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遠い風の透けた
銀のしずくが
{ルビ月影=つきかげ}おぼろにひびいて
さびしく薫る
ぬれた黒髪
結いあげる白い手

静かすぎる吐息の重さは
うつろな視線の光
映る予感の静寂が ....
あきらめは
落葉に{ルビ埋=うず}まる倒木だ
{ルビ水面=すいめん}に浮かぶ枯れ葉の息だ

全てに対し
後ろめたいことの無い
青い空をあおぐ

倒木も枯れ葉も
{ルビ生命 ....
青い血で書かれた水曜性は、
{ルビ万年青=おもと}の実となって赤く結ばれる。
ある、いは、いつになく遠く静かな空で、ある。

店員が しきりにすすめてくる
玄関先に どうかしら
と自分に問 ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
かえるところがあるのならば、それでいい)


   お葬式

カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
 ....
  雲

あんまり空が
低いので
私は泣いて みたのです

いいえ私は泣きません
ひとつも涙は零れません
とけてゆかない成分だから。


  ひとり

あなたをきずつけぬよう ....
果して
愛は
枯れないだろうか

愛はいのちを生かす
愛はすべてに宿っている
愛は忘れ去られることはない

しかし果して
愛は
死なないだろうか?

木の葉が光をみつめている
 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする

……わはわをたまわる)

柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
 ....
ある朝に、新宿駅東口で待っている

(白くうずくまっている 無音の質量を
回転している(絶叫をとおりこした)声が
雨 のおくへと響いていく

来るのかしら
(いつ?)
遠くはるか遠く
 ....
遠い
いつになく
ほそく笑む
青ざめている唇に
小指で すっと紅をさす
星は 、
籠の小鳥と目が合った
さみしい というわけではないけれど
痛むのはなぜ
こんなにも嬉しい朝なのに震え ....
夢のつづきを上映なさる、
あめ色に半透明な
翅のスクリーンに

隙もなく並べられた円卓が。
潤む瞳、
凸レンズ式の

灰皿におとした視線に煙り
鉛の筆跡で笑えず。
夕べは、霧の森で ....
つじつまを合わせようとすればするほど
ずれるのは無理をしているから
そんな私無理をしているつもりはないのだけれど
ため息が出るのがさみしい


自分を偽ることをやめる
それが
磨硝子 ....
蔓薔薇が石塔に深く絡まっていて
霧に浮かびあがり声をもらしている
清らかな

石塔には
老人の深遠な目でこう刻まれていた
?在る{ルビ可=べ}し?

霊園の霧は
空中に充足した空虚な ....
夕焼けに染まる
うしろ姿が焦れて
奇妙な鳥の羽が
手紙を星へ届けた

万年筆の青いインクでつらつらと
書かれた迷いのない筆跡で
時は重なっていて遠く定着している

斜陽は
雲にすじ ....
(今日の日付をつぶやく)
灯台の未来
石段の螺旋をおりていく
水平線はかすかに騒めき湾曲している唇だ

防波堤を渡り
砂浜へと呼吸を滑らせる
ヨットの帆は風に膨らみ
反転した星のように ....
冬の空のしんとした質感に
しなだれる肺のたおやかなこと

木枯しに枯れていく太陽のもと
不透明な雪の結晶となる重さを
熱く呼吸して火照る

湾曲している波に共鳴する
空との境界で
風 ....
ひとり立ち姿

死んでいるように
つぶやく灰の後ろに映る
星の塔が旋回してから
七色のアーチをくぐり
一瞬する視界の腐蝕する太陽へと身を焦がす

失えるものなら失ってみなさいな
零の ....
つながっている

青く透けた日の光が
結晶となってふりそそぐ季節
つめたい雨は 灰となってしまった
存在している私
無くなる。

空から堕ちた秘密が
虚ろな視線で風を呼ぶ
無神経 ....
宵の衣の澄む空に
水を含んだ
  月浮かぶ
果てを映したせせらぎに
火照る裸体を浸します
夢に染まった
  つめたさが
しずかに狂って微笑した
(すわ)
終りにそなえて 花が咲く
失礼します
残された時間はどれくらい
切りそろえた髪も伸びて薫った
(生きる?)と問うたが最後

もどらないもどせない
生きなければいけない
どこへいけない?
暗黒?

宣告 落果 ....
つめたい予兆
つきぬけた青
零落した透明がふきぬけて
静寂の時が閃いた

冴えた旋律ふりそそぎ
ふるえる細胞 光を放つ

はてしない星の覚醒
あたたかい血の記憶
染まるための レッ ....
彩るうたを{ルビ口遊=くちずさ}む

こんな命があるかしら
{ルビ水=み}の{ルビ面=も}に蝶が浮いている
ちらともせずに浮いている

こんな命があるかしら
あすを知りえず浮いている
 ....
底ひ無く
心 沈む
みあげれば あおい闇

青ざめてゆく風のなか
声も無く笑った

雨の夢は白らかに咲く
虹のもと影ろふ立ち姿

底ひ無く
心 沈む
みあげれば あおい闇

 ....
得た と思うと同時に失う

林檎の皮を剥いていく
螺旋が皿に垂れていく
果物ナイフに映る甘いかおりに
私は涙を告げる

何も動揺することはない
唇はかすかに震えているが
芯は蜜を湛え ....
青のお墓で悲しむことはありません

白の立ち姿を遠目で映します

赤のお空で産声は響きます

黒の後ろ姿を光で焼きつけてください


あなたのいた砂の層が
うららかに音を奏でて
 ....
枯れ落ちる
葉の上に声を震わせて
蒸散することのない深さ

やがて機能しなくなるであろう涙の透けた色に眩暈して

ああ雨の夜の崩れゆく{ルビ慟哭=どうこく}
スローモーションの叫ぶ先に
 ....
きっとくる
いつものことながら
風は 遅れている

いっそ青の真空中の扉の
鍵を稲妻であけてしまおうか
ウロボロスの純真は
宙にくちづけして
星を孕んでしまったようだから

いつか ....
一歩一歩沈む
沈む
さ迷う森のあなたに
黒く湿った土が香り
白日夢の欠けた月が
まあるく青ざめて眠る

白む指先で
鼓動にふれる声が
ふるえて腐蝕へ沈む

をんなは
なぜか黙り ....
イチジクを手にとる
あなたの背中を思い出す

いつかの電車内で振った
人体骨格のねじれた手首に
無邪気な笑顔でこたえた少女
そこにみだらな星はなく
鮮烈なスタッカートが鳴り響いていたので ....
士狼(銀)さんのこしごえさんおすすめリスト(43)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うすげしょう- こしごえ自由詩13*08-1-7
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黝い手跡_(あおぐろいしゅせき)- こしごえ自由詩22*07-7-21
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
真実- こしごえ自由詩17*07-6-22
故郷における影- こしごえ自由詩33*07-3-30
かなしみ- こしごえ自由詩34*07-3-19
果して愛は・・・- こしごえ自由詩16*07-2-21
おはり- こしごえ自由詩21*07-2-20
れいうとわたし- こしごえ自由詩16*07-1-17
花占い- こしごえ自由詩22*06-4-30
無声映画- こしごえ自由詩15*06-4-15
因果- こしごえ自由詩6*06-1-4
碑(いしぶみ)- こしごえ自由詩13*06-1-2
恋文- こしごえ自由詩12*05-12-29
ゴースト(ghost)- こしごえ自由詩14*05-12-23
しおり- こしごえ自由詩16*05-12-6
空の原- こしごえ自由詩12*05-12-2
虚空の刻印- こしごえ自由詩13*05-12-1
終の季節(ついのきせつ)- こしごえ自由詩16*05-11-30
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形見- こしごえ自由詩11*05-11-25
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未完の涙- こしごえ自由詩15*05-11-7
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