今夜の献立
・夕焼けと向日葵の背中の煮物
・虹のフライ
・蝉と夏休みの子供の声の和え物
・打水のおつゆ
ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
細い金属質の陽射しが
容赦なく肩に、腕に、
きりきりと刺さって
サンダルの真下に濃い影が宿る
忘れかけた思い出は
向日葵の未成熟な種子に包まれ
あの夏
深く青かった空は
年 ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう
果てのみえない
かなしみの
ひと粒として
あらわれましょう
雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
....
こどもができたの
と、いうと
嘘をつけ、といわれ
生まれてきたのは正真正銘
ロボットの赤ちゃん
の、はずだったのに
人間の
あなたの赤ちゃんよ
それでも
ロボットの子供にふ ....
もやのなかのきいろいひまわりたちみたく
呼吸する
はりつめていく明け方の透明の空中に
うでをまっすぐにのばしました
旗ばかりがばたばたして「これが本当の自由」なんだなって
コンビニのコピー機 ....
光に閉じ込められた生活が、並んで歩く足音に消える。
思い出したように振り返ると、手が、男の手に触れた。
生まれたのは間違いじゃなかった、と泣きながら繰り返すテレビの声に、同情したのかもしれなかった ....
朝の黄昏
さいごの朝
ひかりの
おしくらまんじゅう
雪のない夏は
さよなら季節
さわがしい静けさ
ぼくはきょう
あしたのぼく
朝の黄昏
....
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手帳をいっぱい持っている。
このリングノートも扉のところに3つの住所が書いてある。
入っているカバン毎に、
引き出しから入れた雑多な順番に出て来るメ ....
つめたい手には
ひとのこころのぬくみが宿ると
いつかだれかに聞いたから
わたしはこの手の
ぬくさを
恥じる
あこがれや
ねがいはなぜに
こころをつめたく
....
乱れたシーツに
打ち上げられたのは
僕だけだった
散らばった鱗を
キレイに片付けた君は
もうコーヒーを香らせている
カーテンから漏れてくる
光の海蛇を蹴飛ばしながら ....
どうしょうもなく渇いてしまえば
身軽になるものだというように
からから笑いながら波打ち際の
空き缶の口元を叩く
浜辺の砂
※
昨日までわたくしは海の中におりました
かつては地 ....
電線を流れる夕焼け
僕の身体には巡って来ない
世界は、誰か一人でも。
綺麗と想ったら。
綺麗だ。
(1)
明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
排他的な女の子は空を所持している。
その底のほうには、白くてきれいな宇宙船や、手垢できたない算数の教科書、軍隊の格好をしたキューピー人形や、プラスチックのマニキュアの瓶が、ざくざくとはめ ....
羊とシーソー遊びをすると
いつも重い方が沈みました
両方が沈まないでいるのは
とても難しいことでした
わたしはまだ
言葉をよく知らなかったのです
+
眠れないとき ....
君の眼は使いの音色 首筋に放たれたままの蛇が目覚める
洞窟をつなぐ吊り橋キラキラと泣いてふたつの{ルビ水底=みなそこ}に消え
銀色の軌跡を描く{ルビ蝸牛=かたつむり} その ....
例えば。
茹だるような青が
私たちを押し潰した夏に
もしも、一握りの白があったとして
それは
冬たる物になるだろうか?
アスファルトに溶け ....
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる
夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
早く脱出しなければ。
非行少女の、夏が来る。
厳粛のメモ用紙、多彩なパノラマ。
薄羽蜉蝣の大群。
ストリ ....
魚のために
椅子をつくる
いつか
座れる日のために
背もたれのあたりを通過する
ふと、足りないものと
足りすぎているものとが
少しずつある
雨に濡れた生家が
生乾きの ....
それは
見覚えのある目
はっきりとは覚えておらず
覚えておけるはずもなく
覚えておいては
いけない
気もする
或いはそれは
鳴りやまない声
欲しがるように
さげ ....
まゆに包まれて いくようです
あなたも わたしも
目をつむると
おくるみに くるまれた あなたが聴こえる
全てが崩れ去ってゆく
全てが消え去ってゆく
今まで築いたものが
無になる。
寂しい事だ
喜びも悲しみも
苦労も皆水の泡
思い出だけが残る
心の隙間
できる限りの事はした
悔 ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく
降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
....
もう僕らの住むところじゃ、綺麗な天の川は見えないらしい。
けれど、織り姫と彦星は仲良くしてるでしょ。
薄く見える星々は、いつもどこかで輝いてる。
厚い雲に隠されたって、雲の上には大宇宙。
大丈 ....
俺は
知っている
あの日の
一瞬の
奇跡を
君は
知らない
あの日
俺が
伝えたかった
言葉
を
置き去りにされた愛のように
ロックグラスはひび割れて
紫陽花のように水を欲しがる
日々の我らの営みが零れて
絨毯に染みが増えてゆく
地球が檸檬だなんて嘘
誰も信じちゃくれないよ
....
しごとがえり
げんかんのちかくで
むかえる
ねこのまなざしは
ききとして
ふぜいがあり
わらってしまう
えくぼはできる
*
あめのひ
いえのなかで
よくねむっていたねこ ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪
七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ
真っ ....
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