詩は 眠れないときに書けばいい

 詩は 暇なときに書けばいい

 詩は 落ち込んでるときに書けばいい

 詩は 寂しいときに書けばいい

 詩は 怒っているときに書けばいい

 ....
玄関の隅に
白い蝶が 逝っている

ちりとりに さらい
外へ

いつもと 変わらぬ
朝が はじまる

仏前へ 供えるご飯
今日一日の無事を祈り
自分も 食して

 ....
ふかみどり
ふかみどり
言葉を手わたし
笑むみどり


腕の輪まるく
伝うしずく
胸をすぎる
こがねの尾


風のなかをふり向けば
たくさんの声が消えてゆく
 ....
ドビュッシーを聴く
なんとなくの気分で
なんとなくの夜
泳いでいると ちくり
ふいに

音楽が死んだらきっとかなしい
なんておもってしまって 私

父が
美意識の問題だね
といっ ....
空に唸るは誰かの口笛
いづれの日にか朽ち果てる
転がる銀杏のお誘い文句
「さぁ選び取れ!幼子よ!」
静かに身を横たえて
排水溝が今宵のお相手
疾走する虚無たちよ
口笛なんぞは助けてくれな ....
抜き打ちに
昼が訪れて
僕は
誰にともなく
やあどうもというが
答えは空っぽの家に
自転車のブレーキの音が
キュウキー響くだけで
僕はためいきをひとつついた

昼はおとなしくしてい ....
あの日も汗を見ていたのは

水色のユニフォームと白い靴
時の詰まったタイムカードに
行儀よく刻まれた青紫色の印字


晴れた夏にタオルを投げ捨て
雪の日も半袖は変わらず
(腰に装備し ....
竹の林の向こうから
銀の鈴の音 
リン シャラリン


夜露は
月の輪郭を
ゆるりとその身に吸い込んだ



川霧晴れて すすきが並ぶ



トン カラリン
{ルビ独楽 ....
明日よ
おまえのことがわからなくて
今夜も僕は眠ることができない

現実を消化するのが僕の仕事だ
逃げ出さずに立ち向かうのが僕の務めだ

明日よ
なのにおまえは夢や希望だとか
しがみ ....
点数は気にするな
評価は気にするな
順位は気にするな
周りと比べるな

大事なのは自分自身
向上心だけを失うな


言ってくるひとがたまにいる
いやけっこういる

でも
そ ....
 取り締まることのできない光の減少が
 駅のホームに加算されていき
 歩みと停止を繰り返す人影を貶める
 遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
 やがて満たされる黒の描写の内 ....
29歳の僕と53歳の N さんが
向き合うテーブルの上に離れて置かれた
2つのコップ

減り具合もそれぞれに
薄い道の途中で{ルビ佇=たたず}むように
遠い未来の方から
おぼろにやって来 ....
わたしが詩を書かなくなったとき
どんな空が
わたしを迎えてくれるだろう

わたしが詩を書かなくなったとき
すべてのことばは
わたしを許してくれるだろうか

わたしが
終 ....
「涙の色は何色?」

と君が突然訊いたから

「透明なアオかな」

と僕は答えたけれど

「きっと濁ってる」

と言って君は俯いた


あの時

手を伸ばし遅れて

 ....
にぼしの縁取り花壇には
かつおぶしの花が咲いていて
毛糸玉の飛び石の先に
またたび組み木の灯篭が
猫じゃらしがゆらゆら揺れて
お池の中には真っ赤な金魚

猫が時折見つめる虚空には
そん ....
砂時計が流すことのない一粒の砂
悲しみを知るか

桜を手折る時、残された枝の揺らぎ
寂しさを知るか

発電と称して進むことのないプロペラの空回り
孤独を知るか

鍛えられていく鉄塊の ....
光と水と二酸化炭素から
酸素と糖をつくりだす

ずっと前に教わった

植物は
自分が呼吸するための酸素と
成長するためのエネルギーを
自分でつくることができる

僕にもできるかな
 ....
ポチが走ってくる

ポチが尻尾を振りながら走ってくる

ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチが乳母車を弾き飛 ....
電線の上
羽を休める鳥の位置を
五線譜代わりの
英語ノートに記す

小さなスズメは八分音符
食い意地張ったハトは全音符
真っ黒なカラスは黒鍵のシャープ

車幅の狭い道路では
毎日二 ....
 重い体をひきずって
 約束どおり
 旅にでよう

 穏やかな風がふき
 暖かな日差しを浴びて
 一人で旅にでよう

 しがらみを全部
 ごみ箱に捨てて
 遠くまで飛べる翼をつ ....
意識されない曲線の内側で
永久機関の少女性が調弾する。

その輪郭は振動し
奥深く鳴りつつ最果ての嘘を静める。

お先に失礼
直線的で清音の科白が膨張する空のもと
つきぬける(或いは私 ....
もし僕がDJだったら
もっとカオルのことを愛せたのに

整理していた父の荷物の中に
見慣れた筆跡で
そう書かれた紙切れを見つけた

母は屈み込んで
机の下にある二箱目のダンボー ....
窓越しのアルデバラン

暖炉が背中でうたうなら
ベテルギウスは指輪にかわる

ポタージュの香り満ちる星座紀行は
甘くも、はかない



やがて旅人は
アンドロメダへの郷愁にかられ ....
 いましがた カチっと心のスイッチが入った
 何かが 始まる合図だ

 危うく 微かな 季節の変わり目
 奈落の底へ落ちるのか?
 まばゆい朝焼けで心の汚れをおとせるのか?

 頭にく ....
平和を退屈とよび
退屈だから死にたくなり
死ぬかわりにとりあえず眠って
眠っていたら夢をみたので
夢のつづきを現実にみたくて
現実のなかで夢という言葉をひらがなでつぶやいた

ゆめ

 ....
諦めることは
簡単なことだ
全てを放棄すればいい

諦めないことは
もっと簡単だ
“諦めること”を諦めてしまえばいい
水曜日の唄



色とりどりのビーダマが
ぱらぱらと
空からガラスの水曜日

みんみんぜみのたましいが
ころころと
みんな飴玉水曜日

とんぼが落としたサングラス
きらきらと ....
シロナガスクジラの一家が
泳ぎ回れる程
頭の中は巨大だった

目の前は
人いきれで
ぎゅうぎゅうの
すし詰め状態

心が
あっぷあっぷで
溺れる前に

お風呂を
すみれ色で ....
追うように
追われるように
獣たちが駆け抜けていった
土手の草むら


ことし祖母は
言葉をいっぱい失ったので
体も半分になってしまったと言う


秋になって
いちめん ....
夏の終わりをみんな
惜しんでるようだけど


おいらたちに
まかしときな


スッパイ夏つめこんで
あなたのコタツに届けます!


(2005深秋、解禁予定)
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩はね- 炭本 樹 ...自由詩3*05-9-30
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昼のあいさつ- 石川和広自由詩8*05-9-30
そうして明日を選んだ- 銀猫自由詩12*05-9-30
百鬼夜行- 千波 一 ...自由詩15*05-9-30
明日に捧げるポエム- ベンジャ ...自由詩8*05-9-30
相対評価- 自由詩7*05-9-30
実刑- カンチェ ...自由詩1405-9-30
2つのコップ- 服部 剛自由詩9*05-9-30
わたしが詩を書かなくなったとき- umineko自由詩8*05-9-29
消えない涙痕- 自由詩3*05-9-29
空中庭園- 椎名乃逢自由詩2*05-9-29
片糸でんわ- たりぽん ...自由詩11*05-9-29
夜書いた詩も光合成をしている- ベンジャ ...自由詩6*05-9-29
ポチが- 大覚アキ ...自由詩2505-9-29
卒業式の歌- kw自由詩6*05-9-29
夢ごこちの昼下がり- 炭本 樹 ...自由詩605-9-29
説話- こしごえ自由詩8*05-9-29
姿勢- たもつ自由詩1005-9-29
氷が笑えば水は俯く- 千波 一 ...自由詩15*05-9-29
明日への糧- 炭本 樹 ...自由詩305-9-29
- 簑田伶子自由詩10*05-9-29
諦めないことのススメ- 徒歩5分自由詩4*05-9-29
水曜日の唄- m.qyi自由詩1405-9-28
*くじら*- かおる自由詩10*05-9-28
彼岸花- yo-yo自由詩705-9-28
夏充填120%- たりぽん ...携帯写真+ ...12*05-9-27

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