夜想32
ひだかたけし

あゝこの夜陰、

なんて白々 
あかるい満月、
天に貼り付き

向かいの家の
橙灯りも点り

なぜか懐かしい心持ち

くるくる廻る氷音が
グラスに響き
微かに蠢きながら
遠い海鳴り 誘う、

この一時

あらゆる問い掛け
あらゆる懐疑
放棄して、

しずか しずかさ

今にたたずむ。



自由詩 夜想32 Copyright ひだかたけし 2023-03-07 22:31:06
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