長い間
{ルビ棚=たな}に放りこまれたままの 
うす汚れたきりんのぬいぐるみ 

{ルビ行方=ゆくえ}知らずの持ち主に 
忘れられていようとも 
ぬいぐるみのきりちゃんはいつも
放置され ....
晴れのち曇り 雨 みぞれ

空のほんとは
どの日でしょうか

わたしたちには
空を知るすべが少なくて
たまたま覗いたその日の空を
強くこころに
留めがち
です


吹雪  ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした

畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた

 ....
青空が、気持ち良くて。

飛び出したんだ。


さぁ、掴まえにいこうか。
祖父は
海軍士官学校の先生だった
手を合わせる横顔に
平和を祈っているのかと訊ねたら
そうではないと小さく呟いた

悔やんでいるのだと
小さく呟いて、そして
祈りは何も変えないのだと
 ....
繰返してはいけないと思っていても
繰返してしまう
それはちょうど悪戯っ子が
すぐにばれてしまう悪戯を繰返すのに
似ているのかも知れない
かまって欲しいわけでもないし
誰かに判って欲しいわけ ....
あれは忘れもしない
一年前の8月6日
仕事を終えて
家に帰ると
あなたは待っていた

フリルのお母さんエプロンを
ひらひらさせて

おかえりなさい
待ってたよ
ばんごはんの支度が ....
散々泣いた夏の雲は美しくたち
もうじき夕暮れの風鈴の音色は
甘くて遠い気がして

少し懐かしい思い出は記憶からこぼれだし
涙色の青空に蝉の賑わいは
必ずしも必要ないのかも知れない

狂 ....
人はみな詩人である
言葉を操る才をもち
その感情を記号化する
その文字は伝達に止まらず
心と心を伝えあい
いつしか人に詩が生まれる

人はみな画家である
色を操る術をもち
その感性を ....
何をみんなは 笑っているの
濡れぬ肢体を えろんと舐める

苦し紛れに ペンキ撒いたの
何も見えない 湿った部屋で

柱時計は 鉄線だらけ
ピアノの音が 暗光に映え

赤い病が 瞼を ....
僕らは空気を育てた
空気を育て空気と遊んだ
外を連れて歩くと
人はそれを風と呼んだ
空気は僕らを食べて育った
食べられて僕らは
その大きなお腹のようなところで
何度も生まれかわった
何 ....
‥もう終わりだね

呟いたのは
あなただったか
わたしだったか

照らし出された
顔だけが
暗闇に蒼く浮かんで
すぐ消えた
引っ越したアパートは
薬屋の二階だった
辺りには小さな商店しかなかったが
近くに大きな川が流れていて
君の心を支えながら
よく土手を歩いた

神社には大きな桜の樹があって
薄紅の季節を ....
夢から覚めたその朝は
どんな夢を見たのか
覚えてないけれど
どこかにまだその夢が
自分の中にそっとある

きっと安らぎのある
やさしい夢だったに違いない
夢と朝のつながりが
頭の中と ....
秩序と自由に鐘がなる。 昨日は開襟シャツの男が死んだ
今日はスプーンをくわえた女の死体を見ながら
明日もきっと生きているものは逝くのだろう
死は簡単に転がっていて
気づかないふりをして過ごす毎日は
とても息苦しい
 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
  あなた、アオウミガメの背中を
  匂ったことはあって?



少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える


 ....
濡れた月は、
この上ない美味である。
薄く雲のかかった、
十六夜月の、
あの豊穣さといったら、
想い出しただけで、
灰色の大脳が蕩けてしまう。

満月の ....
痛いとかかゆいとか
間抜けな人は嘘でもいいやと
マルをつけた
早く治るといいね

ピンクが好きだと言ったのね
そんなのもう
鳴り響かない
ずっと弾いてないから
静電気を放った
早く ....
南の海に、
どんぶら浮かぶ、
にぽぽ島は、
独立国である。

にぽぽ島は王政で、
現国王は、
にぽぽ・ぱぱ十四世。

にぽぽ歴、
四百年に即位した彼 ....
うやむやに熔けてしまっていませんか
その夕暮れに

指揮棒に従うことで
いくつの雑音を聞かずに済みましたか


なつかしい歌たちに包まれたい日があります
拒みたい日もあります

 ....
(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
照りつける夏の陽射しの下 
墓石の群を横切る私の地面に頼りなく揺れる影 
一瞬 頬に見えた{ルビ滴=しずく}は 涙なのか汗なのか 

( {ルビ嘗=かつ}て 一途だった少年の恋は
( 夏の夜 ....
ぼくは詩人

偉大な存在はその偉大さがゆえに
すべてを理解しきれない

今日もまた

夜の散歩をしていると
池に出会いました

林の中
そこには池がある
星のない夜はもちろん
 ....
ぼくは詩人

何が正しくて
正しくないのかは
それが継続できるか
できないかである

今日もまた

夜の散歩をしていると
継続の詩に出会いました

初めは誰もがそれを
奇異に ....
砂糖にたかっていたアリを
靴で踏みつけた
おまえは家の子ではない
アリの巣から拾ってきたのだ
前の夜、酔った父は言った
群れは乱れ右往左往し
数十匹は難を逃れ
数十匹は幸せな表情 ....
宛てたい心があります

傍目には
いまさらでしょうが
いいえ
いまだからこそ

伝えたいことは簡単なのに
前置きが長すぎて
床に散る便箋は増えるばかり
傍目には
綺麗な足元か ....
 {ルビ一歩=いっぽ}踏み出せばどこまでも
 この季節が続いてゆきそうな気さえする

 はやるきもち
 紫陽花とひまわりの{ルビ間=あいだ}
 入道雲の{ルビ構成=つくり}
 光のつぶ
 ....
士狼(銀)さんのおすすめリスト(1951)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
重い夏- ぽえむ君自由詩13*06-8-17
青空ジャンプ。- 狠志携帯写真+ ...15+06-8-16
(祈りの場所は遠く、はるかに離れて)- たりぽん ...未詩・独白12*06-8-15
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はなび- LEO携帯写真+ ...16*06-8-10
支え続けるもの- 佐野権太自由詩44*06-8-9
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ドラえもん- たもつ自由詩9406-8-3
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ぽえむ君−継続−- ぽえむ君自由詩6*06-7-25
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絵葉書など- 千波 一 ...自由詩20*06-7-21
夏まみれ日- 日和自由詩11*06-7-21

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