泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日

泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触っ ....
皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿

必死
倦怠も必至
体を溶かしながら

もう
くすんだエプロンで拭いてしまう

思考の発酵は
かなわず
退屈の余地は
ない

 ....
一枚の写真のなかで私
笑っていた
卸したての制服は似合っていないし
表情もなんだかぎこちない

引越しの準備とかで慌しい最中
久しぶりに開いてみた
アルバム
こっちへ出てくるときに母が ....
熱すぎて飲めない
ミルクとぐるぐるかきまぜ溢れそう
カプチーノのカップが目の前で
ぐらり揺れた

そういえば、ここのお店で前にも仲直りしことあったね
仲直りして、あたしの好きなタルトをはん ....
薬で眠る
あなたの一日は
たぶん
誰とも違う一日

ときどき
あなたは目を覚まし
ありもしない
歴史を説いて

目が合うと
もういい、とか
すまんのう、とか

もう
語り ....
上巳の日
川で身を清め
穢れを流す
不浄を祓う

香る花
おぼろな月
のどかな心

桃の酒 ひとくち また ひとくちと 弥生に酔う

春来たりなば夏遠からじ

からすのえんど ....
あなたに
抱きとめられ
口づけをされ
舐められると
もんしろ蝶は{ルビ黒蝶=こくちょう}になった

耳朶を弄られて喘ぐと
ブルーの斑点が顕れた

舌を絡めて喘ぐと
紫の斑点が顕れた ....
 きみへ
ぼくは今日でおわるんだ
 なんて言わないで

わたしはとりあえず

自分の今まである全てのきおくや経験から
 とりあえずどうしていいのか
(おちついて/おちついて/)
かん ....
さみしかったんだ
ほとんど狼みたいに毛羽立った孤独を
ずっと人の死角にかくして



宇宙に旅立ったアホウドリの飛行士の話。
最近、ようやくこの星に戻ってきた彼の話によると、
宇宙の中 ....
瞼に
羽毛が触れ

小説がひらいては
落丁を
集める
白く、集める
からすもきえてしまう


窓を
ひらくように
さようならを
後にするなら
部屋の中には
もう誰もいは ....
また 再び

来光の春に巡り合う

肌を凛々とした 風 行過ぎる

齢 重ね 重ね
梅の香り
淡く 感じ

行過ぎた 年月 
仄かに 薫る 白梅

また 春 巡り
鮮やかに ....
あんまり朝の色が
キチキチしているものだから
僕はヒトと争わなくていいものを
競争と勘違いしてしまう
まるで競歩 ふまれないよに
キチキチバッタは要領よく頭上を跨って

朝ごはん食べ ....
おかず一品足りないと
不機嫌そうな顔をするあなた
でもね、わたしだって何かと忙しいし
お給料日だってずっと先

あなたに足らないのはおかずじゃなくて
もうちょっとの頑張りなのかな
好きな ....
私は流れてゆく
水のようになめらかに
時には{ルビ滔々=とうとう}と
時には穏やかなせせらぎになり


私に映るのは雲の流れ
陽のきらめきがいくつも反射する
あるいは透過して泳ぐ魚の群 ....
ふるびた日記の片隅に残した言葉を 忘れても
わたしの中の心の片隅に残した言葉は 忘れない

雪が解けるように消えていった
それだけの時間と それだけの思い出なのに

どれだけの気持を綴 ....
らいおんは
つかれ切ったのか満たされたのか
あまいかおをして寝ている
ぐるるる
 
 かみをかきあげながら
 はにかむ
 {引用=Honey come?}
 じょう舌になるほど
 な ....
遠くから
貨物列車の轍の音が響き
耳元まで包まった毛布の温もりは
夜への抵抗を諦める

暦が弥生を告げて
色づき始めている、
翡翠を纏った木々の芽吹きを
さくらいろの気配を
止めたい ....
そんなふうに
春が眠り 寝息が聞こえて
やすらって いたなら

霞むんだ

高雲の桜色の空に やってきた
風にほんのりと

春の靄は大きな体を
この地にあずけきって
眠っている
 ....
もう、
どこからどこまでが地図だったかなんて
関係なくなって
美しいことをいうよ
きみはきみで


ごらん、
すれ違う人々の両手には、何か
約束のようなものがぶら下がっているね
 ....
「おつかれさま」

思わず「えっ」と聞き返してしまった
久しく労わりのことばなんて無かったのに
何かにつけて話しかけてくるし
誰かさんからの着信メールを気にしなくなった

あなたの言葉を ....
溶けて溶けてドロドロした液体の中
柔らかくて優しくて暖かい温もりにも似た感情
僕は幸福気分に浸りながらずっと君を見つめてる
妖しいリズムが心地良い昼下がりの中で君と
ほら、交じり合う事のない液体の ....
愛されたかった

そう、愛されたかった


居場所が欲しかった

帰る場所が欲しかった

安心して眠れる場所が、欲しかった


違和感を蹴飛ばして

思い込みをぶん殴って
 ....
もしも 僕の片手にあるコップ一杯の 血液で
君の寿命が延びるって言われたら 喜んで

手首差し出せるかな 冗談だよ 半分だけ

もう半分は 君の願い
その半分が 僕の本気

同情 買う ....
{画像=080301014739.jpg}
愛に飢えているわけではありません。
恋に憧れているわけではありません。
ただ一途に想いたいのです。
自分のすべてを忘れてあなたに
わたしのすべてを ....
かべにいつまでも描く手をやめない
(やさしさまでこすり付けないで)
夢のなかで きみは
何もない荒れた家
かまわず境をなくし触れてきた

少しだけある地下室
何もないと思わせる、 ....
ああ
いくつもの候補があったよ
さくらとか、みかんとか、まりんとか
植物や風景が多かったかな

もう生まれてくる季節なんか
どうでもよくってね
まろんとか、こなつとか、みさきとか
次々 ....
ぼくが、
ぼくだけが
知らずにいるこころは
どこにありますか

どんなふうに
転がっていますか



ぼくが
たずねることで

だれかを
知らずに傷つけるとしても
汚 ....
人の筋肉や血管、関節の微細なフォルムを抽象化して、服は生まれた。服はほかにも着ている人の性格を抽象化する。気分を抽象化する。家族関係を抽象化する。ついでに着ている人の恋人まで抽象化してしまう。服はとて .... 泣きたいのに
年齢が邪魔をして泣けない
大人顔

友人の電話に
声が滲む


人はいつをもって
大人と言うのだろう

まだわからないなんて
子どもみたい


また眠れなく ....
「ねえ、良いだろ?」

何が良いんだかと思いつつ
とりあえず
あなたの左腕にしがみついてみる

押し付けた胸のふくらみに気づいたらしく
慌てふためく様子が可笑しくて

かまととだとか ....
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