目が醒めてそっと舌先を口のなかで転がせてみる
カサカサに乾いた紅い粘膜が私を虚しく嘲笑う
嗚呼、 茜色に染まる唇が嘘という名の夢を紡ぎ
光惚の海を漂う海月となる
妖しく光る毒の電極が徐々に ....
春の夜 沈丁花に 誘われて
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく
腹が減った
赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
サビキ釣り 糸に絡まる 尺カサゴ
試みる 釣れる肴は 根がかりよ
夏休み 釣りの思い出 日焼けなり
成就せぬ正義感の燃え残りが心に刺さって痛い
右手の一本くらい迷いなく捧げられたなら
私はどんなにか勇敢だったろう
何の為にもならない発汗を知覚していて流せない
掌に握り隠したモヤモヤごと蹴り飛 ....
見上げた頭上に
小さくなった飛行機
あんなとこにいるんだなぁ
人間をたくさん乗せた鋼のかたまり
すごいなぁ
そん中にあの人はいるんだなぁ
小さな足の裏が見えそ ....
くすりと笑う君の
世界はとっくに
喪失されていたんだね、
くすりくっすり ひっそりと
剥き出しの硝子窓の枠組み震え
余りに露骨なままそのままに
外界に曝された君という
漂白され切った世界 ....
トンネルを抜けてもそこは闇
光を捜してやっと辿りついても
また長い長い暗幕がまるで目隠し鬼のように
私の精神(こころ)へと覆い被さってゆく
いつになったら闇は晴れるのだろうか
身体に ....
去年の秋のことだ。
老婆がひとり、道の上を這っていた。
身体の具合が悪くて、倒れでもしたのかと思って
ぼくは、仕事帰りの疲れた足を急がせて駆け寄った。
老婆は、自分の家の前に散らばった落ち葉を ....
吹く風の光り
抜けてゆく想い
水際に佇む女の子が
泣きべそ顔で向こう側へと渡って
いった
精一杯力を振り絞り生き抜いて
にわかに冷たい風の便り
燃え尽きぬ心(しん)を揺さぶる微かな怒りを持って
銀色に光る雷を振りおろす
あぁ、静まらぬ我が阿修羅が紅黒い焔を身に纏い
柔な嘲笑を叩きつけんとする
鋭く研ぎすま ....
オイスターバーで牡蠣を食べてから
その人が知っているバーに寄る
ハイボールの入った錫のコップ
水玉がたくさん
ひいやりとした感触
別々の駅だから
私は地下へ ....
#これはAIによって書かれた詩#否、そうではない#このトンネルのむこう#かつては人であった#魚の怪物#フルーツ・バスケットを捧げなさい#おかしなファッション#タピオカが好きだなんて#おかしい子#屋台と ....
幻のような町にいた どこかで風景が流れる光景を眺めていた 音のない世界だった 時折誰かとすれ違った気がした なにも見ないようにしていた 鳴いている仔猫を見かけた気がする 歩道橋の階段を登り 車の流れる ....
苦く甘やかな時の既に過ぎ去り
撃ち落とされたバタフライ、
掴み取りにいくこの場所にて
複雑に絡み合った人生因果を
少しずつ解いては閃光走り
(クスリはもう効かない
自らがクスリに成 ....
さりげない正午にそっくりな
仲間意識と飽和水溶液
半ば強引に立ち並ぶ一輪車
褪せた水色
左腕のギプスで響かせる
小さな夜の曲と それから
引かれた机に挟まれる
ギンガムチェックのランチョ ....
それは、思わず気を失うほどの雪の吹きだまり。──いや、光の吹きだまりであるのか。白色光の一色のなかに、世界の半透明の「真髄」のような幽霊が立ち並ぶ。200mも行けば次の幽霊に出会える……。一人に触れ ....
あの時
のぼくは何を思っていたのだろう
色欲にまみれて本性をうしなっていた
いまは瀬戸内寂聴さながらに煩悩即菩提を受け入れた
香を焚き
灯を点し
経を読み華を散らし
鐘を鳴らし
生 ....
とほひ日の思ひ出
未来未知から波打ち
到来するその時に 、
もうクスリは効かない
自らが薬にならなければ
「規範」
この学校の主旨目的は中途退学者或いは諸事情により不登校を余儀なくされている生徒を受け入れ
新たな学童精神に基づきその教育理念の向上に、ささやかな、且つ熱意ある灯火を付与するために ....
死者の舞う 、
生者の歩む、
途を照らして
逝く生く
ヒカリ
▽
あなたの
なかに
はいった
ときとても
あったかかった
△
背景に退き
ながら拝啓と ....
紅の葉々の揺れに揺れ
或るもの或るもの
余りにありあり
在り始め 、
光響いて響く光
著作権について
昔から著作権について長いこと語ってきたけど、そろそろ終わりにしようかと思います。なのでこのテーマについては今はもっとも危険な立ち位置にいる私たちを折り込み終止符としましょうよ。
....
「子供」
たいせつなこと
あたたかなこと
まいにちのご飯のようなこと
さびしくなったときに思いだす、
いとこの飼っていたくろねこのこと
インコにえさやりしたこと
はらぺこで原っぱをか ....
リアリズムは単純バカの詩的表現みたいになっちまった、誰もが一番わかりやすい手駒だけを持ってカタがつくまで乱発してる、それを真面目さだなんて果たして、気付いていないのか開き直っているのかいったいどっ ....
わからず屋だったんだねと妹の目
病棟のテレビに映る尋ね人
暁のガス局のタンク{ルビ赫=あか}に揺れ
花曇りの花は増えたか雨模様か
病にて吹き送る風うしろ足
涙かな花に滴る ....
ひかりのうみの
かぎりないひろがり
ひかりのおびとなり
のびひろがりいき
わたしなるもの
眠り目覚めのわたし
しだいしだいに越え、
瞑目する意識の奥処の声を聴く
ひかりのうみひ ....
すべての駅は
改札を捨てて
だれかのおとしたメロディを
つぎはいでゆく
終点が
ただよう終着駅へ
咲いて
散る
それしか
人は見ていない
散って
生きる
そのことを
人は見ていない
愛でて
酔って
呆けて
憐れんだら
人は春を忘れて
葉桜の下を ....
ぼくはなんという大馬鹿ものなんだろう
話はみなぼくのわがままばかりで
きみを深く傷つけた
欲しいものを正直に欲しいと言わず
何より大切なきみを失った
歳の差を気にして戸惑い嘘をついた
もっ ....
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