となりの人が一歩踏み出す。


チュッパチャップスを舐めながら自転車並列で猥談するジャージ姿の男子中学生は信号を見ないし当然のように歩道に転がる真っ赤な苺にも気付かない。
明日が月曜日であるこ ....
目が16個に増えた
少年が
身体を32等分にして
吠えた
言葉なんて裏切り者だ
回転する中華テーブルの上で
ケーキになる少女に恋した
その瞬間に少年は骸骨になってタクシーに乗 ....
とうとうからっぽになってしまったのに、それを充たすための夕暮れはまだ十分に短いとはいえないから、もうかなしさだけしか残っていない砂時計のなかで渦を巻きながら赤くなってゆく針が、たとえば海のうえにあるも .... 砂まみれの虹をわたりながら
つや消しの空間に夢をトレースする
幸せそうな光たちをそういう気分で俯瞰する
本当の意味で読み取る歴史の上の明日の流れ星を数えて
血まみれのキーボードに移植す ....
許される蛹に樹は満ちて
もう何年も蝶を見ていない
枝を流れる蛾の骸
葉には卵も幼虫もない


ただ在るだけの糊しろの日々
いつも声と指ばかり見て
そのほかのあなたを ....
昔の友人と長い話をした夜
帰りつきアパートのドアを開けると
一面に緑の草原が広がっていた
いつかのグラウンドのような匂いがして
至る所に
なんだかよく分からないものが転がっている
友人との ....
非常階段で待ち合わせ
そんな滑稽さでもって
世界から逃げている
きみとわたし

日中の駐車場で
眩しいくらいに飛ばされた
二人の立体感が
遠い

ふれている間だけ
呼吸するのを諦 ....
あの空は
ぼくたちにとってのどんな色で
何かを忘れないための色になったりするんだろうか?

つきぬける青に白い雲ひとつ

思いかえせば、
この変わらない空の下を
ながい間、 ....
きみはひどく咳き込み
すぐに踞った
今日は風がつよいね
手をつないで
髪を
なでた





すきだよ


あまく
湿った声は遠く
いつも
おびえているみたいだった
 ....
剃髪に立ち会った日の陽の光 淡く結んだらせんのつづき



葉脈にミシンをかける神様は季節のすきまは縫い合わせない



にんにくで追い払うんだ君のこと季節外れの桜の匂い



 ....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる

つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける

+

淡い花のきもちになって
窓の外 ....
さびしさばかりがおしつぶすぼくのかんじょう、うねりだしていつしからせんじょうになり、そらのほうにのびてけむりになる、ぶあついあまぐもをつくりだすと、とたんにあめがふりだし、あめはつめたいので、くう .... もうすぐモズクの季節
あれは海そのものの一部分
命のスープを濃縮して濃縮して
煮凝りを作ったらあんな感じ

もうすぐスクの季節
あれは押し寄せて来る海の命
岸へ向かって岸を目指して潮の息 ....
 
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした

できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
放課後の教室で
きみは階段をつくっている
けしごむやペンを並べて
足りなくなると
ぼくのまで使って
ふでばこも教科書もかばんも机も
なんでも使って どんどんのぼる

きみが あんまり必 ....
真っ白な雪がつもった何もかも間違いなのにわたしは生きてる


縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて


にんにくを口うつしする秘めごとは口からださず噛み砕くだけ

 ....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ

波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる

夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む

あなたと
指を重む
その温度の確 ....
なだらかな曲線を描いて
時間が蛇行している
本当は
霧状のものなのに

浮揚している
空虚な意識を投げ込んで

思考は楕円形のひもの上を回り続け
輝きを薄めていく



   ....
新しい人が来たので
かじかんだ指を暖めていた子は
背中をまるめてそっと
席を立った

それは
あまりにも静かに行われたので
だれかが席を立ち
新しい人が座ったことに
だれも気づかなか ....
いつかわたしも
潮風になる

いいえ、
それよりもっと目立たない
砂の声かもしれません

潮風が
きびしいながらも心地よいのは
おそらくそんな
匂いのせい



わ ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ

開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く

他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
もう大分寒くなってきたし、制服で夏服を着てる人は余り見かけなくなった。
あれだ。俺が言いたいのは、女の子の下着が透けることはなくなったということです。
ブラジャー、キャミソール(俺はキャミと略さな ....
こもれび/こもれび
紅く小さく南天の実

こもれび/こもれび
足元に散らばる団栗

うたっているのは ひばりか
うたっているのは すずめか

こもれび/こもれび
軽いハレーション
 ....
適当なメロディを口ずさむ
何もない 白の午後
どこへでも行けるから どこへも行かない
円を描くように
歩いて ただ 空を見上げる



少し休んでみてもいいと言われて 休んだ
 ....
咳がふたつ
階段を上ってきた
夜の真ん中で
ぽつり
行き場を失ったそれは
猫の眠りさえ奪わず
突き当たった扉の
その向こうで
遠慮がちに消えていく
八十年余りを働いた生命 ....
書くこと、について、ミハイル・バフチンというひとの本を読まざるをえなくなって、
でも楽しく読んでいます。
それはもう他の読者の方に怒られるかもしれないくらいざっくり言ってしまうと、
「小説って人 ....
 書くことが多すぎて彼女は手帳を黒く塗り潰してしまっている。目の前で起きていることを記さなければならないという気持ちに突き動かされて、あるがままをあるがままに写し取ろうとし過ぎている。対象に目を奪 .... 青くて透き通っているけどどこか昏い
鳥たちの顔
仄かな灰の匂いを降らす翼
その背に戴いた空
かぜと名づけられたものがまた去っていった
羽毛の温もりを滑って
私の傍らを
見上げることが ....
小学生の時
わたしは薄水色だった
黄色のハンカチ
黄色の傘
黄色のお気に入りの服
だけど、わたしは
小学生の時
薄水色だった
黄色の長靴で
水溜まりに入るのが大好きだった


 ....
 
 
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
 
+
 
 ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
sixteen- アオゾラ ...自由詩1209-5-10
象牙の塔を倒す- 狩心自由詩2*09-4-14
(とうとう…)- ケーチェ自由詩109-2-12
砂まみれの虹- モリマサ ...自由詩1509-2-12
夜盗夜- 木立 悟自由詩509-2-12
消費者たち- 自由詩8*09-1-19
逢瀬- アオゾラ ...自由詩809-1-17
ぼくら- わら自由詩21*09-1-8
破瓜は絞首に似ている- アオゾラ ...自由詩13*09-1-4
【短歌祭参加作品】らせんの向うの昨日- はな 短歌18*08-12-8
選択肢- 佐野権太自由詩30*08-12-2
ほのか- ゆうと自由詩2*08-11-30
海のモズクと銀のスクガラス- 海里自由詩408-11-30
椅子- 小川 葉自由詩21*08-11-30
階段のむこう- とんぼ自由詩708-11-30
【短歌祭参加作品】All's_wrong_with_my_w ...- こもん短歌808-11-30
質量、海の- umineko自由詩26*08-11-30
その瞬間に- 乱太郎自由詩17*08-11-27
新しい人- ふるる自由詩27*08-11-26
潮風- 千波 一 ...自由詩7*08-11-24
邂逅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-11-23
そこに乳があるからだ- 榊 慧散文(批評 ...11+08-11-23
木洩れ日/鮮やかな風景- kauz ...自由詩8*08-11-20
白いノートには何も書けなかった- 自由詩5*08-11-19
グリーン・アイズ- 銀猫自由詩17*08-11-18
ポエムのこと、を読んで思ったこと- れつら散文(批評 ...8+*08-11-16
- 楢山孝介自由詩25*08-11-15
鳥の目は珠のようだった- 鎖骨自由詩308-11-15
- 小原あき自由詩23*08-11-7
ねむらない- たもつ自由詩72+08-11-6

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