”管制塔
 管制塔
 
 わたし、もう大人です”


インカムをつけた父親たちの
腕組みと低調な呼吸音
誰かが返答をしなければならないが
彼らは呆然という姿勢で腰掛けたまま
 ....
右翼の街宣車が
絶叫しながら走り去っていく
大阪市役所前
午後三時
数十台の絶叫が織り成す
類稀なるドップラー効果の競演
気温は摂氏三十四度
その猛烈な熱を
効率よく吸収する
黒塗り ....
鏡の花
木々の旗
水の上の
棄てられた駅への
道をしめす



羽のにおい
羽の重さ
羽の苦しさ
言葉が流れ落ちる音
ひとつの者が
ひとつの者に手わたす
や ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまった ....
君は芝生の上でバランスを取る。


一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。


日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。


時代の息吹を君は背 ....
つよい風でゆれる木が
叫び声をあげている

夜は
だれかが故意にこぼした
つぼの中身

ぼくの指先までも暗闇で包む


視覚をうばわれて
ぼくも叫ぶ
泣いてみせても
だれ ....
視界がなんでか滲んでしまったからわからない
もう色彩の霞んだスケッチの輪郭も
自分の  だと気付く
そこのそんなそれが
それが
じんわりと描かれたそれが滲む頃に
大きいしずくを落とす
ぼ ....
晴れているのに
雨漏りする時がある

別に拭わなくてもいい
勝手に濡らしておけ
そのうち止むと思った
『そのとき』が遠くても
勝手に濡らしておけ

どれだけ濡れても
 ....
今日の風が吹いて 明日へ向かっていく
昨日の風もやってきて 今日と昨日の風が混ざり合って
明日の風を作っていく

その風に吹かれている今日の僕も 嫌でも明日に向かってる
昨日の僕もや ....
昔付いた小さな嘘とか
愚かな行為とか
傷つく言葉とか 
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
   が



誰にも見えない心の奥底
小引き出しに
夜の眠りの間 ....
ひらいた
真っ青な夏の花、の小さな朝のこと
誰も忘れていたそれは、僕の机にあったらしくて
迷わずに僕に返還される
空に混ざれば見えなくなりそうな
僕の目は青に染まる

誰もいない部屋のこ ....
私が正しい
私が正しい
私が正しい

多分
私が正しい
夏の空は不必要に青過ぎて
まるで現実感がない。
蝉の不協和音も陽炎も
在り来たりの遠さでしかない。
立ち止まって振り向いても
君が居ないのと同じように
希薄。


印画紙に切り取 ....
窓風に
遮断機の音
終電が出たあとに
こんな音を鳴らすのは
長距離貨物か寝台急行か
レールの隙間につまづきながら

(一日、伏せてたのかい、それはしんどかったね)

それが見知らぬ場 ....
わたしは 生みの親だもの
おまえが憎いわけは ない

けれども わたしは 手を貸さない


さぁ

潔く 
心地良く
羽ばたいて ゆけ



誤解も あるだろう
嫌悪 ....
もし人間が 地球で一番のゴミだとしたら

この地球は 宇宙で一番のゴミ箱なのかな

僕等人間が 好き勝手描いた夢は

この日まで 生きるために使ってきた

エネルギーの 何分の一の大き ....
くらげが浮いている
通天閣の上にくらげが浮いている
ぼくらの時代はうざいんだって

透明な短冊が
あちこちで今年も風に揺れている
お経のように整然と
願い事が綴られているけど
院ばかり ....
 片手のナイフは今日も光ってる
 昨日のサーカス団の幻影を追って
 赤いテントの中に入れども
 その中には小象が一匹残っているだけで
 
 置いていかれたのだろう
 少しだけ鼻を揺らし ....
きれいなあきびんを
ひろったので
ひとり
となづけた
ごしごしあらって
ちいさながらすだまをいれると
そこをころがって
からからおとをたてた
まどべにおくと
ひとりは
かぜやあ ....
静かに夜がふけていくね
なんだかもう何もかも見失って
眠る必要なんて無いのかもしれない
それとも明日覚めなくてもいいのかもしれない

森がざわざわとゆれる
あたし、この中にとけてしまいたい ....
戦争体験者の嘘つきども!
本当のことを言えよ
敵をやっつけてスカッとしたんだろ
アジアの解放に正義感を燃やしていたんだろ
国のために死ぬことを美しいと思っていたんだろ
俺はもう分かったんだ
 ....
鬱蒼とした山々の間
引かれたレールの上を
走る
蘇る鉄橋の
下では
おばあちゃんがこぼれる
谷川に近い公民館は
オープン
クーラーは無く
扇風機がぐるぐる
回っている
まるでお伽 ....
感傷的になれるのは
多分自分の中がからっぽだから
埋め合わせたいんだ
満ち足りてないから
器が泣き出すまで
満たしたいんだ

だからしばらく指で何度も何度も
点いては消え点いては消える ....
乾いた見世物小屋で
手にじっとりと重さを感じる
白い蛇が巻きついたこの拳

スポットライトに魅せられた
シマウマがいるそのゴムの上で

上 でこ の瞬間 だ

ファースト!あいつの右 ....
定規で垂直に線を引いたように
羽ばたけなくなった羽根は
風の抵抗を受けて揺らめいている
金髪に似た銀髪が諦めた風に
静かに空中を落下する
僕は自分の流れる髪を眺めながら

どれ程のスピー ....
ここが
せかいのはしっこだ
もんばんが
ゆびさした
しょっていたものを
ぜんぶすてると
からだがかるくなった
せのびやくっしんをするあいだ
もんばんはうでぐみをして
かぎのたばを ....

言葉の深淵を
明るく渡れ


アイスコーヒーを
飲みながら

かろうじて
ぶらさがる
吊り橋

上から
光と荷物と
レシートが落ちてくる

それらすべての
降り注 ....
    真紅の鯨は大きな口を開け

    岩陰にじっとたたずむ稚魚など

    群青の空の途方もない背後の夜をあおぐ

    踵をかえすだけの過去は

    あまりに遠いので
 ....
くちびる
ギュッと噛んで
血の味を
たしかめるように
ギュッと噛んで
そして
また
歩き始める
あてのない旅路
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
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