ひみつ」

そっと、唱えてみた
遠い昔の
あなたとわたしだけの呪文


「ひとりぼっち」

時が ....
岬の塔に幽閉されていた

風の声を聴き

海の虚無を見つめ

雲やひかりの階段に

来世への憧れを昇らせていた


塔の内にある肉体が

世界を傍観していた

世界は私と ....
厚い一枚板のカウンターに2杯目のカクテルが運ばれてくる。   
君はウエイターに軽く会釈すると、すぐグラスに口をつけた。
鮮やかなライムグリーンのカクテル。グラスのふちについた唇
のグロスの跡を ....
雪の上に残る
踏みしめた足跡
一つ増えるごとに
私は素直な心を
取り戻していきます

小さかった手が
だんだんと大きくなるにつれ
大きな愛情から
逃げるように
離れた強がりの私は
 ....
その神様は
ちっとも偉大じゃなく
小柄で、痩せた手足をしていて
けれども表情は生き生きとして
老人の顔をした少年のよう
優しく、時々いたずらっぽく微笑み
白い雲と暖かい日差しとそよ風とチョ ....
■罫線

歩くことなんか出来ないってわかっていても
真っ直ぐに続く道を知りたかった
言葉はあまりにも無防備すぎて崩れそうで
その柔らかさを利用して思い切り固くした


発しては、ほろほ ....
冬の終わり、夕暮れの川原に

少しさびしそうな背中をした旅人がひとり


その背中を今日も

夕陽がじんわり染めています


雨の日も雪の日も

夕陽はいつも

旅人の ....
白い指が花びらをちぎる

好き 嫌い 好き 嫌い

痛いのは

細く尖った指と

あなたの眼差し

好き 嫌い 好き 嫌い

怖いのは

冷たく濡れた指と

あなたの思 ....
 
 
光が蒸発していく駅舎
待合室の隅のほうで
一匹のエンマコオロギが
行き場をなくしている

他に行くところのない子供たち
髪にきれいに飾られた赤いリボン
鼻から伸びているチュー ....
てのひらに乗るくらい
小さな桃色の巻貝だけ
あなたに送ったのは
あなたがくれたお手紙が
あまりに優しすぎて
どうご返事してよいのか、思いつかなかったから


その貝は、私が小学生の ....
{引用=
紺碧の空が紅く燃えている
何かを予言するように

逆方向に流れていく 蜂蜜色の雲を眺めていた
握り締めている 何度も確認した時刻表は
文字が見えなくなるほどかすれて 消えて
蝶 ....
胸に手をおいたのは
あなたがひとりぼっちだったからです

手首をしばったのは
あなたの声がせつなかったからです

歯をかんだのは
ほねを愛する練習です

あなたと石を飲んだのは
ど ....
明け方に、右の乳房に奥深く
喰いこみし百獣らのざわめき、
さわさわと
君が心、ここにあらず。



おごれる春はさみしく単騎、千里を走り
凍れる冬の黄河もろとも 旗ともに渡 ....
キッチンで君と二人
こんにゃくをちぎっていく
娘は一人、二階で
静かに宿題をしている
こうして手でちぎると味がよく染みこむのよ
君が母親から教えてもらったように
僕は君から教えてもらっ ....
夕日を見ながら

夕日を見つめている

ぎらついた川面に

純情を吐き出してしまいたくなる

実体とはどこにあるのだろう?


月みたいだ、とひとりごちる


月はかたちを ....
汚いワンルームのアパートに逼塞する
筋金入りのジャンキーで
しかもアル中
詩を書く痙攣性のケルアック
自己嫌悪を嫌悪する C31

シャワールームのパイプは錆びていて
壁はそこ、ここ ....
夕日はぼくの月だから

きのう月がうつくしくて

夕日のこと考えてしまってた

月がさんさんと照っていて

それは夕日みたいで

きのう夜はとても満月だった

夕日のこと想って ....
産んでくれて ありがとう
絶望と悲しみの淵で
私もろとも沈まないでくれて
ありがとう

あなたのお陰で
今 私は生きています

生きていると
哀しいこと辛いことが多々あるけれど
生 ....
詰まりきった側溝の底

僕の未来を閉ざされて

走り抜ける影に嫉妬

陽光
反射しないことに嫌悪する

無い物をねだり
在った物を忘れてしまった
腐海の海
視界は暗転とし
働 ....
ギアチェンジするとは

おおきな存在に

身を任せてゆく覚悟のことだと思う

どんな悲しみでも

日々の暮らしのなかに

お任せされてゆく

どんな河でも

その河口ではもう海に

お任せされてゆく
 ....
 
 
このこんにゃくを探しています
家族同様に可愛がってました
見かけた方はご連絡ください

という貼紙が電柱にあった
家にあるこんにゃくに良く似ていたので
書かれていた住所のところ ....
「大事なのは、ギアがガチッ!と切り替わる、あの瞬間」



暗い真夜中の道路、車を走らせていく、
今夜は寝ないかもしれない
光る猫の目のように黄色いヘッドライト、
センターライン追いかけ ....
目に見えないあなたを

ぼくはなんどもコピーした

そして

年端もゆかない精神に

ぼくはなんども貼りつけていた

あなたの苦しみや痛みを

ぼくはじぶんのものとしたかった
 ....
追われるものを追うものの
山彦越える、相聞歌。
闇にまぎれ
主は言問う、
「戸は開けぬ、知らぬ、存ぜぬ」
読み人知らず。


送り火迎えて遥か
節句の里。
柴刈り、道拓けて
今か ....
神田小川町から靖国通を歩く四人の詩人

一人は青い顔をして健康の大事さを説きぶつぶつ食べ物の名を呟く
一人は赤い顔をして声高に愛を語る
一人は黄色い顔をして金の儲け話を話す
そして、一人は黒 ....
綺麗を飾ればコサージュのような言葉
オーガンジーにシフォン、ローズの多重層
華やかなだけならば、脈がなくても事足りる

赤褐色の壁の向こうへハンマーを打ちつけて
さあ腹の底から泣いてみなさい ....
なぜ負けなきゃいけないの

そんなことのほうが

そっちの方がむつかしいことなんて

だって

あたりきのお話しじゃないか


富士や蛙やヤマカガシ

負けることがただしいん ....
 
 
こんにゃくの降る街を
君と歩く
手をつなぐのは
二人に手があるから
理由はそれだけでよかった

子どもたちが積もったこんにゃくで
だるまを作ろうとしている
それは無理なこと ....
おもいで

10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって

コンクリートだらけの街並みはいつも ....
シスター、魔女たち

「黒い森を、見知らぬ男と女が逃げています。あれたちは、城下の者ではありません」

月光の影(シルエットだけ)


呪われし王の姿、針の雨嵐吹き荒れる棘丘に現す

 ....
月乃助さんのおすすめリスト(2698)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
未練- 殿上 童自由詩11*10-2-3
来世への階段- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-2
ギムレットには早すぎる- 渡 ひろ ...自由詩12*10-2-2
足跡- ミツバチ自由詩22*10-2-2
そんな神様だったなら- 靜ト自由詩410-2-2
ノートのおと- あ。自由詩12+*10-2-1
やさしい夕焼け- 楽恵自由詩5*10-2-1
マーガレット- ハイドパ ...自由詩5*10-2-1
蒸発- たもつ自由詩610-2-1
なぎさ便り- 楽恵自由詩8*10-2-1
辿り着きたい- 高梁サト ...自由詩4*10-2-1
雪がぜんぶを- 吉岡ペペ ...自由詩10+10-1-31
鳥獣戯画- 楽恵自由詩7+*10-1-31
こんにゃく(について)- たもつ自由詩8+10-1-31
月のたとえ- 吉岡ペペ ...自由詩6+10-1-31
ジャムセッション- ……とあ ...自由詩11*10-1-31
アスファルトのうえで- 吉岡ペペ ...自由詩710-1-30
ありがとう- 綾瀬のり ...自由詩1210-1-30
ビー玉のうた- 窓枠自由詩4*10-1-30
任せてゆく- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...6+10-1-30
こんにゃく(ろく)- たもつ自由詩610-1-29
Drive_All_Night- 楽恵自由詩13+*10-1-29
ぼくはあなたをコピーする- 吉岡ペペ ...自由詩610-1-29
鬼追- 楽恵自由詩6+*10-1-29
四人の詩人- ……とあ ...自由詩9*10-1-29
break_reform- 瑠王自由詩6+*10-1-29
夕日が目にしみる- 吉岡ペペ ...自由詩5*10-1-29
こんにゃく(ご)- たもつ自由詩810-1-28
線香花火- 窓枠自由詩18*10-1-27
Moonlight_Shadow- 楽恵自由詩6+*10-1-27

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