夏が、また―――
怖いですか
あのひとの抜け殻だから

まひるの世界はあまりにも眩しく
夜の世界は、私には暗すぎる
いつからか
瞳が捉える色彩は
こんな風にゆるぎはじめて
 ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
そこはかとなく

カオス から はじまる

巣箱の なかで 羽音が する

複数が 単数を 響きあう

羽音が する

とおく 草陰に 一軒の 廃屋...

誰かの ....
通り雨を
息継ぎしながら
ぼくたちは急いでいた

離れることを
急いでいた


 手のなかの熱は
 次から次へ
 一秒後

 つよくなろう、と
 {ルビ翳=かげ}りをひそ ....
美化された永遠は
終わりという名の永遠
変化が訪れない契約書
それは安らぎたいということ

本当の永遠は恐怖
終わりが来ない
無限の苦痛と快楽
変化し続けるという永遠
それは安定しな ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
お前の涙
三連符だ
スタッカートも付いてる
楽譜の中を彷徨う
盲目のままで

スーツ姿だ
眼は強く
鞄を握り締めている
掛け声のあと
直立不動で

俺たちに何ができるか
それ ....
明日も
来ていいですか
と問いかけるのが
私の日課で
でも
獣らしきものは
月の暦の朔日のみで

あとは静かな小波のような
ほのかな思いが
引いてゆくような
満ちてくるような
 ....
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
生きるということが腹の底に岩としてずしりといて
もう随分になります
その間にも
あやふやな記憶をたぐりよせ
ようやく原色で彩られた暑い夏へたどりついたころに季節は秋めいて
高い空に母娘の晴れ ....
ほんとに本気?
確かめたくなる。
目があうたびに
真っ赤な帽子をかぶって 
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから

彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
 ....
ふみこえて 風の
崖から おちる
すべての言葉を いちいち
辞書でひき 升目に埋めて
水をかけていた あのころ
水はグラスに包まれ
グラスは両手に包まれ
あなたを包むのは誰ですか
水が包むのは、何

泣いているのは
瞳だけ幼い老人
その掌に
日溜まりのような優しいぬくみ
その額にま新しい水を注 ....
この夜に砂糖とミルク少々を入れて
掻き混ぜて飲み干すんだ
――君 何処へ行きたいか云ってくれ給え
ラズベリィの憂愁に
しなやかさの極みの鋭さを閃かせ
僕らを駆動する
僕らが駆動する
{ル ....
三半規管が爪弾かれる
静寂の
そっと指先が触れない
おだやかな震えない

涙と休符
はれぼったい目とゆうひ

またしばらく
涙は出ない

しんぞう
はい

ちょう
なみ ....
月の裏側が見たいと
弟が呟いた
瞳はもう
赤方偏移を繰っているように
白兎を歌って

憧れと諦めをわたしに託して
弟はもう
腐りかけた足で
旅に出ていた

痛々しいほどに頑張りす ....
藍に鳴く瞬きは
添える程度の色彩
決して主張しすぎない声で
詠うように流れては
見下ろした先の草花に
願いを囁かせた

蒼に震える輝きは
漂う程度の色合い
妥協にも似たか弱い声で
 ....
夜が空を包み
七色に光る
願いの帯たちが
星の間を縫って
空へと羽ばたいていく頃
 
遥か空の上では
一年分の時を越えて
会瀬を交わす者たちが
確かめ合うかのように
抱き合っている ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
私の我が儘

あなたの優しさ

世界の現実

化合され毒になる
僕が僕と出会って 時計は何周しただろう
僕と君が出会って 地球は何周しただろう
嗚呼 そんなことばかり胸をよぎるよ 何故かな

今日も 明日も その先も空が悲しいと呟く
肌に触れて やっと僕 ....
きみの肌は何度たべても不味い
そのことを告げたらきみはさみしそうに
笑った
汗をかいた君のよるが
わたしだけのものになるから
それはそれで幸せなんだよと
いいたかったけどい ....
?.


星を
呼べるんだね
あのロバ
ほら
また流れたよ

願い事三回は
いじわるだね
静かにしていよう
叶わないよ なにも
どうせこれ以上

たどり着こうとして
 ....
?.


眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな







?.


 ....
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ

よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
探し物をしていたら
押入れの奥から出てきた
学生時代のルーズリーフ
こんなものがこんなところに
物理のノートだろうか
数式やらグラフやら
長々とした漢字による専門用語やら
今では何が書か ....
一人ぼっちだ
花々の中で

麦畑を風が渡って
そこに点在するポピーは
そのひとつひとつが
恋で

黄色と赤の美しい翼を持った小鳥が
巡礼道の真ん中で風に吹 ....
古い日記の頁を{ルビ捲=めく}ると 
遠い昨日へ 
葬られた{ルビ女=ひと}の名前 

( 霞の向こうに立つ、その人影 ) 

左手首に巻いていた 
あの日の腕時計は 
いつのまに、{ ....
すやすやと

安らかな寝息を立てる

ちいさなちいさな背中



このちいさな背中に

どれだけの重荷を

背負わせてしまったんだろう



たくさんの痛みに耐えて ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空蝉の夏が、また- Rin.自由詩2007-7-13
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焼却炉- 狩心自由詩2*07-7-9
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君はいつもそうだから- 日朗歩野携帯写真+ ...907-7-8
くちづけ- 水在らあ ...自由詩30*07-7-8
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DRIVE- 塔野夏子自由詩12*07-7-7
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うたかたの宵- 見崎 光自由詩5*07-7-7
七夕- 山中 烏 ...自由詩9*07-7-7
八月の輪郭- 水町綜助自由詩2807-7-7
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人輪- 蒼穹自由詩8*07-7-6
夜と白昼夢- アオゾラ ...自由詩8*07-7-5
星を- 水在らあ ...自由詩35*07-7-5
きず- 水在らあ ...自由詩34*07-7-4
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思い出ルーズリーフ- ぽえむ君自由詩11*07-6-25
小さい- 水在らあ ...自由詩37*07-6-25
浜辺の女_- 服部 剛自由詩10*07-6-25
ちいさな背中_と_無力な両手- 宮本 心自由詩25*07-6-25

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