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どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら波打ち際の
空き缶の口元を叩く
浜辺の砂

  ※

昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地 ....
ピンクのクレヨンで太陽を描いた
みさちゃんが先生に怒られてるのをみて泣いた

だってみさちゃんはピンクで太陽を描きたくて
それを怒るのは可愛そうだと思ったし
ぼくが赤のクレヨンで描いた太陽よ ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」

いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ

「どういうところがやさしいの?」

血管がういて筋張っているし ....
「積み木」(1)   


積み木積んで積んだ高さに驚いて
積み木積めば積むほど寂しくて

(きっかけなんてゆうものは
 ほんのささいなものだから
 一番下のどれか一個引き抜けば
 ....
塾の講師になって二年

はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない

今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで

先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
半分の月を見ていた

半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった

半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた

半分の月を ....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった

木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった

海は穏やかに荒々しく
 ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない

植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう

いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう

小さな庭に種をまい ....
多くの星が
自ら輝くことができないように
僕らもまた
自ら輝くことはむずかしい

たとえば僕がそうであるように
一つとして同じものなどない
そんな僕ら星のかけらたち

一つの存在が放 ....
白いチョークで
道路にドアを描いている

白いチョークでは
どんなものも白く描かれるから

羽を描いても
飛ぶための空が描けない

だから僕は
ドアを描こうとしている ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない

空がある

青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた


青空の公園で
僕は一羽のカモメだった

 ....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました

きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから


  ....
つんと鼻を刺激する
空気の冷たさに驚いた朝

慌てて出したコートには
お気に入りのマフラーが巻かれていて
それは大袈裟かもしれないと
くるりほどけば
ひらり舞い落ちた
枯葉が一枚

 ....
夜闇の波に揺れて
わたしの海は広さをなくす


いったい何が不安なのかと
ひとつひとつ問いかけてくる波に
ひとつも答えることもなく


わたしはひとり揺れている


「あ」から ....
ほら
ちからをぬいて
ほねなんかなくても

ごらんよ

こんなにうまく
きみはおよげる
雪融けのせせらぎが
草木に沁み込む速さで伝わる春

ひらいた花のはなびらが
舞い散る中で見た空の
青さを呼吸するような夏を過ぎ

虫の声に名残匂わす
涼しさにはほんのりと憂いの秋が
 ....
ガラン ゴロン
缶入りドロップをふると
そんな音がする


家を飛び出したはずの僕が
すっかりぼろぼろの身体になって
そんなふうにまた転がり込んできたとき
せっかく作ってくれた料理を
 ....
明日よ
おまえのことがわからなくて
今夜も僕は眠ることができない

現実を消化するのが僕の仕事だ
逃げ出さずに立ち向かうのが僕の務めだ

明日よ
なのにおまえは夢や希望だとか
しがみ ....
光と水と二酸化炭素から
酸素と糖をつくりだす

ずっと前に教わった

植物は
自分が呼吸するための酸素と
成長するためのエネルギーを
自分でつくることができる

僕にもできるかな
 ....
子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど


いま僕が描こうとしてる
この空には青が足りない


たくさんのことを知ると
たくさんのこと ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
聞こえるはずもない
花のつぼみがひらく音

それが優しい歌に聞こえて


蝶がちゅるりと
その花の蜜を吸うとき

それが優しい歌に聞こえるから


ぷーんと飛んできた蜂が
そ ....
そこかしこに扉はあって

それは
いろんなところにつながっている

何気ない会話の
ほんの小さなやりとりにも
そんな扉がひそんでいるから

いつでもどこでも
特別を感じられるんだ
 ....
士狼(銀)さんのベンジャミンさんおすすめリスト(36)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「砂の記憶」- ベンジャ ...自由詩11*08-7-25
「模索する太陽_(みさちゃんとぼくの色)」- ベンジャ ...自由詩16+*08-5-31
「やさしいかたち」- ベンジャ ...自由詩27*08-4-5
「積み木」_(5作品)- ベンジャ ...自由詩6*07-3-2
「ありがとう」と言わせない- ベンジャ ...自由詩11*07-2-6
「自殺志願の子供たち」- ベンジャ ...自由詩9*06-11-27
半分の月を見ていた- ベンジャ ...自由詩13*06-11-15
「もっと広く感じるんだ」- ベンジャ ...自由詩8*06-6-30
流星群の夜- ベンジャ ...自由詩11*06-1-2
神様が生まれた日に- ベンジャ ...自由詩9*05-12-25
北風の工場- ベンジャ ...自由詩14*05-12-16
笑顔の種- ベンジャ ...自由詩9*05-12-3
星のかけら- ベンジャ ...自由詩6*05-12-2
白いチョークで描いたドア- ベンジャ ...自由詩7*05-11-30
波紋- ベンジャ ...自由詩12*05-11-27
言葉が蝶のように- ベンジャ ...自由詩12*05-11-20
青空の公園で、僕は一羽のカモメだった- ベンジャ ...自由詩11*05-11-6
飛行機雲は消えても- ベンジャ ...自由詩10*05-10-26
それが冬のはじまりでした- ベンジャ ...自由詩9*05-10-25
夜闇の波- ベンジャ ...自由詩11+*05-10-24
くらげのように- ベンジャ ...携帯写真+ ...10*05-10-3
リレーする季節- ベンジャ ...自由詩11*05-10-3
缶入りドロップ- ベンジャ ...自由詩8*05-10-1
明日に捧げるポエム- ベンジャ ...自由詩8*05-9-30
夜書いた詩も光合成をしている- ベンジャ ...自由詩6*05-9-29
この空には青が足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-9-24
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
空を飛ばないダチョウにも翼がある- ベンジャ ...自由詩13*05-9-6
それが優しい歌に聞こえる- ベンジャ ...自由詩11*05-9-5
どこでもポエム- ベンジャ ...自由詩10*05-9-3

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