空白で満たされたかなしみだったら

何もかも詰めこんでその色うすくできるのに

藍色や虹色や何もかも満たされた場所の

そのうえに座りこむかなしみがとまらない


どうしたらいいのさ ....
三千年の時を経た公孫樹の雄木が
銀の葉を降らせる
銀の葉を降らせる
銀の葉は薄く鋭く尖り
銀の葉は優雅に旋回しながら
荒涼の野に振る

三千年の時を経た公孫樹の雌木が
金の実を落とす
 ....
   墜落


世界中の飛行機が
あたしに向かって
落っこちてくるんです
轟音が
部屋のなかで駆けめぐって
いつまでも出ていくことがなくて

轟音がみしり、と
壁を引き裂いて
 ....
死にたい奴はさっさと死ねばいいんだよ
何を思いとどまっているんだい?
世間に世界に人間に
幻滅して絶望して
さぁ早くその手首を切るが良い
さぁ早くその首を括るが良い

例え自由をどう勘違 ....
なだらかな夜の背骨の上を
滑るようにして僕は歩く


温度を持たない
曲がり角を曲がり

名前を寄せない
ガードをくぐる


透明感を隠した街に焦がれる
僕を覆う他人の溜息
 ....
煌星がひとつ
静寂に耐えきれずに
堕ちてくる

差し延べた
救いの手を
そっと抱き寄せる

言葉など
いらない夜だから

開きかけた唇を
そっと塞ぐ
地下鉄から生まれた人たちが
夜の寸前で吐き出されている
空へ続く四角い階段
斜めに染まる街の角度で
溶かされそうになっている

午後六時は動き出せない
指先も爪先も逃げるように
眠るに ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
電車の中で
立ち上がる女の人
意識は遅れて到着する
駅を降りるんだ
立っているわたし
気付かず
立ち上がる女の
すいません
という

肩が押し上げられる
そして気付く
女 ....
初出:
ウエノポエトリカンジャム3 公式パンフレット「Iu(イウ)」(2005年夏)
(http://www.upj.jp/)
「詩なんかよく知らない人にネットの詩について伝えるメッ ....
君に何が起こったのか
あれこれ詮索しても
真実は君の心内にあるのだから
僕には到底知り得ない事だし
余計な気遣いはして欲しく無いこと
良く理解しているつもりだよ


だから僕には君の旅 ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
鉛管が転がっている
描ききれなかった僕らは
ゆっくり鉛筆を折ると
液体のように広がり
縁石を満たした
炎天下
エピローグばかりが続く
絵本の中で
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと

逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく


痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと

明日を司る月が
昨日 ....
追いかけている背中は
とても遠いもので
積み木を崩されるだけが
この街のすべてじゃない

あなたを追いかけているようで
僕に追いつきかけている
手をのばせば繋いでいるようで
もっと違う ....
前へ どこまでも進むのが
希望の原理です
その道は きみ自身の
背中の扉まで つづいているから
いまは ふりかえるな
愛する事は容易いけれど
愛される事は難しい
肩触れ合うほど僕が君の傍にいても
うなじの後れ毛に見とれていても
僕の愛に君は気づかない


たとえばそれは硝子越しの口吸い
感じるはずの柔 ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
暗いはずでした
起き上がっても

見えるわけがないと
思い込んでいました

ふすまを開けて
階段を 見下ろすと

一段 一段
角も はっきり
見えるのでした

外に 降り ....
何もない空から雨が
そんなふうに

あなたの存在が
私のこころを濡らすから

見上げても
どこにもいない
雲の
かけらも

だけど

私にだけ感じる声で
 ....
フレーズをいっぱい
書き留めてた日記帳をね
手に持っていたら
私のところへヤギが来て

それうまそうだ

って言ったと思ったら
全部食べられちゃった

悲しくなって
泣いちゃって ....
コップの中の水は透明なのに
海の水はどうして青いんだろう?

この世界で一番愛する人を失った男が
海に青色の絵の具を溶かしているから?

ずっと向こうにある海と空が交わる水平線で
青色の ....
猫のミーが
窓から初雪を見ている
たんぽぽの綿毛よりも
静かで美しいそれは
いつか別れた母親の
しっぽの色だった


ミー
君の耳も
同じ色をしているよ
俺の為に余命三ヶ月になってくれないか?
そして或る日突然に
そう突然に死んでくれないか?

嘘だ

戦争や争い事なんて少ない方がいい
無くなりはしない事はわかっている
家族や友人を ....
底のない鏡に向かい、
自戒を込めて。




近しい人に、
わかる言葉だけで、
書きはじめると。

あなたは途端に、
「うた」を喪います。

声 ....
plain damageをなんて訳そうかと思い悩みながら師走の
群衆のなか歩いていた
とおもっていたとき

からっかぜが吹きすぎたプルトニウムのからっかぜが
あそこから60キロ半径にあるすべ ....
夢の無い画面の端に
流星群が見られると記されていた

濃紺に澄んだ空は
白い あるいは銀や朱に
闇を切り取られている


湿り気の残る髪が凍え
湯上りの匂いが後ずさりする
夜着 ....
青と橙の間に

黄色と緑を捜した

まだ3時なのに

焼ける空
わたしは蠍
孤独な蠍
心に浮かぶあなたの姿
思い出は心の痛み
耐える事しか
わたしは知らない



わたしは蠍
虚しい蠍
流れる砂はあなたの幻
ひとり見つめて
逢いたさ募る
 ....
道路を挟んだ向かいの
コンビニの真夜中で
店員がガンジャ吸いながらそれをこなしている時間
ファミリーレストランの駐車場のボンネットでネコはねそべり
争いごとやもめ事をさけてブログたちはどんどん ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
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