すべてのおすすめ
 
  
父の見舞いに行くと言って家を出た
船橋までの直通の快速に乗ったのに
途中千葉駅で降りて映画を見た
アメリカのアクションものだった
無責任に人が死んでいくのが嬉しかった
夏の終わ ....

掃除をすると
部屋の四隅から
無限に白い米粒が出てくる
表面は乾いて
埃にまみれて
まるで
昔わたしが産み落として
そのまま捨てた卵のようだ


遠くに見えるラブ・ホテルの ....
彼はいつも、四つ足を 
ぴたりと大地につけている。 

一体何が本当に 
天から彼に 
与えられたものなのか 

ぢっと開いた丸い目で 
夜の{ルビ静寂=しじま}を見抜く 
蛙のよう ....
心臓が集まるとファンタジーになる

初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日

旅から戻ったベ ....
人の生を、単純な線にしてみる
すべての線が、平行に走り、交わることはない
それが孤独
すべての人が、もって生まれたもの
人は、人として生まれた
幾千の星が持つ固有のベクトルに似て、
すべて ....
フラクタルな現実が 左肘の辺りで破壊音を放つ

アスファルトの憂鬱に 存在意義を失う電話ボックスのソウル




電子的なマリンスノウ 液晶画面が北北西に明滅

天空 ....
「 よいしょぉ・・・! 」 

どしゃぶりの雨の中 
三人の男は 
橋の欄干にぶら下がり 
川へ落ちそうな独りの女を 
心を一つに、引き上げた。 

(ソノ時彼ハ、ジーンズノ腰縁ヲグィ ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
{画像=080831113523.jpg}

私の中に
醜いなにものかがあって、
私が私であるようにしている。
私の中にあるなにものかを
しっかりと掴みだして、
目の前においてみよう。
 ....
女の白い体はヴァイオリンである 
と誰かが云っていた。 


都会の路地の片隅には今夜も 
桃色の小さい花が一輪 
生ぬるい風に揺れている 


一匹の鼠が足早に、路地を横切る 
 ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
夏の終わりにふりしぼる 
みいみい蝉の合唱が 
街路樹の緑に沁みてゆくのを  
鼓膜に吸いこむ散歩道 

空き家の庭に独り立ち
{ルビ叢=くさむら}に{ルビ項垂=うなだ}れる枯れた向日葵の ....
暗闇に指を伸ばして
知ろうとしている
指先が暖かく湿る
聞こえるのは、ピアノだけ

鳴いている
泣いている
うまく言えない
でも大好きだよ

ピアノのトリルのような ....
茨の針金に囲まれた 
四角い土地に独り立つ、
蒼白の人。 
棒切れの直立で、丸い口を開けて仰ぐ 


  空の浮雲 


{ルビ人気=ひとけ}無い村の入口で番をする
飢えた牛の、細 ....


飲みさしのコーヒーの中に
砕けた夏を発見した
掬い上げようとしたら
逃げるみたいに砕けて沈み
底の方で銀色に光っている
人差指でかき回すと
跡形もなく溶けてしまった

 ....
{引用=laisser vibrer

(音楽)鳴らしたままに。(打楽器で)振動を止めない。}

0,

ポリリズム、
異なるリズムの孤独が、偶然同期する
ほんの一時の間だけ、でも
 ....
裏木戸を開けると
ひぐらしがないている
あの木の下
薄暗い桜の木の下で


闇間に鼻緒が見えている
そり返った白い足の指が
細い脛が折れそうにのびて
あの時もひぐらしがないていた
 ....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった

スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった

スガイには両親が居な ....
お盆休みも通勤バスに乗り 
車内で騒ぐ 
夏休みの学生達に 
ちょっと眉をしかめて 
掻きわける 

向かいの席に座り 
あくびをするサッカー少年の 
膝には擦り傷があり 

痛そ ....
猿の姿をした雲が 
夏の夜空をゆっくり流れる 
胸の雲間に 
今にも満ちそうな月を 
光らせて 
「幸」という文字を 
鷲づかみしようとしたら 
いつまでたっても 
この手は空を切りました 



全てを手放し 
両手をまあるい皿にしたら 
今までよりも「幸」の文字が 
くっき ....
食事を始めた 
一口目に 
山盛りポテトフライの皿の 
隅っこにのせられた 
パセリを食べる 


噛み切れない小さい葉達が、苦かった。 


今日も世界の
あちらこちらの食卓で ....
50を過ぎた看護婦さんが 
休憩時間も惜しみ 
寝たきり患者の爺さんに 
パンを千切って食べさせる 

勤務を終えた夕方 
棚に書類をしまう
白衣の背中から 
電池が一つ、ぽとんと落ち ....
「オクターブ」という 
ぼくの素敵な詩友の本 

表紙を照らす 
オレンジの陽だまりが 
不思議な熱で 
夏風邪に冷えたぼくを 
温める 


頁を開くと、追悼詩。 


若 ....
色んな事があった
色んな事が起きた
そして泣きたくなった
そして私は赤子の様に喚き散らした

あぁ
私の体の中に流れる血が
あなたから引き継がれる血が

嫌だ嫌だ嫌だ

私に ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように

僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから

ほら

こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
紅茶を飲む
どんどん飲む

あなたは珈琲を飲む
どんどん飲む

これだけ飲んだ分、涙を流して別れたら
みっともないなと思いながら
今日も紅茶を飲んでいます。
続いている
オルゴールの音

好きだけど
どことなく野暮に聴こえたりするから
そっと、こっそり耳に当ててた


今は
化粧台の
片隅にちょこん、と
やるせないとは

どんな気持ちだ

胸の高さまでの柵から

少し乗り出して

空を仰いでいるのか


柵の欄干あたりで

透明度の高い水が

溢れそうに張りつめながら
 ....
こんこんきつね

きみの右手のきつねさん

うすあかりのした

きつねさん

忘れないよ

ううん

忘れられないよ
プル式さんの自由詩おすすめリスト(1857)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
見舞い- たもつ自由詩16+08-9-15
家事- 吉田ぐん ...自由詩1908-9-12
石ノ蛙_- 服部 剛自由詩1008-9-10
おかえり- たちばな ...自由詩24*08-9-9
海面上昇5- rabbitfighte ...自由詩15*08-9-8
ワンダー・パフューム- ムラコシ ...自由詩5*08-9-3
いのちの綱_- 服部 剛自由詩908-9-1
秋、一番- たちばな ...自由詩18*08-8-31
なにか_/_私が私であること- beebee自由詩20*08-8-31
路地裏の花_- 服部 剛自由詩408-8-28
免許を取れた日_- 服部 剛自由詩27+*08-8-26
枯れた太陽_- 服部 剛自由詩208-8-26
cresc.(_渡_ひろこ_/_rabbitfighter_ ...- rabbitfighte ...自由詩23*08-8-26
他国の出来事_- 服部 剛自由詩408-8-25
夏の終わり- 吉田ぐん ...自由詩1808-8-23
laisser_vibrer- rabbitfighte ...自由詩23*08-8-19
日暮れの家- 石瀬琳々自由詩26*08-8-19
スガイのこと- 吉田ぐん ...自由詩2008-8-19
21世紀のサッカー少年達_- 服部 剛自由詩208-8-14
猿の魂_- 服部 剛自由詩708-8-14
幸せの文字_- 服部 剛自由詩508-8-14
パセリ達_- 服部 剛自由詩1708-8-12
「_電池_」_- 服部 剛自由詩408-8-12
ジムノペディ_- 服部 剛自由詩10*08-8-12
引き継がれるもの- 蜜柑自由詩4*08-8-11
「優しい雨」- ベンジャ ...自由詩18*08-8-7
紅茶- くしゃみ自由詩4*08-8-6
アンティーク(仮)- 長谷川智 ...自由詩3*08-8-6
柵と距離- 水町綜助自由詩1208-8-6
きつねさん- こころゆ ...自由詩3*08-8-6

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