アンダンテ
梅昆布茶

僕の歩速はアンダンテ
歩幅はきみを抱きしめるときの喜び

世界はストーンサークル
星の影を測る物差し

僕の耳はユーフォニューム
B♭で風の音を聴く貝殻

きみは狂った時計が時を刻むアンビエントな部屋で
玉葱のようにの次々と衣装を脱ぎ捨ててゆく

ちょっと衰えた胸はバンドネオン
僕は白い腕のあいだで明滅するタンゴ

僕の歩速はアンダンテ
歩幅はきみと別れるための哀しみ


自由詩 アンダンテ Copyright 梅昆布茶 2015-04-02 18:13:10
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