すべてのおすすめ
あなたの
手が
あんまりに
つめたいので
わたしは
なんだかこわくなって
その手を
きつくきつく
にぎりしめたのですが
わたしのねつは
すこしもあなたに
うつらなく、て
いつま ....
雑草という名の草がないことを
承知でヒメジオンを抜く
カラスノエンドウを
クローバーを
タンポポを
抜く
自らの菜園に
みずみずしいトマトが実るよう
花園に大輪のバラが咲き誇るよう ....
図書室で本を開くと
誰かの髪の毛がはさがっていた
細くて少し茶色がかった…
それは置き忘れられた誰かの遺伝子
合理化なんかが叫ばれて
背表紙の裏に潜んでいた
小さなカードがなくなっ ....
赤い舌をのぞかせながら
君は緑色のケーキを食べる。
ピスタチオのムース。
新作だってと言いながら
君が買ってきた分を
二人で分けて食べてたはずなのに
僕の分はもうない。
赤い舌をのぞ ....
薄汚れた茶色の天井と
古い紙の匂いと
真新しい本の匂い
部屋の中心のストーブの上
やかんがシュンシュンと音を立てる
そのお湯で淹れられたコーヒーの匂いは
そのまま壁に染み付いて
また新し ....