髪の香りが永遠ならば
わたしはいつでも夜を待ちましょう。
ささやきの苦さがひとときならば
わたしは今でも夜になりましょう。
ルルリリ メルリ
いとおしいのは あな ....
「もう無理なんだ・・」 と
電話の向こうですすり泣く男の声を聞きながら
鳩サブレーの袋を破いた。
バターのきゅんと効いたこの銘菓を、私は好きだ。
ぼりぼり。
むしゃむしゃ。
....
僕がここで倒れたなら
誰が助けてくれますか?
君がもし死んだなら
誰が涙してくれますか?
僕たちの歩いている道は
結局のところ平行線で
君の道と交わった途端に
すぐまたお別れだ
....
死んだ街で私は生まれ
死んだ街で
私は死にました
死んだ街には
たくさんの死んだ人たちが
住んでいました
死んだ人たちは
毎日毎日
仕事に行き
学校に行き ....
目の前にはたくさんの優しい言葉の数々
綺麗なガラスの花 可愛いぬいぐるみ
そして友達の心のこもった笑顔
髪の毛を切ってみた
少し違う自分が鏡に向かって微笑んで
違う人になれたなら
そう ....
ああ、ここにいたのかい(ここにいたんだね、)
抱えた膝はこわばって
下ろした腰は冷え切って
青々とした何を見ていたんだい(見ていたんだね、)
す
っ
とすじは白い
....
いわゆる「イカれたポエム」ってやつを書けなくなった。
いつからかな。抗うつ剤を必要としなくなった頃からかな。
あるいは、レディオヘッドを聴かなくなってから。どっちもかも知れない。
そしてレディオ ....
はるか遠い道のりを
いつまで続くとわからずに
今この一瞬の始まりの
想いを胸に抱きつつ
信念とともに動き始める
ひたすら歩く道のりを
どこまで続くとわからずに
今この一瞬の高まりの
....
「死にたい」とか言ってても
やっぱお腹は空くんだよね
結局は死にたくないんだろうな
哀しみに満ちたこの世界
暴言と悪態が飛び交う中で
そんなに弱い君は生きてゆけるの?
どんな痛みからも守ってくれたあの人は
もう、いないんだよ。
半端に強がるこ ....
写真が嫌いだ。風景写真は好きだが人間が写り込んでいる写真が大嫌いだしじぶんが写り込んでいようものならその写真を処分するためにおまえの妹の身柄を確保して交換条件にしたいぐらいに嫌いだ。思い出は必要 ....
風が走る
土が舞う
水が震える
枝が軋む
風は思うままに
その力を誇示するかのように
押す力が押す力を加速させ
どこまでも走り通す
風が飛ぶ
森が揺れる
岩がずれる
波が ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
僕はまだ人に愛される感覚をしらないのです
胸を焦がす様な恋心はいつも一人で完結しています
寂しいという言葉にのせられるだけなら
まだ幸せなのでしょう
でもそのなかには複雑な成分 ....
恩着せられても返さない
救いの手は振り払う
褒め言葉は相手にせず
負の感情のみ共鳴する
私はそんな女です
環境に染まった結果こうなりました
それでも生きろというのですか
瞳がかすむように
この両手がこごえるように
なぜ 淋しくなってゆくのだろ
*
雪よ 降るのでない
悲しいわけじゃないけれど
彼方で
白い夜が{ルビ蹲=うずくま}る
....
なあアンタ、
うちはもう
死ぬことに慣れてしもたんよ
昨日の朝も、昼も夜も
何回も何回も
死んでもうたわ
どういう感覚か
伝えるのはえらい
難しいけど
ふわ ....
振り向かない力が
勇気となって
道のない前を
歩いてゆける
淋しくはない
振り向かない力が
翼となって
果てのない空を
飛んでゆける
悲しくはない
振り向かない力が
光と ....
何もかもが嫌になって
真っ白な自分がいる
けれども
そこから僕の夢が始まる
新しい僕の夢は
満たされていたときよりも
ずっとずっと
大きくなっている
何もかも失って
まっさら ....
僕は
人よりもできることが すくない
僕は
人よりもあたまの回転が おそい
僕は
人よりも当てはまることが すくない
僕は
人よりも決まったことしか でき ....
優しさの
定義の途中で
悲しい君を抱き締めた
何度も何度も
抱き締めた
放熱温度は数千
おそらく加護には不向きな温度
僕は何もかもの途中だった
汗をに ....
お風呂に浸かって
六十兆の細胞を丹念に洗いつくす
明日消えるものには別れを
新入りの細胞には洗礼を
すべての細胞を磨き終えたら
今日も一日が終わる
さよならした細胞
初 ....
貴方の突きつけた言葉はナイフ
あたしの大事な部分をえぐる
愛でなくても
ただ純粋な遊戯でも
染み出た白い血を舐めて
私には誰かから愛される価値はないのだろう
蔑まれて自尊心とやらを踏み潰されて
適当に萎えていくのだ
生まれてきてしまった
どう生きたって惨めで愚かで
二酸化炭素くらいしか
一人前に ....
かいちゃんはくつしたが大嫌い
はかせても はかせても
脱いでしまう
そんなにくつした嫌かなあ
確かに裸足は気持ちいいけど
今は冬
君のあんよが真っ赤なのを
ママは見るにしのびないんだ ....
あの日子宮に辿り着いた時
私は多くの仲間を蹴落として
一人の女を犯した
彼女はとてもきれいな
色をしていたから
私は穢したくて
嫉妬していたのだろう
彼女と一つにな ....
焦らずに
焦らずに
道は長くても
道は消えたりしないから
道に沿って
君を見守る花がある
ゆっくりと
ゆっくりと
夢は大きくても
夢は消えたりしないから
夢に沿って
....
彼は
あたしが寝た頃にいつも電話をしてくる
きっと
人が一番寂しくなるような時間に
事故からまだ半年
彼はよく将来のことを話す
そして吐き捨てるように過去を話す
あたしに脅しかけるよ ....
同じ干支が二度繰り返され
私は何人の顔と
すれ違っただろう
美しい顔
怒った顔
そして何より
醜い顔に
話すことなく
息を交わすことなく
ただ
すれ違っ ....
だめですか
勉強して偏差値上げなきゃだめですか
勉強したら
人を殺して良いですか
だめですか
台本通りの服装で台本通りに泣かなきゃだめですか
その通りにしたら
自分を殺して良いですか ....
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