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この音の無い地を
何と呼べばいいのか
あざわらう顔ばかりが動きつづけて
水を湛えた容れものが倒れ
倒れ 倒れ 流れ出 ....
四人の自分に
花を放ると
一人は喰い
一人は呑み
一人は吸い
一人は花だった



自分はまだ
ひとりだった













 ....
光を削り描いた花が
手のひらにふたつ影を落とす
鳥の花 音の花
ついばみにくるくちびるの花


砂の花 砂の花
影を持ち去る波の花
手のひらを知らない
問いの残り香

 ....
墓の無い終わりを告げる水の羽




{ルビ弥生=やよい}より流れ落ちたる{ルビ卯月=うづき}かな




とどまらずただこぼれゆく冬の雲




傷を抱 ....
木々のはざまに見える鉄から
遠のくことのない冬の星から
ひとりはひとりを指さしながら
凍るように降りてくる


潮騒に似た
生きものの音があり
坂の途中にかがやき
のぼる ....
{ルビ二十歳=はたち}の頃から
四時間未満の睡眠を
二十年つづけたら
六十歳になっていた



自分は
長く起きすぎた












 ....
あなたなど何処にもいないまぶしさの闇あびるとき微笑む真昼




いくつかの空のなかからひとつだけ溶けゆく青に造られし道




海と空むすぶ羽音の舞の輪に青の魚の名を ....
夜の硝子
朝の氷
はやく溶けるのは
(指)


祭壇の上
振り払われた火
煙の行方は
(川底)


ひとつ
かけらが降る
ふたつめは
(手のひら)


 ....

中心と空洞
球面と化石
向かいあえない
水の砦


しあわせ
ふしあわせに触れずに
消えるしあわせ
夜の道をはばたく
濡れた鉄の火


曇りの地図が
晴れ ....
雪原の風たぐり舞う銀髪にあるはずもない笑みを見ていた




くりかえし光の行方追いつづけ雪の背骨を駆けてゆく子ら




道に棲む{ルビ静寂=しじま}に映る水の笑 ....
ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら


水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡


ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷え ....
糸の光
曇に沈み
雨は低く
小声 小声


まぶた かけら
冷えて重なり
愚かしさのまま
流れ 昇る


高く積まれたもののなかから
少しだけ見える鏡の先端
ま ....
埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月



三月を折りたたむたび曇の声



吐息から吐息へわたる二月かな



ざらざらと白さ一月うたいけり



紅い背を ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
空へとつづく迷路に生まれ
空とは知らず昇りつづける



落ちゆくかけらの姿が見える
くすぶる姿で描きつづけている



湿り気に満ちたからだを
光の板におしつけ ....
    冷えた茶を飲むとき
    私のなかに
    雀が居るときがある

     
    様々なものに殺された雀が
    私のからだのなかではばたいている
 ....
    あくびする猫
    ふたたび眠りにつく
    あたたかさの支配者

    
    頭上の見えない王冠の
    むずがゆさに目を閉じる




 ....
空が
屋根の近くまで来て
おめでとう と言う

握手しようとしたら
消えてしまった

みんな
消えてしまった
空から下りくる
花のつぼみに目を閉じる
花を戴き 花をいだいて
花にいだかれて
花のなかに咲く蜘蛛に
目を閉じる


昼の雨
夜の雨
濡れた緑に影を落として
朝の光 ....
家のそばに浮かんでいる
家と同じかたちのふちどり
それがなにかわかりません


晴れた日にも曇りの日にも
空に無数にきらめく粒子
それがなにかわかりません


まじわり ....
窓辺にいる子は
みんなふるえて
綺麗という字を
こわがっていた



だって
かまきりみたいだから
光のなかのかたち
花の前の小さな声
小さな姿
ほどけてゆく線のあつまり



光を知るもののまわりには
小さな光の歪みがいて
小さな手を差しのべている



手に手を ....
左目を右目にあげたのに
右目は涙を流さない


目が覚めたら一緒にごはんを食べよう
そう書いた手紙を残して
眠ったまま逝った人の声が
もう一度どこからか聞こえてくるまで ....
あなたのざくろを手にとり
涙が止まらない
いつのまにか降った雨で
道は濡れている
雲は西へ西へ西へと渦まく
夕暮れはもう地のほうから蒼い


鉄塔をまわり終えれば
 ....
咲くものを追い
影は葉のように落ち
描かれた歌を隠した


ふと混じりあい
ふと離れ
振り向き
微笑む日


影は速く
光は遅く
まわりつづける


 ....
魚の群れが夜を飛び
鱗と涙を落としては
何も無い地を焼いていた
火の端々が鳥になり
さらに暗い夜へと去った


雲と砂の波のなかで
魚は涙を閉じていった
白と ....
とうどうせいらさんの木立 悟さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(43Y.7・17)- 木立 悟未詩・独白307-4-2
ノート(四人)- 木立 悟未詩・独白907-3-21
ひとつ_なびく- 木立 悟自由詩707-3-21
浪洞- 木立 悟俳句807-3-19
ひとつ_ゆれる- 木立 悟自由詩807-3-18
ノート(44Y.3・14)- 木立 悟未詩・独白507-3-14
冬呼(青)- 木立 悟短歌907-2-27
問い(応え)- 木立 悟自由詩807-2-22
光気降譜- 木立 悟自由詩807-2-12
冬業- 木立 悟短歌1907-1-23
夜のまぶしさ- 木立 悟自由詩706-11-27
ノート(指記)- 木立 悟自由詩806-11-23
ノート(二季)- 木立 悟俳句606-11-17
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1
ノート(Repertoire)- 木立 悟未詩・独白705-10-3
ノート(38Y.5.25)- 木立 悟未詩・独白405-9-7
ノート(37Y・1.13、19)- 木立 悟未詩・独白505-9-5
ノート(空)- 木立 悟未詩・独白305-8-17
うみ_Ⅱ- 木立 悟自由詩605-8-15
ノート(それがなにかわかりません)- 木立 悟未詩・独白805-8-13
ノート(綺麗)- 木立 悟未詩・独白604-10-7
歪みと腕- 木立 悟自由詩404-9-10
ノート(右目)- 木立 悟未詩・独白704-3-15
ノート(外へ_ふたりで)- 木立 悟自由詩503-10-9
奏者- 木立 悟自由詩603-10-7
先魚進紀- 木立 悟自由詩703-10-6

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