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時は来た。
静寂の内に夜はある。
白茶けた空間に私は浮かんでいる。
テレビは灰色の仮面を取り戻し、
電気ポッドはひび割れた声を上げる。
カーペッ ....
美しい詩があった
あんまり美しいので
みんなが声に出して読んだ
あんまり美しいので
他はどうでもよくなった
草は伸びるのをやめ
タイヤも、カネも、太陽も
回るのをやめた
ぼくは回った
....
世界を手にとれない
小さな手
サミシサに
ひと粒の砂さえ
握りしめて離さない
さまよう私の
うつろう心の
冷たい手
気づいたら
いろんなひとが
両手で込めて
差し入れてくれた
おにぎり
箸もつかえないくらいに
元気なくなったとき
たべるといいよ、って
おにぎり
すかすかの ....
さらしてしまえって君は言うけど
私っていったい何だろう?
雑誌を飾るあの子みたいに
真っ赤なフリルも着たいけど
「似合いっこない」でまたジーパン
許してあげなって君は言うけど
欲しい欲 ....
いつか見た景色
輝く野原
「君も見たことがあるだろう?」と
耳元で聞こえたような誰かの声
「もう戻らない?」
疑問の声を心の片隅に留めたまま
今日も作業する
星はひとつでも
じっこ ....
まどろみの中で聞いた
雨音は幻だったのかな
差し込んできた光に目を覚ます
少し強い風が吹いているようで
外では木々がゆらゆら踊る
当たり前に包まれた休日の昼
迷惑メールの受信履歴が ....
いくら好きでも貴方の心は遠く
貴方の温もりが欲しい時
いつも違う人が慰めてくれた
適当な言葉が見つからず
傷付け合うのが得意な二人
優しい言葉が見つからず
本当の気持ち伝えられない ....
見せ掛けでもなく
偽りでもなく
お互いに
信じあえるような
本当の
恋がして見たい
あなたの
そのままの
姿を見せて欲しい
あなたの
本当の
愛で
私を包んでほしい
....
「 もしもし 」
犯人「 おまえのとこの息子は預かった。返して欲しくば2000万円用意しろ! 」
{引用=
(イタズラ電話か?! もしかしたら誰かに試されてるのか? 誘拐ネタか とりあえず ....
今日も長い夜が来る
眠れたり
眠れなかったり
泡がね
生まれて 消えて
生まれて 消えて
命もね
生まれて 消えて
生まれて 消えて
逆は ....
あたしの気持ち
もういらないから
全部あげる
甘いか
苦いか
わかんないけど
もういらないから
あたしは
新しい世界に
旅立つ
あたしの気持ちあげる
もういらないから
懐かしい人から
『元気?』と訪ねるだけのメールが送られてきた
どうもこういう内容のメールは苦手だ
ぼんやりと携帯のディスプレイに手を入れてそのメールをつまみ
炭酸が抜けて甘ったるくなっ ....
また後で携帯にメールでも入れるから
あなたの去った
バスルーム
鏡に映るのは恋に疲れたひとりのおんな
乱れきった髪が物語る
しがみつこうとしてしがみきれなかったものへの思い
シャワ ....
その 時
生なる状態で 為した行為は
魂にイメージ刻印される
死なる状況が近づくに従い
死=イメージのみの世界がせり上がり
やがて魂を専有し始める
呼吸はしているのだ
心 ....
土と肉の熱を計る
なかば眠りながら
蝉の幼虫がさくらを吸っている
土をほじくり返し
あやしたすずめをその手ずからうずめ
いらなくなった枝を突けば
まるでそこだけが日溜まりのようです
....
あの古い家の二階の窓に
いつか見た雲が流れてゆく
雲はいつもあの窓に吸い込まれ
戻って来ない日を数える
そっと指折りをする
窓ガラスに昼の陽がさして
辺りはぱっと明るくなった
物 ....
あなたが美しすぎるから 僕らは狂ってしまう
時間も距離も歪んで 上手に掴めなくなってる
錆びないセンス ステンレス
たまたま言霊 手玉に取って
夢を見てるだけでしょう
わかってて ....
くちぐちにわめき散らした街頭
濁音をことさらに強く
街なかを わき腹よりみぎ胸に向けて
ハープ 鉄橋の{ルビ罅=ひび}割れの
痛みらしき
路線が走っている
いかずちや の ....
高校はへんさちで言うと
中の上のへんで
商店街の本通りが見下ろせる
屋上でいつも
ちよちゃんと並んで
お弁当を食べました
たわいのない話
ゆめや
男子のこと
テレビや
音楽のこ ....
虹を見ていた
空に放物線を描く光の帯を
虹を見ていた
あの日君と眺めた七色の輝きを
虹を見ていた
ただ黙って見ていた
思い出は今も胸に消えない懐かしい橋をかける
あの日僕らは雨上がり ....
ポキリと折れた
砂糖の向日葵
命がないから
元からないから
不死身と思っていたけれど
お日様
失い
折れてしまった
雨で溶けても
もう一度
心の熱に溶けても
もう ....
ひとは指折り数える
その日の訪れを確かなものにしようと
指を折り
心に刻み込む
自らの身体に刻み込む
いつの日か死は必ず訪れることを知っている
それでも
死に往く日まで知ろうとす ....
私を
生んでくれた
母にありがとう
今まで我慢強く
定年まで
働いてくれた
父にありがとう
私自身に
ありがとう
生きていてくれて
この世に
生まれてきた
私にこころから
....
るりいろが からみつく
くろいもの みつけた
こわしてる けしきから
しんきろう もやり
すべからく すべはなく
あまいもの なめなめ
ないものは ねだって
....
最後の海まで 水平線まで
砂漠の広さなみの浜に足跡をつけてゆく
要所要所 風が吹いて 海がどこにあるのか
どちらへ歩けばいいのか
それでもわたしは 最後の海に着くまでに
....
自分ではないような
人生だった
母さんがそう言うので
じゃあ母さんの人生は
どこにあったの
と、僕が聞くと
遠くを見つめる
母さんのまなざしの先に
僕ではない僕が
母さんではない母さ ....
星はでていますか
月はみえますか
それとも
相変わらず雪が寄り添ってきますか
わたしみたいに
いつか あなたと
空を見あげて眠るんだ
寄り添って
手と頭を抱いて
雪みた ....
垣根の灌木の枝は
年じゅう好き勝手にのびるので
つい気を抜くと
目も当てられない状態になる
裁断ばさみで
枝を切り落としながら
つい考え事をして
ざっくり切ってしまうと
枝のあいま ....
渇きの奥 に
シズクが見えるのは
錯覚ではないと
しんじたい
わたしを洗って
土にかえして
そのうち雨がふって
それをごいごい吸い込んで
芽が出る
イメージ
ぐうんとせのびをし ....
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