校舎に含まれる
散漫な光景ひとつひとつに声がとどかない



1. 朝


 起立
 礼
 いっせいの着席にびくともしない
 この校舎の設計は強度においても欠陥がない
 ....
おめでとう 毎日は
祝福されてあるのだから
誕生日くらいは ひとりさみしく
泣きながら過ごしましょう
それが この国の流儀です
お祭りを終えた夜のように
まだ熱い頬と首すじ
余計にはじけた夢を見ました

はじけたことだけ覚えてる
色とにおいはこぼれても
はっきりと鼓動が踊ってる

もったいなくて、ね
夢を思い ....
湿った風が吹く朝に
君は薄い火を灯した幹から両手を離す


種の保存の掟は果たせたのだろうか
君の生き方は純粋で幸せだったのだろうか
最後は雲の切れ目から青空が見えたのだろうか


 ....
燭台にともされたろうそくの炎が
一点の曇りもない銀のナイフとフォークに
照り映えています
用意された皿はただ一枚
白い無垢な皿です
さあ時間になりました
採れたての ....
むらさきいろの透明グラスは
この指に
繊細な重みを
そっと教えており

うさぎのかたちの水色細工は
ちらり、と微笑み 
おやすみのふり


壁一面には
ランプの群れがお花のか ....
すきとおる泪が
青い洞門をすべり落ちる
あなたほど自然に私をさとすものはない
美しく象形した蚕の吐糸がやさしく肌を包む
あなたは私を裸にせず裸にする
新しい息吹は真珠となり
このく ....
 切符を切るカチカチと

  ポイントを温めるランプの炎の

   二番ホームに雪を踏む

    信号の腕木があがる

凍える両手に息を吹きかけたあと、空を見上げて吐息

    ....
紙の船 砂に
海を ひらいて 進め
ためらうな そうしなければ
みえない ものばかりを
愛したからには
自転車にまたがれば

ペダルにのせた足と
地面を蹴るかわりに
転がってゆくタイヤ

地球がまあるいのは
教科書でしか
知らないことだけど

その時生まれる風が
何処から吹いてくる ....
理由とか
言い訳とかで

きっと空は窮屈なんだ


自由とか
愛だとか

きっと雨であふれてるんだ


別れとか
嘘だとか

羽が痛いに違いない


憂鬱鳥の
青 ....
幸せが虹のようにわかりやすいモノだったら
どんなにいいだろうか

世の中の幸せは
どれもわかりづらくて
お金とか
愛とか
永遠とか
ありきたりなモノしか見えなかった

ホントの幸せ ....
僕は鳴き方を忘れた鳥になった

泣き方も忘れて
涙は溜るばかりで
気づけば青くなっていて
水溜まりに落ちた

悲しみの中に落ちようと
何かがどうもたりなくて
涙は決して出てこない
 ....
しっとりと伏せられ、そのまま
こと切れたあとの、薄青い、薄暗い
目蓋のような擦り硝子を前に
決して、そこから
目蓋なんぞ連想しないと思い直す、おんなの
見下ろす、白百合の ....
青い空はあんまり好きではなくて
夏のこんな時期は特に眠っていたいだけで
公園はごくゆっくりとした速度で
夕暮れに落ちてゆく

手をつないでもっと離れていく途中
好きとか嫌いとかじゃなくて
 ....
「薬を飲み忘れたわ!帰らないと」

マンボウを見に
水族館へ行こうと
誘ったのは彼女の方だったのに
家を出てすぐ言った

「どこが悪いの?」
「知らないわ、生まれてからずっと飲んで ....
もう
鋭いところまで、
来てしまっている。

人々は、
気付いているのであろうか。
虚空は、
妖しく、うねりながら明滅している。
あさっての老人は、
{ルビ落葉=おちば}に手を合わせ ....
ジ 
ジッ と

命の 焦げる音がする

紫の
灯りに誘われて


やさしさは
銀の
電熱線だ

あなたに
触れて

私は
終わる

小さ ....
腰の曲がった老婆がひとり
大雨の中を歩いている
両手を鎖に繋がれて
重い足枷を引きずりながら
濡れるに任せ歩いている

彼女にも愛は確かにあった

独り暮らしの雨は寂しい
愛は何処へ ....
雨あがりの空ろな声は

流れる雲のきらめきか


雨に湿った
{ルビ濃紫=こむらさき}の瞳がとなえる
つながりの腐蝕は
しっぽり燃える送り火で
季節を含む
風の滅びゆくさまを映す
 ....
君の心の展示会覗きたくなり

電車に乗りました。





カッタンコットン・・・

揺られて逢いに行きます。

窓から見える景色もコマ送りに君に近づきます。




 ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた


同じころ

父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた

隣の部屋の夫 ....
純粋ならざる錬成から生まれ、
おぞましき獣となりて、
いまだ人ならず。

異物、
或いは汚物を喰らい、
蛆と成り果て、
蔑まれようとも。

いつか人と呼ばれる ....
あなたのいない       空       白       を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。     空が      白く      雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという


いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
 ....
透明な夜空は
脳がものをみることを
なまけてしまった人が見ると
満点の星空なんて映し出す
本当は何もない
ただ地球は孤独なんだということを嘲笑う
真っ黒がそこにあるだけだ
そ ....
ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぽこ
ざぶーん

涙のプールを泳ぎます

ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぷぐ
ざぶーん

少し塩素を飲みました

ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぼこ
 ....
天王寺動物園に
桜が咲いて
カラオケの音量が
最大になった日

僕たちはアポロの前で
待ち合わせた
どこに行く当てもなくの約束
ただ一緒にいたかったから

もっとたくさん、桜がみた ....
夏が欠けていきます

溌剌とした空の滴りを
濃厚な季節が吸い尽し
あとはさらさらと乾きゆくだけです

さっきりと出た月の高さも
いつの間にか伸びて
変わりゆく時は
青葉さえ少しずつ朽 ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
校舎に含まれる- Monk自由詩805-8-28
そろもん(Happy_Unbirthdayの話)- みつべえ自由詩705-8-27
夢掬い- なつ自由詩7*05-8-27
空蝉- しらいし ...自由詩15*05-8-27
晩_餐- 塔野夏子自由詩7*05-8-27
硝子工房- 千波 一 ...自由詩23*05-8-27
聡明- つきのい ...自由詩1605-8-27
小さき音と吐息と駅と- たりぽん ...自由詩1005-8-26
そろもん(航海の話)- みつべえ自由詩705-8-26
夏をのせて- ベンジャ ...自由詩6*05-8-26
「空は窮屈なんだとさ」- 又一自由詩405-8-26
「虹」- 又一自由詩105-8-26
「死んでいく鳥に」- 又一自由詩305-8-26
感情生育- A道化自由詩805-8-26
仕組まれた午後- 自由詩405-8-26
忘れんぼうの水族館- 初代ドリ ...自由詩10*05-8-26
ブランコ- こしごえ自由詩16*05-8-26
銀狼- umineko自由詩7*05-8-26
渇いた雨- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-8-26
季節- こしごえ自由詩6*05-8-25
油彩画展- しらいし ...自由詩7*05-8-25
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた- Monk自由詩19+05-8-25
「_異物、或いは汚物を。_」- PULL.自由詩16*05-8-25
空白- ふるる自由詩23*05-8-25
ひとつ足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-8-24
奴への送らない手紙- たりぽん ...自由詩12+*05-8-24
天体観測- ピッピ自由詩805-8-24
夕泳- カバ自由詩205-8-24
駅:あべの橋- たりぽん ...自由詩9*05-8-24
変幻の月- つきのい ...自由詩1405-8-24

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