冬の寝床
むらさき

月よ
明るい夜にしてくれないか

昼と見間違うほどの
白い明かりで照らしてくれないか

わたしがそっと
吐息を洩らす瞬間を

にぎやかなその光で
包んでほしい

そうして
できることなら
一晩中
永遠についての歌を
静かに歌ってほしい

忘れさせてくれないか
死ぬだろうことを

今咲いたばかりの薔薇は
いつか枯れることも忘れ

誰もいない公園で
幸せな孤独を噛みしめている

わたしも
無感覚な夜更けのように
死ぬだろうことを
思い出さない

ほのあたたかい寝床で
呼吸をするのみだ
















自由詩 冬の寝床 Copyright むらさき 2005-11-23 02:04:05
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