得た と思うと同時に失う

林檎の皮を剥いていく
螺旋が皿に垂れていく
果物ナイフに映る甘いかおりに
私は涙を告げる

何も動揺することはない
唇はかすかに震えているが
芯は蜜を湛え ....
曇り空を見るといつも
全てのことを正当化してしまえる
気になるけれど
その度に
雨が降ってくる


言葉は便利で
音楽は優しく
都合のいいお話は
いつだって楽しい

でも残念な ....
人は夜に音になって
躓かない程度に囁き合うらしい


朝が夜に向かうように
ページを手繰り寄せる
薄い絵の具を
筆の先で伸ばすように心音を
澄ませていく
夢を見る、ことを覚えてからは ....
重力に
負けそうなときは


2センチぐらい
地球とお別れ


ティンカーベルの粉
ひとさじ
ふりかけて
夜が明けると
私たちに
秋がやってきた

その意味が
私には
ようやくわかる

木々が実を宿し
さよならの準備をする
鳥たちが
それをついばむ

私たちは
あと
どれくら ....
どことなくストレス加減の昼休み
冷たい珈琲に浮かんだ氷を
ストローの先でつついたら
猫みみのかたちの小さな生きものが
ちょこりと顔を出した


頭痛の道連れに
こんな小粋な錯覚が訪れる ....
鳴かぬ 小鳥は 
口止めされたのでしょう

ひとつ めでられたら
無くすよりも たやすく

このくちばしで
守るのは

明日の 春では
ないのです
月よ
明るい夜にしてくれないか

昼と見間違うほどの
白い明かりで照らしてくれないか

わたしがそっと
吐息を洩らす瞬間を

にぎやかなその光で
包んでほしい

そうして
で ....
落ち葉の鳴る、崩れ落ちる音
誰も妨げないテトラポッド
景色、静かな君を当たり前に思って
空に手を向けて
朝、誰もいない道に目を閉じて歩く


歌を歌えない
と気付いたのはいつだっただろ ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光

目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった


不思議だね
振り返ることは敗北では ....
 
 
 

夕日を迎えようと

あわてて
 西端だけ
  昇る地平線


   そのせいで

    傾く景色
     と
      傾く地面を

       ....
薄暗い午後、
部屋の中にひとりでいると
不満、不安が沸いてきたので
十糸子のように
オレンジを買い、食べる事にいたします。

服を脱いで、リノリウムの床に座ってオレンジを掴む
ぼんやりと ....
白い紙を横一文字に切ったように
まっさらな地平線をイメージする

そこから滲み出すように浮かび上がる
黄金色の太陽をイメージする

重い深紅から青紫を経て紺碧に至る
グラデーションの空を ....
約束を残せない
こころの道行きを
{ルビ現在=いま}の寂しさを埋めるため、と
ほほをよせ
せがんだひと
秒針の刻む音で測る体温


明日への確かな足取りよりも
ぬくもりがほしい
今 ....
春までの道のりを
手探りするきみの指で
うたは束の間、白く結晶する

凍れる河と
色褪せた山並みと
特急列車の行方を挟み
わたしの前で野分の一陣はわらう


今日も約束の書けぬ手紙 ....
嘘つきだった君を剥がしてあげよう


昼間のシャツは
白すぎたんじゃないか
夕飯のサラダは
潔すぎたんじゃないか

嘘つきだった君を剥がしてあげよう



すべてを明け渡し ....
野を渡る風が表皮をなぞると
確かに私たちからは
生きているものの匂いがする

ひれ状に並ぶ背中の突起物にさえも
既に意味は付与されているのだ

と、唐突に閃光が走り
どこか、と ....
欲しいものが手に入らないと
やっぱ寂しい


下を向いて歩く冬の街角は
何だか寒々しいな


もうすぐクリスマスだし
賑やかに感じる街角を
ポケットに手を入れて歩く


何も ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
僕の肩に とまった鳩は

「死にたい」と一言だけ漏らして眠りについた

僕はどうすることもできずに

鳩の頭を撫でて、またウォッカを口にした

思いのほか、熱く、滲んだ。
その中で 支度をする

なお、ひかる
くるしいまばたきに
ゆびのすきまからあふれ
染みを
のこして






あの日
髪をきってほしいと言った
初冬だった
あさひがの ....
 わたくしの髪をくすぐる寒風に
     ゆれた気持ちはときめきなのに

 
   あの頃の夢見た時は永遠の零度の夜空キラリくっつく


 こいびとの櫛をいざなう輝きは
    ....
つかみどころのない
明るかったり暗かったりする
不健康な夕空に
てのひらを突き上げてみるのです

とどかないのは
手のかたちなのではないのかと
いくつかの記憶を重ねてみても
やはり手の ....
好きだから、近づけなくなる。



好きだから、見れなくなる。



好きだから、好きすぎて







好きだから、もう会わない。




 


 ....
呼ぶ声は誰のために
呼ぶ声は誰のために
遠くから来た人は家を建てた
終(ついえ)の住み処に
なるとは知らずに


往く人は誰のために
往く人は誰のために
墓碑に添えられたコップ
 ....
僕の隣に
見えない女が座っている

11月に入って床は冷たい

僕がひざを抱えて座っていると
隣で女もひざを抱えている

見えない女

たぶん
見えない鳥だと思う
世界の四隅まで
呼吸の音が染み渡っている
君の耳にも届くだろうか
この交響曲

生き物達は静かに とても静かに
生き死にの分裂を繰り返している
潮の満ち干きのようなその静かな喧騒を
愛 ....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ

  彼ね
  厳しい審査の結果
  高得点で合格しないと見せないよ
  足の親指を齧ったあとの
  くりん、とキャット半回転

  もう ....
メロスが走っていた頃
大半のメロスは
走ってなかった
セリヌンティウスが王に囚われていた頃
大半のセリヌンティウスは
自由に街を往来していた
少年の青白く細い指は
ページをめくり続け ....
全然、

上手に泣けない
上手に笑えない
上手に話せない

上手に愛せない

だから
君に傘をさして
あげる

君がぬれないように
上手にさして
あげる
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
形見- こしごえ自由詩11*05-11-25
空はいつも優しい- 自由詩6*05-11-25
人は夜に音になって- 霜天自由詩1705-11-25
ティンカーベルの粉- たかぼ自由詩605-11-24
秋日- umineko自由詩8*05-11-24
クリオネ- 銀猫自由詩16*05-11-23
小雪- 砂木自由詩17*05-11-23
冬の寝床- むらさき自由詩7*05-11-23
空の一片、届かないノック- 霜天自由詩1105-11-23
壁画- 千波 一 ...自由詩24*05-11-22
昇る地平線- jei自由詩1+*05-11-22
橙火- ミゼット自由詩3*05-11-21
出立- 大覚アキ ...自由詩405-11-21
黒い翼をください- たりぽん ...自由詩905-11-20
六花のうた- 銀猫自由詩19*05-11-20
彫刻家の夜- 千波 一 ...自由詩16+*05-11-20
幻獣- たもつ自由詩1205-11-20
上を向いて歩きたい- 恋月 ぴ ...自由詩14*05-11-20
言葉が蝶のように- ベンジャ ...自由詩12*05-11-20
ウォッカ- 仲本いす ...自由詩5*05-11-19
立冬に_ひかり- はな 自由詩17*05-11-19
浪漫シンドロォム- ヒビノナ ...短歌205-11-19
結晶核のゆくえ- たりぽん ...自由詩605-11-18
好き- ことは自由詩4*05-11-18
Far_song- 大村 浩 ...自由詩11*05-11-18
見えない鳥- チアーヌ自由詩305-11-18
交響曲- 第2の地 ...自由詩605-11-18
猫の結婚記念日- 銀猫自由詩11*05-11-18
- たもつ自由詩1105-11-18
- 043BLUE自由詩605-11-18

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