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衣替えが近いので
冬服を夏服に入れ替えることにした
天袋の奥にしまいこんでおいた段ボール箱をおろし
夏服を一枚ずつ箪笥の引出しにおさめてゆく
最後に
去年の夏によく着ていた
さくらん ....
きき手の手首が
にぶい痛みを届けてくる
午前二時に起きて
針を持つ
からだの芯部から
花びらが
溢れて
とめどなく溢れて
殺風景な部屋を赤やピンクに
踊らせる

女は陽炎を抱えき ....

からだじゅうの隙間という隙間に
硝子の欠片を
ぎりぎりと押し込まれているような気がして
目が覚めた
いつの季節でも
朝の光は鋭く皮膚を切り裂いてくる
光が当たって切れてしまったところ ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
鳴りやまない星が
寝床に降る
重さに抱かれるように目を閉じる
もしかして
もしかして
もしかしてと鳴りながら

おなかの中を撫でられつづける
そのまま長い針がひとまわり
するまで
 ....
現像液にひたしても現実は定着せずに零れ落ちた

ねぇ私、生きてるよって
この血はこんなにも叫んでいるのに
自分が今、此処に生きているのかさえ分からない

モノクロォムの罪と罰
暗室で君と ....
今日のことを、話そう。 
大事なひとに、毎日メールするように。 

  * 

「先ほど、目が覚めました。 
 カーテンの隙間から 
 雨上がりの春の陽射しが 
 小さい{ルビ日向 ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている

ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
私はつらいのだと君は言う
私は不幸なのだと君は言う
誰にも顧みられない
愛されない
そうしてうつむいて
早足で通り過ぎていく
経血と精液がベットの上で混ざり合って
喜びが今産まれようとし ....
夕食どき
うまい匂いを
換気扇で
まわし出す

数年前
子供の声と
その匂いを
そとからクンクン
羨ましく思っていた
あんな自分が

いまや
家のなかで
騒がしい息子たちを ....
お風呂上がりで椅子に座る 
目の見えないハルさんが 
ドライヤーで髪を乾かす僕に、言いました。 

「新しい靴もねぇ、 
 毎日々々撫でてやったら 
 だんだん馴染んで来るんだよ・・・」  ....
五十歳で転職した新人さんが 
仕事の後に、眉を八の字にして 
僕のところにやって来て 
日々の不安を、打ち明けた。 

物書き志望でベテラン介護士の僕と 
人生をやり直そうとしている彼が  ....
いつも背後で見守っている 
姿の無い彫刻家は 
私という素材の上辺を削ろうと 
鋭く光る刃を、手にしている。 

身を削る、痛みを越えて 
素材の中から彫り出され 
姿をあらわす、人の像 ....
眠たいね
(そ)んなこたないさ
もう日がのぼってる
(そ)んなのは嘘さ
僕らは疲れてるし もう充分過ぎる位働いたよ

でもだれにくらべて

いつも誰かと自分を比べてたら
気づいて ....
日を浴びて 
風にゆらめく木々の葉は 
風呂に沈んだ我に囁く 


まっ青な、あぁあまりにも、まっ青な 
仰いだ空を、胸に写さん。 


旅先の、風呂の{ルビ水面=みなも}に ....
春は抱かれ
燃える
緑が芽吹くにおいに居て
眩む
むせかえる
しびれ
新しい手足を産むときの
吐息
甘く

金色のひかりを浴びて
たくさんの顔が歩く
小さな子に
人種について ....
私は幼なじみに高校生の頃までO型だと思われていたA型だ。
いわゆる、ざっくりとした、そんなに細かくないA型だ。

私は、好きな人にはキャンキャンしっぽをふり付いていく戌年だ。
雷がなると家のな ....
■チューリップ


包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた


誰のものだったかは
もうとっくに忘れた


中に隠れている ....
こっちでよいのかな?

中央通りは人波が険しいからと教わった脇道
パソコン自作用のパーツ屋さんとか軒を並べているけど
いまどきのメイドさんとかアニメ系のお店とかが元気ありそう

あの日のこ ....
降りているのか
上がっているのか
分からなかった

肩を並べてなのか
今からすれ違うのか

降りているのか
上がっているのか
分からなかった

幻なのか
悲しみなのか

降 ....
 
 
しあわせな
人が書く詩は
どことなくわかる

役に立たないことを
知ってるから

しあわせな
人が書く詩は
少しだけせつない
たりないものが
少しだけ
残ってしまう ....
祖母は厳しい人だ
でも私にはいつも優しい
子供の頃一緒に住んでいたけれど
怒られた記憶はあまりない

とてもせっかちで歯に衣きせぬ物言いで
厄介ごとを集めてしまうような人ではあるけれど
 ....
一番乗りではなかった
ロッカールームで 常連の中年女性が
油もたんぱく質も無い体を あらわにしている
錆び付いた金属のような 褐色の人
臆病者のこんにちは、は 届くことなく
乾いた音を響かせ ....
三角柱の一面は
相変わらずでしゃばっている
白も
相変わらず踊っている

思いきり
死んでしまうほど長く見あげているうちに
目覚ましは鳴りやんだ

かつて
足りないと思っていた美し ....
エイプリルフール
ふいに飛び込んだ訃報
満開の桜のなか
見送られたあいつ
今頃なにしてんだ?
どんな顔してわらってんだ?

残された僕ら
いつもと変わらず過ぎる日常
少しだけネジ外れ ....
魚 魚 死んだ魚
ホルマリンに沈む倦怠

忘れられたあの日の理科室

君、のことが好きだったのかどうか
今となっては分からないけれど
クラスの人気者だった君がどうして

私を好きにな ....
 
一週間は七日だと思っていたが
どうやら間違いのようで
私には足りないように思える

たぶん 本当は九日なのだろう


月火水木金土日笑泣



月曜日

 ....
またぞろ、首都に恐竜の骨が現れた。
しかも泡の抜け殻で

唸りを上げて
ブロントザウルスの首の骨は
子供達の学んだ校舎を
子供達の遊んだ公園を

今は髭の生えている
今は化粧の香 ....
長い間一人で頭を抱え込み 
開けなかった扉を 
無心で抉じ開け 
小さい一歩を、踏み出したら 

日々一緒に働く仲間達や 
苦手だった上司まで 
不思議なほどに歓んで 
幾人も僕に、声 ....
愛という名の幸せは 
子供の頃の玩具みたいに 
容易く手には、入らない。 

枕辺を涙で濡らした、明け方に 
開いた窓の隙間から 
朝の風はすでに、カーテンをそよがせ 

どしゃ降りの ....
プル式さんの自由詩おすすめリスト(1857)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
家事をするけだもの- 吉田ぐん ...自由詩21+10-5-24
溢れる、からだ…陽炎、シルエット。- たちばな ...自由詩10*10-5-22
モーニング・モーニング- 吉田ぐん ...自由詩1010-5-17
armoire_caprice- 渡 ひろ ...自由詩24*10-5-14
- たちばな ...自由詩8*10-5-12
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今日の出来事_- 服部 剛自由詩610-5-11
届かないひと- 恋月 ぴ ...自由詩34+*10-5-10
ハミング- rabbitfighte ...自由詩510-5-2
換気扇- こころゆ ...自由詩410-5-2
靴と嫁_- 服部 剛自由詩610-4-28
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青年の像_- 服部 剛自由詩3*10-4-27
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高井戸温泉にて_- 服部 剛自由詩3*10-4-26
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下に- FUBAR自由詩7*10-4-16
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忘れられたあの日の理科室- 朽木 裕自由詩110-4-13
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ブロントザウルスの骸骨- ……とあ ...自由詩11*10-4-10
男の背中_- 服部 剛自由詩210-4-9
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