やっぱり一人じゃないんだね




帰るところをくれる人たちがいる

胸を張って言える "居場所がある"と

そんなシリアスな気づきは

涙が出るほど笑ったと ....
 さらさらと

お前は何しに来た

 こんこんと

お前は何を話しにきた

 しんしんと

お前は何を聴きにきた


 さらさらと

また人々の掌に舞い降りてきた
 ....
 
わたし、
だからうまれたの
 
 
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
 
からめるいとは
 ....
遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手

静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
診断はうさぎ熱
それも重症

止まらない
君に
大切な友だちに
手をかけるやまい

君は目を閉じて
やり過ごそうとするけれど
ボクのやまいは
それを越える

君を食む
最初 ....
 
 
白紙に滲んだ黒い赤
むくむくと大きくなって
たくさんの物語を生んでくものを
とくり、とくりと創ってく
 
神秘の朝は窓を黄金に染め
鳴いたはずの軋んだ世界を
やさしく やさし ....
 桜

僕たちの最初の声が本当に欲しがったのは何だったのか
{引用=羊水の中で足掻く胎児は
魚類に他ならない
僕たちが生まれたとき
本当に欲しかったものは何だったのでしょう
どうして ....
イチゴの詰まった胸に
あこがれてしまった
しゅんかんは、あの時の少女だった

いちご、買おうか。
好きでしょう
食べない?

ぼおっとしていたら
背中に今年はじめての
ひだまり
 ....
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う

熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる




鼓動 ....
蒼い影を映して続く冬の森には
透き通った何かが隠れている
凛と張りつめた空気の中で
何かが動き始めている
それは凍りついた木々の向こうに
広がるはるかな世界
白いやさしい{ルビ時間=とき} ....
いつもと同じ場所から何ら変らずに
初日がひょいっと昇ってきただけなのに
「ありがたや」と皆で拝んだりする

昨日までの日の出とどっか違うのかな

江戸時代の「つけ」とかの借金って
支払期 ....
悲しみの筆を執ろう
白い便箋に文字を並べ
心の内を今
ようやく語ろうと思う

書き終えたら僕は
次の準備をしなくては
背中に見えない羽を
どうか安らかに
空を舞えるように

いく ....
あなたに会いたくて
ちょっと無茶をして
乗り慣れないバスで
あなたのところまで


ずっと一緒に居られたらいいのに


時間が止まってしまえばいいのに


帰り道、バス停まで
 ....
うぐいす色の線を引いて
君に良く似た生き物を書こう
虹色の二時に詰めた薄い憂鬱や
羽音を響かせる蝶番を連れて
 
この世のキャンパスは
まだくもりない君には美しい白に見えるから
世界樹の ....
波の声
かたりかけてくる
じゃまにならないように
ちかく、ちかく、とおく
足元をぬらさないくらいの
ところにぼくは
すわって

つかれてしまったよ
うずくまったよ
なにか答えてほし ....
夜の淵の
とおくに浮かぶ一つの雲

煙よりも深い
炎たちがその一生を終えようとしている

知っているだろう
月明かりに照らし出された

燕が巣をつくり
とかげは土で眠る


 ....
南中 傾きかげん
午後は冬枯れて
ゆっくり暮れ始め
つる草の茎は乾く

雲が湧き立つ
空き地の水溜りに
空が留まり

太陽が雲に隠され
疾風が翔る
空と大地が近づいているだ

 ....
僕は今
君に
とても
恋をしてる

僕の愛を
受け取って欲しい
君が
好きだということを
わかってほしい

逢えない
時間が
恋を
つのらせる
目を閉じれば
君がいる
 ....
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した

街灯の明りを背 ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる

そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
買って嬉しい華一文女
まけて悔しい華一文女
女の華道、地獄道
血の海に咲く儚い花火
氷を抱え見据えた瞳
生き抜くための身投げ京
男にゃ天国
女にゃ地獄
売られて買われ極楽の
夢も希望 ....
人が壊れていく
大人が強いと言ったのはどこの誰だろう
声をはり上げて
大声で叫んで
ただ静かにわたしは暮らしたいのに

誰かの心を疑うこともなくて
意味もなく何かを恐れることなく
静か ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる

それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない

ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
泣いてごめんね。


寂しいんじゃないよ

不安なんて無いよ


あたしの中の『大好き』だけで溢れそうなのに

あなたから染み出る『大好き』があたしに入ってきて、溢れてるだけ。
 ....
わたし、よくわかりません

あなた、だとかせかい、だとか
そういうの
映画みたいなんですもの
ぜんぶ
心が鼓動しないのですもの
なぜか
おかしな夢を見ているようなんですよ
わたし
 ....
 理由はありません、っていう理由について
 もう少しやさしくあれたら、
 と思うんだ





さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした

だ ....
パネルの群れ従え死す鳥パネルは北へ

公園にノコギリ引き右肩に担ぐ

模型都市あらゆる白い布以外

鉄降る夕方ガス立ちこめ手探りの赤目

眠りを這う温い蛇舐めた目さめて黒

ふめつ ....
ありがとう、と言うと
むねに少し雪のふるような
はかなくて、とけるとしゅんとなる

それはもうこのひとつに
わたしがさよならすることだから

ありがとう、この年
そして今日がすぎる
 ....
今日の自分を 忘れないようにしよう
今日の君を 忘れないようにしよう
どうしようもないほど 不幸だった昨日
どうしようもないほど 悲しかったあの日
明日がまた どんな不幸な日であったとしても
 ....
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