これほど繊細で美しい釣り竿は無い
先端径は1mmを切っている
細くて見えない糸で
これで30cm以上の渓魚を釣るのだ
30本に上る竿たちは
袋に納めるとどれがどれだか解らなくなっている
仕 ....
文字通り{ルビ酒盗=しゅとう}というものは酒を盗む
土佐の山之内容堂公が名付けたといわれる
カツオのハラワタを塩辛にしたものだ
ちっとも生臭くなくて香ばしい
メーカーによってはとても塩辛くて食 ....
歩んできた日々を
振り返る
一週間前に通り過ぎたばかりの
森の出口で道は消え失せている
歩んできた日々を
振り返る
あなたが遺した道が途切れてから
見知らぬ景色の中を彷徨 ....
いつか、詩人は、わたしに、森 鴎外の『舞姫』のパスティーシュを書きたいと言っていた。
愛がわたしを知るとき、わたしははじめて、愛が何たるものかを、知ることになるのであろう。言葉の指し示す ....
サボテンとの別れ
身を切られるような痛み
きみとは何万語のことばを交わし
無言で見つめあったろう
きみはわたしの髭を
わたしはきみの棘を
お互い数え飽きなかった日々が
あえなく終わろ ....
7 いいいいいいいいいいい!
8 いいいいーーーーー
9 いいいいいーーーーー!
10 い
11 い
12 あぁ
13 うぇあ!
14 ぎゅぇあ
15 ぎゅえあ
18
1 ....
涙の夜に
生と死を思い
絶望を失った。
生を楽しむ
そう決めた
明日は梅雨の中休み
曇りのち晴れだという
渓谷の奥深く入り
源流の王イワナを狙う
バッハの無伴奏チェロを聴きながら
未だ幼木の胡桃の木の後ろには籾乾燥施設があって
霧はそれらを囲むように包んでいる
疲労という疲労は
体のあちこちに固形物のようにしこりとなってとどまり続け
筋肉や腱を蝕んでいるような気がす ....
グラスの縁を
指でこする
音は
遠いあの日とつながっている
あの日もじんわりほほ笑んでいた
ゆっくり上がって
ゆっくり下りる
破綻のない円を
描き続ける密室の中
あなたと向かい合った
あなたが指差す方向に
ひきつった笑顔を向けながら
まだ信じることが下手だったわ ....
陽のかげる時
美しくなる人だった
陽の輝く時は
自分から遠くなった心を
捜しかねているのだ
まして雨の時など
濡れた頬に
昨夜のベーゼが生き生きと甦っている
....
「真実なんて、どこにあるんだろう?」と、ぼく。
「きみが求めている真実がないってことかな?」と、詩人。
でかかった言葉が、ぼくを詰まらせた。
文章を書くということは、自分自身を眺 ....
朝から雨
雨はすき間だらけ
貴女へと降りそそぐ雨
雨傘の下の
雨漏り
或る足音を乱す雨
アルコールを和らげ
甘く染まり
悪童に遊ばれる雨
雨に出会うと ....
大気の芯はつめたく溶けた硝子で出来ている
濃い影に瞳を浸し
耳は遠い過去でボートを漕いでいた
死んだ男の携帯番号を消していないのに気がついた
やせっぽっちの若造のまま逝ったやつ ....
風景が霞むほどの雨のあと
水たまりには青空が映る
梅雨明けも近い
空を見れば
もう次の雨雲が控えていて
ころころと変わる空模様
そんな空の下を
こどもたちが
笑いながら走ってい ....
あー、なにも変わらない、ボロの部屋
ゴミ袋の中の昨日と分別中の今日
そして明日も良い天気かな 少し不安
とりあえず、納豆&卵かけゴハンを食べる
おそるおそる粘つく息をして 咳き込む
叫 ....
{引用=
日々のいたみを忘れるように
ときおり視野の淵をはしる線
四季の陰影をかなでる奏者
モノクロームで、ことたりる
もう
彼方からの
....
光の骨をなぞる指のことを もう思い出せない
言葉を思いかえすほどに
少しずつずれて嘘になってゆく
そのグラデーションをせめて美しく
夕映えに織り込んで
待っているうちに
身体は闇の鱗で ....
メーカー希望価格の最高級ラインが2,500円
大手釣具ショップで2,200円くらい
それがネットでは1,400円から3,400円で売っている
釣り針も大手釣具ショップで16個入りで200円くらい ....
降らないと思って降る雨よりも
降ると思って降らない雨のほうがいいにきまってる
It don't come ea ....
{ルビ渓=たに}と渓が合流する遠い澱みには
銀鱗の女王が潜んでいると釣人たちはいう
普通のロッドと仕掛けでは逃してしまう
いよいよ本流竿の出番がやってきた
7mで250gの本流ロッドは軽くしな ....
月が欠けてゆく
今宵は更待月
琥珀の水を傾け
夜は更けゆく
明日を占う指先が震える
{引用=たった一杯のカクテルに託した夢物語}{引用=月の流れのように見えたのは
私が酔っていたから
あなた自身の美しさを知らないあなたの
金糸雀の様な笑い声を
頭上高くに聞く}{引用=そのシル ....
掲示板
イタコです。週に二度、ジムに通って身体を鍛えています。特技は容易に憑依状態になれることです。しかも、一度に三人まで憑依することができます。こんなわたしでよかったら、ぜひ、メールください。ま ....
水の輪郭 固くうねらせる曲線
脈動も静かに 寛やかになでられ
水の流速 軽くとばされる集中線
はしゃぐ裸足 滴の臨場 踊る
一斉に鳴り出す風鈴
一斉に飛び出す飛行場
必要なのは傘と ....
{引用=ハイヒールの足許が男の鼻先を嘲笑う
「欲しければ尾を振ってついておいで」
街の角で ふと女の姿が消えた
「欲しければ、そこで涙をお流し」}
※
天上か ....
{引用=
潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけ ....
愛のためなら命を捧げよう
でも愛より大切なものがある
それは見えない我が魂
この身は仮の姿だから
いくらでもきみに捧げる
渓谷の明日は晴れのち曇り
毎週土曜日は4700尾のヤマメと720尾のイワナが放流される
梅雨の中の貴重な天気で釣り人が我も我もと集まって
養殖の魚は警戒心に疎くて入れ食いになる
週末だけで ....
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