きょうだってこんなに
台風、とおり越して
こんなに晴天
なのに
ほほ笑む気もちになれずにいる
血のかよう
太いライフパイプラインがほしい
トンネルがあれば(ゆめの)
手当てした ....
乳母車からはみ出した者へ
薬を与え続ける
金で夢が買えるのだと
無防備な口から漏れる声を
塞ぐ優しさなど知らずに
俺は夢を買ったのだ
たまに二枚以上入ってる
ラーメンばあなら見抜ける ....
左手の
見えなくなり始めた傷
手首の辺り
親指の辺り
よく探さないと見つけられないほどの傷
もちろん痛みはない
この手を噛んだ犬は
今頃どうしているだろうか
人間に飼わ ....
久しぶりに会った
友人は相も変わらずで
夜中
ぐだぐだと話など
していると
近くの公園まで
散歩しようかと
いった具合で
出かけてみたりする
ふたり
満月に出逢う夜と
曇り空
....
ふたりで
ずいぶん夏を歩いてきたね
波打ち際を振り返ってみると
たくさんの足跡が打ち上げられていて
見えないところまで続いている
きっと想い出になる時がきたら
一斉に海に帰ってゆくんだ ....
真昼に死んだ雀の葬式が埼京線内で行われた
ガタンゴトンと無機質なレクイエムに合わせて
小さく焼かれた雀がタレに漬けられて
綺麗な漆黒の皿に乗せられていた
電気の走った頬 ....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
錆び付いた風に
冷たさを感じながら
モノクロームの世界に
まだ溺れていたい
光を閉ざした瞳の中で
描いた欠片が
重なる想いを越えて
静かに動き出した
浮かぶ月へ
舞う花び ....
ふりんしてるみたいだね
と、
はじけるようにわらい
おれに
だきついてきた
あなたは
とても
かわいらしく
いきいきして。
しゃしんとろうヨ
シャッターをオートに
おれのみぎ ....
黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く
黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
掴もうとしたらただの空気だったみたいな徒労感でフリーズ
ドライな心は針でつっつかれて爆発して粉々で愛を頂戴と叫びながら空中で光を乱反射して
きらきら
本当はポ ....
父の見舞いに行くと言って家を出た
船橋までの直通の快速に乗ったのに
途中千葉駅で降りて映画を見た
アメリカのアクションものだった
無責任に人が死んでいくのが嬉しかった
夏の終わ ....
憎しみはとうに消えた…
生まれたときからずっと一緒だった
風は今も冷気をたたえ、凍えそうにして
私は待つ あなたを待っている
かつて野を覆った炎の残骸
黒く、さらに黒く焼け焦げた ....
ピンク色に染まる
日暮れ前の秋雲
心打たれなにか言葉
探すうちに
あっと言う間に辺りを闇が囲う
家の明かり探して
暖かい場所探して
帰ることを許された
甘えることを許された
灯の ....
絵描きは追い返せ
街には入れるな
見張りを怠ることなかれ
立て札を増やしておかなくては
雨と砂を浴びて
バイクにまたがり遠い国から
さっきやって来たかとおもうと
とぼけた素振 ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
明日、青い鳥が
素敵な未来が待っていると告げても
私は、信じない
だってキミには羽があるから
気が変わったら
どこかへ飛んでいってしまうでしょう?
だからといっ ....
商売女の膝で眠る
彼女は19歳
大人びた手つきで
僕の髪を撫でる
これまでの
どんな女性よりも
優しく
まるで
ビリー・ホリディの
歌声みたいに
時々僕の髪をつまむ
....
だまって
いないで
すきなように
きみののぞみを
だいじょうぶだよ
いつもそばにいるから
すきなみちを
きみがきめていいんだ
だましちゃ
いけない じぶんのこころ
すきなこ ....
{画像=080914080444.jpg}
木は両手を拡げて
わたしを暖かく抱きしめた
拡がる手の先には
青々しい梢がさらに広がり
そこでは緑の子供達が風に踊っていた
寝ころんだベ ....
無機物になりたいとどれだけのあいだ
どれだけ深く
僕は願っていたのだろう
生死も関係ない
時間の錯綜しない
ただ壊れるときがあり
そのことは別に
ただ綺麗でありたいと
有機物の目覚 ....
080913
ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
あふれる光の流れを
掬う
祈りの手の形で
殺戮は今もつづいている
日ごと心が死ぬのに
たむけるのは
忘却なのだ
潮騒の音がきこえる
千もの傷に
ただ一つの愛
なつか ....
擂り潰す
心の在り処を問わないで
琥珀色した
液体の
底に沈んだ
愛を拾おう
「今」よりも
草臥れたものが
あるとして
それよりも尚
ひきつけるのは
紛れもない
低く笑 ....
一。
バスは坂に入っていた。眼を閉じると、からだが傾き、後ろに引かれる、背中が軽く、座席に押し付けられる、わたしのからだは軽いので、座席はゆっくりと、わたしを押 ....
アンドロイドは、呼吸する
ラマダーンに輪廻を解説する
入道雲が1座、
カオス理論に途方に暮れ、ても
光あれと叫ぶ
光あれ、と叫ぶ
そうし ....
君へ手紙を書く
タマムシから君へ
君は人で、わたしは虫だから
君にとってわたしは虫以上でも以下でもない
けれどわたしのからだは虫とは思えないほどきれいだって
君は知ってしまったから、わた ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}
(一)
「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」
カーバイトランプに照らされた
みか ....
焔 が ささえ
期待できず が ゆられていると 過剰 は 罪のない 張る
祈り に 息づいてゐる 養分 を 死 のだ。 ....
例え遠くたって 君は君だ
カロン
いつしか忘れた 掠れた記憶
声を枯らして 泣き叫ぶ日々
閉塞空間での 僕じゃないダレカの声
全部 君に届けて
全部 知って ....
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