カレンダー泥棒
花丸ぺけ

カレンダー泥棒が街にやってきて

みんなの予定をどんどん、どんどん盗んでゆく

ぼくの楽しみのしていた秋の遠足も、運動会も、あっという間に盗まれてしまった。

運動会はいいけれど、遠足は返してくれないかなぁ、

カレンダー泥棒は耳を貸さず、一目散に逃げてった。



カレンダー泥棒が街にやってきて

日付をどんどん、どんどん盗んでゆく

ぼくの誕生日も、妹や弟の誕生日も、かたっぱしから盗まれてしまった。

ぼくはいつ生まれたっけかなー、と、しばしば思い出せないので、

カレンダー泥棒を探して旅に出た。



カレンダー泥棒を追っかけて、隣の街までやってきた

隣の街の住民は、みんな職業”カレンダー泥棒”

忙しそうに朝から晩まで動き回ってる

そこかしこに疲れきったカレンダー泥棒がいびきをかいて眠ってる

ひとのカレンダー使い切るのもけっこう大変みたいだね。




最近無駄な行事が多すぎて父さんも、母さんも疲れきってたし、

ちょうどいいタイミングで盗んでくれてありがとう。

そろそろ疲れも取れた頃だから、ぼくんちのカレンダーは返してもらうよ。


自由詩 カレンダー泥棒 Copyright 花丸ぺけ 2006-09-13 00:45:00
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