いつか詩人になれるなら

世界中を旅して回ろう
草原を駆ける羊たちの群れを
湖に映る青空の影を
収穫を願う人々の踊りを

感じたものを
感じたままに
言葉に紡ぎ出せるように

世 ....
一、

顕微鏡を抱えて
潜り込んだ湯船に
わたしたちの空が眠っている
あぶくを
覗こう
口から吐いたあぶくを
捕らえて
なにが詰まっているか
知りたい
ふ、ゆ、と言ったらふゆが満 ....
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない

田舎だからといって夢がないわけでもない

田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ

田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
お前はついに来なかった
その足音をどこかに葬り去ったままで
俺が自分の嘘を屠殺するこの広場まで
稲は刈られ 柿は熟し
だがお前は来なかった
来なかったという銀河を巻き
来なかったという未来 ....
なんにももってない
そうおもってるのに

いっぱいもってる
なぜそうおもわれるんだろう

幸せってなぁに
見本なんてないよ

わらってる
だれかはなにをもってるの?

こころの ....
ぽろぽろぽろ
言葉がおちる

温かみのない言葉がおちる
刃物のようにとがっておちる
後悔と苦悩が降り注ぐ

冷たい言葉を君に投げた
君はきっと、泣いたでしょう
やがて来る明日を嘆 ....
金木犀のかおりが郵便受けから流れると鍵をしめた
私は外に出ていたときに
人生で最初の婚姻届の切れ端を届けた
しあわせに封をして焼印を押し君に告げたいことばが溢れた
買ったばかりのダ ....
真実がみたいからと写真を撮るひと
夢がみたいからと詩をうたうひと
はきだしたくて
いやされたくて
そんなに求めてどうするの

片手でもとめて
片手でふりすてて
おなじ方向をみんなみてる ....
「わたしのしごと 1」
               木の若芽



木に登る
カシの木かクスの木
すわりごこちのいい太い枝を見つけて
体を思いきりあずける
そして
時を忘れて木と ....
束ねられたさびしさを解くと
ふっと花の香りがしたようで
そのことを伝えようと振り返り
不在に胸を踏みつけにされるようだ

音も声も湿度もすべて気配の中にないまぜ
微笑も寝顔も怒ったときも輪 ....
柔らかい つのは
とても臆病

誰かに触れるたび
驚いたように
身を縮める

もうこれ以上傷つけあいたくないのです

この世がそんなに怖いなら
堅い殻の中に
ずっと眠っていればい ....
文学、音楽、哲学、映画、絵、写真、を捨てる。
孤独を愛する事、をやめる。
夜にだけやさしく在ろうとしない。
男を殺さず、女を犯さず、夜盗を働かない。
夢の意味に絶望しない。
昼間 ....
「月光魚」
                 木の若芽


鳥と木と宇宙を愛しながら
魚のように生きるのもいいな

ああ
今夜月の光をあびたい

月明りの森を泳ぐ魚になって

 ....
「散歩」
               木の若芽


秋の清冽な青空に
高い木のてっぺんが
威儀を正して並んだ
あそこへ行こう

セコイアだった
大好きなやわらかい緑はすっかりなく ....
下校途中のスクールバスに
突如乗り込んできた男達
怯える少女達に男が
「どの子がマララ・ユスフザイか?」と訊いた
まだ愛くるしさの残るきれいな瞳を持つ少女が指差された
次の瞬間彼女の頭と肩 ....
月は夜の命醒めた情熱が空に浮かんでいる

張り出した枝の先に引っかかってなにを思う

そらが墜ちてくるまであそぼうか

朝のひかりを待たずに逝ってしまう
幾千のしじまの響きをたずさえて
 ....
9.8ニュートンの
朝を
蹴っ飛ばしたら
空元気いっぱいで
胸を張って
間違いだらけの
午前に
歩き出す

早くも重さを感じ始めた
午前を
乗り切ったら
不様な前のめりで
 ....
蜘蛛は謙虚だ
もっとたくさんの空間を
占領したっていいのに
わずかな場所に住んでいる

ある日物干しざおの上にいたので
なにをしているのかきいたところ
子供をうんでいるという

次の ....
地球という言葉が 宇宙の中に点在している気がする
宇宙広しというが 大宇宙には無数の知的生命体が存在し
それぞれの星の人が それぞれの星のそれぞれの文化の言葉で
自分達の天体のこと ....
「ないしょだけど」
           木の若芽


草木や鳥が好きで好きで…
空と雲が好きで好きで…
こういう話を始めると
わたしの目は緑色になり
髪から葉のついた蔓がのびてくるの ....
希望はどこにある
学校では教えない
学校では平等を熱心に教えるから

紙面を探している
昨日までの絶望が長く語られている

今は夜ではない
だから空が静まっている
おしゃべりな残像は ....
どこか遠くからきたりんごが
台所に座っていた

母親が小言をいう
父親がだまってテレビをみている
そんな普通の家庭に
憧れる私の目の前に

この時期しか売られないんですよ
売り場の女 ....
僕は子供の頃金太郎飴がすきだった
でも一緒に暮らそうとはおもわなかった

金太郎飴よりは
それぞれ違ったいろいろな飴が
食べたかった

あまり関係はないが古い知り合いの井上さんは
 ....
あたしゃ
あんたに{ルビ殺=あや}めて欲しい

年とって皺くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら
いっそ
ここで殺しておくれ

女にとって幸せなことは
きれいなうちに 
惚 ....
「木 樹 木」
               木の若芽


木という美しい存在から発せられる
さらに妙なる空気は
宇宙の真空に似て
静かなのに歌に満ち
陰なのに光にあふれ
少し怖いけ ....
方向性を定めず水面を揺らす少年少女
アイデンティティーの火花が空をのぼっていくから
頬杖ついた透明な空虚
あくびをしながら眺めればいい
空はなにひとつ言葉をもたない
殴り書きの小 ....
秋という字に
小さな火がともっている

稲穂が黄金色に実ると
満月の夜
野うさぎが
提灯に火を入れて回る

秋という字が
お月さまからもよく見えるように
旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた

翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった

後悔はしてないが
時々背中に ....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ

風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
占いを信じていない占い師
月乃助さんのおすすめリスト(2698)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いつか詩人になれるなら- 結城 希自由詩3*12-10-21
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田舎の虹- 梅昆布茶携帯写真+ ...1512-10-20
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場合じゃない- 瀬崎 虎 ...自由詩312-10-16
柔らかい_つの- そらの珊 ...自由詩1612-10-16
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重力- nonya自由詩18*12-10-14
蜘蛛は見ていた- 朧月自由詩312-10-14
(仮)- るるりら自由詩10*12-10-13
ないしょだけど- 木の若芽自由詩312-10-13
希望探し- 朧月自由詩412-10-13
りんごの夢- 朧月自由詩912-10-12
金太郎飴- 梅昆布茶自由詩16*12-10-12
【_情死乞_】- 泡沫恋歌自由詩7*12-10-11
木_樹_木- 木の若芽自由詩412-10-10
少年少女- マーブル自由詩412-10-10
秋という字- そらの珊 ...自由詩14*12-10-10
肩甲骨- そらの珊 ...自由詩20*12-10-9
世界のなまえ- 梅昆布茶自由詩1912-10-8
占い- 北大路京 ...川柳212-10-7

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