明けない夜は無いらしいから
幾つかのあの夜達を積み重ねたら
いつか朝を迎える事が出来るだろうか

冷たく張り詰めていた空気が少しだけ緩む
肩の筋肉は若干だが弛緩する
あぁそうだ
閉塞とか ....
カーテンの後ろに隠れている 風が吹いたときだけ 姿を見せる
か細い足元は少しだけピンク色
潮の匂いと、街の喧騒が混じってる
恥ずかしそうに林檎をかじってる なるべく音をたてないように ....
探さないで下さい、と

誰かに投げる
SOS

ありふれた
白地に赤の標識を

誰も見上げないように
 
 
 
            080306




みんな私が悪いのです
テレビのスイッチはリモコンです
タイマーも付いてます
雨なんか降りません
誰が一緒に行くと言いました
責任は ....
おかず一品足りないと
不機嫌そうな顔をするあなた
でもね、わたしだって何かと忙しいし
お給料日だってずっと先

あなたに足らないのはおかずじゃなくて
もうちょっとの頑張りなのかな
好きな ....
私は流れてゆく
水のようになめらかに
時には{ルビ滔々=とうとう}と
時には穏やかなせせらぎになり


私に映るのは雲の流れ
陽のきらめきがいくつも反射する
あるいは透過して泳ぐ魚の群 ....
君に明日会えるのが
楽しみ
で そりゃもう
君に明日会ったら
嬉しみ
で そりゃもう

なんて
どうして言えないの

楽しい
にミを着せて
嬉しい
は裸のまま

うっ 寒 ....
瓶詰めの淡い桜の花びらに葬られている背骨がふたつ



水仙を手折った君の指先が夕陽で赤くて綺麗で恐くて



ぬるいよる鏡の自分と目が合ってさびしそうだねって笑ってあげたの ....
風立ちぬ寒き手紙は寒椿花ぞ散るちる紅(くれなゐ)は君



せせらぎの凍てつく青に紅を差し夕闇となる寒椿かな



寒椿君のかわりに影連れて影が消えれば指先は夜明け


 ....
何見ても泣くのは
世界が変わったからで
自分が変わったからかもしれない
三月
空気が違うんだ
光が伸びる
涙で滲む
心が空洞で
音がしなくて
言葉にすると
どっと涙があふれて
 ....
ドアの外は暗い暗い霧の都
離した指に巻かれている糸は虚ろ
君がどこかから取り出した小さな鋏
魔法のように集まっていた想いの粒は散らばって

靴紐に足を取られてつまづく
温度差には ....
ああ
いくつもの候補があったよ
さくらとか、みかんとか、まりんとか
植物や風景が多かったかな

もう生まれてくる季節なんか
どうでもよくってね
まろんとか、こなつとか、みさきとか
次々 ....
売れるような指ではなくて、マニアックな人がこれいくら?いくら?と聞いてくるだけ


ただそんな彼女を羨んでいたんだよ?「ごめん」でこの世からいなくなるなんて


「似てる」 ....
海鳥が羽ばたいて行く
波音が声も表情も攫ってしまう
ここを離れれば全て遠のいてしまいそうで
時計は腕から外して仕舞った
すこしでも時間を忘れられればいいと
そう思っていたから
 ....
はじめての海
林の隙間から見える
とてつもなく高い
大きな大きな青い海

あれは空だよ
父さんと母さんは
笑ってたけど
あれこそが海だった

死ぬまで忘れない
芽吹きの季節とはいえ
冷たい風が菜の花を揺らし
川面を颯爽と走る

光が流れていくのを
ただぼんやりと見ていた私は
纏わりついた髪をすき
静かに歩み始める

荷物は案外少なかった
 ....
追わないよ
辿りもしないよ
もうただの幻だと知っているから
朝に沈み始める身体
声があなたの前では響かない

泣いていた
理由も分からずに崩れるように
背負っているのはい ....
土と肉の熱を計る
なかば眠りながら
蝉の幼虫がさくらを吸っている
土をほじくり返し
あやしたすずめをその手ずからうずめ
いらなくなった枝を突けば
まるでそこだけが日溜まりのようです
 ....
あの古い家の二階の窓に
いつか見た雲が流れてゆく
雲はいつもあの窓に吸い込まれ
戻って来ない日を数える
そっと指折りをする


窓ガラスに昼の陽がさして
辺りはぱっと明るくなった
物 ....
 くちぐちにわめき散らした街頭
 濁音をことさらに強く

 街なかを わき腹よりみぎ胸に向けて
 ハープ 鉄橋の{ルビ罅=ひび}割れの
 痛みらしき
 路線が走っている
 いかずちや の ....
「あの海は何色ですか」
 
 「鉛色」
   「かもめの羽のような色です」



「あの空は何色ですか」

 「真珠色」
   「冷たい霧を重ねた色です」
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた

大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた

夕方 ....
くしゃみをひとつする、と
私たちは地球儀から滑落して空に溺れる
あの日グラウンドから送った影は
手をつないだまま鉄塔に引っかかっていて
捨てられたビニールのレインコートのようだった

バス ....
{引用=


水底で送受信を繰り返すようなあなたのさびしさが好き



水道水注いだグラスを一度きり鳴らして僕らは夜へと、流れて



満月の灼熱のようなかなしみに入水してゆ ....
玉葱の味噌汁に
なみだを一滴入れてみたものの
塩加減は少しも変わらず
だれも悲しくなりませんでした

風の強い庭先に鳴く野良猫に
思いつきで名前を呼んでみました
ずざ、と塀を駆け上がる音 ....
君の胸が時を刻む
窓の外の冬空は
白い雲が流れてとどまらない

君がいるのに
哀しみが凍みてくる
静かに待とう
もうすぐやってくる夕暮れに
一瞬でも優しい色に染められるよう
長袖の下が
少し湿ってる、朝
君は駅からの道のりを
全速力でひた走る

遅刻は毎日の景色のように
日常を誤信した
人のまなざしとして
君にそそがれた

君の背景に
いつもその人 ....
マシンガンにチョコレート詰めてぶっ放す発情都市への宣戦布告
マシンガンにチョコレート詰めてぶっ放す蜂の巣になる君が好きでした
マシンガンにチョコレート詰めてぶっ放すたやすく好きとかいうなばかもの
 ....
液晶の画面の中では
愛と恋とが
消費されて擦り減って
それでも笑顔を忘れずに
人間の傍にぴたり、と
まるで一人では生きられない
飼い馴らされた犬みたい


マニュアルなんて
何も知 ....
時折天井から記号が滴る

灰色の水槽の中には青白い都市が浮遊している

祭壇めいた台の上で
少年はくる日もくる日も
華奢な実験をくりかえす
時々淡いひとりごとを呟きながら

ほのかに ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ハムスターの午後の回転- カンチェ ...自由詩408-3-6
標識- umineko自由詩4*08-3-6
うるう人- あおば自由詩5*08-3-6
足りないひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-3-5
水の恋歌- 石瀬琳々自由詩9*08-3-5
うれしみ- 乱太郎自由詩23*08-3-4
青色遊戯- しろいろ短歌1208-3-4
寒椿- Rin.短歌9*08-3-4
ざわつく- ゆうと自由詩4*08-3-3
「都」- 菊尾自由詩308-3-3
いのちのなまえ- 佐野権太自由詩46*08-3-1
この世はクエスチョン- ピッピ短歌808-2-29
「海辺」- 菊尾自由詩308-2-27
はじめての海- 小川 葉自由詩308-2-27
春風- こゆり自由詩24*08-2-26
「ノコリモノ」- 菊尾自由詩4*08-2-20
胎動- soft_machine自由詩16*08-2-20
- 石瀬琳々自由詩18*08-2-20
街路- 水町綜助自由詩408-2-20
色々色- 亜樹短歌708-2-20
世界について- ニカコイ自由詩24*08-2-19
青を、- Rin.自由詩3008-2-18
夜の進水式/車輪- しろいろ短歌11*08-2-16
さくら予報- 銀猫自由詩15*08-2-16
哀しみ- さくらほ自由詩7*08-2-15
遅刻- 小川 葉自由詩208-2-15
チョコレイトマシンガン- しろいろ短歌16+*08-2-14
出会い- 小原あき自由詩24*08-2-13
実験室37−C- 塔野夏子自由詩16*08-2-11

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