カレンダー泥棒
花丸ぺけ
カレンダー泥棒が街にやってきて
みんなの予定をどんどん、どんどん盗んでゆく
ぼくの楽しみのしていた秋の遠足も、運動会も、あっという間に盗まれてしまった。
運動会はいいけれど、遠足は返してくれないかなぁ、
カレンダー泥棒は耳を貸さず、一目散に逃げてった。
カレンダー泥棒が街にやってきて
日付をどんどん、どんどん盗んでゆく
ぼくの誕生日も、妹や弟の誕生日も、かたっぱしから盗まれてしまった。
ぼくはいつ生まれたっけかなー、と、しばしば思い出せないので、
カレンダー泥棒を探して旅に出た。
カレンダー泥棒を追っかけて、隣の街までやってきた
隣の街の住民は、みんな職業”カレンダー泥棒”
忙しそうに朝から晩まで動き回ってる
そこかしこに疲れきったカレンダー泥棒がいびきをかいて眠ってる
ひとのカレンダー使い切るのもけっこう大変みたいだね。
最近無駄な行事が多すぎて父さんも、母さんも疲れきってたし、
ちょうどいいタイミングで盗んでくれてありがとう。
そろそろ疲れも取れた頃だから、ぼくんちのカレンダーは返してもらうよ。