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どれだけ眠っていただろう
首を横に倒した分だけ
太陽は枝の隙間を渡る

多羅葉の葉の匂い
胸に一枚置かれた言葉
ただひとこと妖精の文字
こんにちはと書かれていた

ありがとうと返 ....
眠れないから本棚を見た
背表紙が手招きする
私を手にとって下さい
そっと抜き取って下さい
その目で見つめて欲しいの

昨日買った本はテーブルで
自慢気な傍観者
でも本棚に席はない
 ....
雲をひと掴みメレンゲにして
チョコレートを溶かして
レモンを一切れ
釜戸の小さな窓を覗く
膨れてきたら食べて頂戴
軽い気持ちはあっという間に
しぼんでしまうから
急いで食べて欲しいの ....
泣いてる子は寄ってごらん
あっという間に満タン
引火点を下げて笑い上戸
心の揮発性をあの空くらい
高く上げてあげるから
レジで払うのは涙でいいよ
百万年前の炭を精製するから
お釣 ....
白い花に腰掛けて
草笛吹いてあなたを見てた
子供のあなたはあっという間に
私の時間を追い越して行く
大人になりたくて追いつきたくて
焦る気持ちが隠せない色になる
若草色がいっぺんに ....
パリの妖精
第6話「モンマルトルの妖精」




長い階段で見えるのは空だけ
五段先の石の上で
鳩がもう少しだよと言う

見渡すかぎりの幸せな街
パリで一番高い丘に棲む
一番幸 ....
オレンジ色の海に
真っ赤な風船が
空気が抜けていくように
溶けて流れていく
真上にはもう
気の早い星がやって来て
透明な月も
火が灯る提灯になる
ありがとう さようなら
黄昏の精 ....
部屋の灯りを消して
薄暗い部屋で一人
蝋燭の炎の向こうを見る

私の影が部屋のあちこちで
おしゃべりをしてる
おだやかなオレンジ色の光が
部屋に充満している

窓をあけると
影 ....
洗いざらしの星を並べた
白い砂浜に横たわる
深く赤い光

あなたが好きな夏日星
私は見て欲しくて
アンチ・アレースになる

南の地平線でそっと
天の川に隠れ
嫉妬の火が燃え ....
誰か呼んでる

私を呼んでいる

葉の音

羽の音

風の踊り場のような森


光をためる小川

柔らかな太陽

優しい月のような太陽


津波のように
 ....
飼い主だった智子が
湖面をすべるように現れ
ミントを抱き上げる

懐かしいぬくもり・・・
やっぱり
おねえちゃんだ

ありがとうミント
よくここまで

これで・・・私
ほん ....
そっか
もうこの財布は形見なんだな

あっそうだちょっと待って

これを・・
このネックレスを・・
こうして・・つければ・・
ほらこれでいいだろ

財布にネックレスを付けて ....
財布を拾った
ボロボロの財布
いや綺麗だった財布なのだ

噛まれて引き摺られ
よだれでベタベタになり
砂やゴミがくっついて

くわえた猫と目が合った時
落として逃げて行った

 ....
紫陽花は魂の宇宙
蝶の巣のように
いくつも羽根を重ね
丸く優しい香りを生んで
初夏の庭を囲む

野点の静かな音が
風よりも静かな音が
紫陽花に囲まれ
見守れて抹茶の香りが
天に ....
明日に噛み付こうと
今日を生きてみる

幾何学な思いが
足を踏み外したように
離ればなれになる

交わることを忘れて
反比例の心は
雀とカラスのように
水たまりの人魚と
雲の ....
ふと思い出すことがある
夕日に染まる街も
カモメと一緒に帰る船も
羽衣のようなひこうき雲も

誰もいなかった遥か昔
僕ら二人はあの
夏椿だったんだと

僕は枝 君は花
白く美し ....
イーゼルの端から
あなたの目を見つめる
すれ違いの視線が嬉しくて
わずか8号のキャンバスに
尽きることのない思いを重ねる

窓から入る黄昏の風に
鼓動が乗って赤く染まる
もう少しま ....
蝉の声が空に重なる
秋が匂う古い和紙を広げ
朝顔の種に夏の風を置く

水無月の氷室
竹林が滝のように響き
氷が波音から運ばれる

笹の葉を一枚
逢えないあなたを想い
墨を乗せて ....
悲しい心の雨宿り

黄昏の半分は
行き場の無い気持ちの
荷物置き場

長い石段が
飽和状態まで濡れて
もう涙はたくさんと言う

眼の前で紫色した光が腰を下ろす
見上げると手が ....
長い坂道を夕日が
駆け下りてくる
木々を草花を燃やしながら

並んで歩くあなたの目も
ルビーのように揺れている

強く光るのは涙のせいなの
それとも私が泣いてるから

赤い目で ....
母の花鋏を持って庭に下りる
背の高いグラジオラスが
白い雲を背にして並び

赤い花が足元から空まで咲き
さあどうぞと言っている

一緒に埋めた球根が花になり
私の手を握ろうとす ....
重く湿った風が流れる
雨の子が風の中で泣いている

黒く長い葬列

蟻の足元で降りて
葬列に参加する

あのとき雨が降っていれば
この蝶は飛ばなかったのに

あのとき雨が降っ ....
潮風が吹き抜けていく
春と夏が混じっているような

残業して街路樹を見ていたら
すっかり薄暗く
黄昏は西の国へ帰り
妖精が街灯を点けていく

帰りのバスを待ちながら
さっきまでい ....
雨宿りの二人
息は白いけど
寒くなかった

定休日の喫茶店
赤いテントの下で
空を見るあなたの横で
私は横顔を見つめる

このまま
雨が止まなければ
いいと願った

沈み ....
詩的小説 バス停「第3話」

バス停で彼を待つ
もう愛してはいけない人
でも好きでいてもいいよね

遠くにバスが見えてきた
緩やかなカーブをいくつか抜けて
見え隠れしながらやって来る
 ....
去年の秋
星を探しに
小高い公園で二人

私が指差す方向を
まるで鉄砲を打つように
腕を掴んできた

どこ?
僕の星座はここだよ
この指の先
あのカシオペア座の下

君が ....
詩的小説 バス停 第二話


目覚めて窓をあける
高台にあるアパートは
見晴らしが良く
遠く小学校の向こうに
海が静かに朝日を集めていた

顔を洗ってパンを焼き
コーヒーを淹れる
 ....
詩的小説「バス停」


新しいこの街で一人で生きていく

近くのバス停で時刻をメモする

バスが停車して扉が開く

「すいません乗りません」
「メモしているだけで・・・」

笑 ....
こたきひろしさんの丘白月さんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
葉書の木の妖精- 丘白月自由詩120-2-9
眠れないから本棚を見た- 丘白月自由詩219-9-4
妖精のスフレ- 丘白月自由詩319-9-4
妖精のガソリンスタンド- 丘白月自由詩219-8-24
トウガラシの妖精- 丘白月自由詩219-8-18
モンマルトルの妖精- 丘白月自由詩119-8-17
黄昏の入り口- 丘白月自由詩219-8-10
ろうそく- 丘白月自由詩319-8-9
蠍座- 丘白月自由詩119-8-9
種が先か花が先か- 丘白月自由詩319-7-28
猫と財布_6話「最終回」- 丘白月自由詩119-7-27
猫と財布_2話- 丘白月自由詩219-7-23
猫と財布__1話- 丘白月自由詩119-7-23
妖精の花押- 丘白月自由詩219-7-17
噛みつきたい心- 丘白月自由詩219-7-15
夏椿- 丘白月自由詩219-7-12
黄昏の美術室- 丘白月自由詩319-7-11
氷の節句- 丘白月自由詩119-7-11
黄昏の境内で- 丘白月自由詩219-7-10
坂の終わりに- 丘白月自由詩219-7-10
グラジオラスの妖精- 丘白月自由詩319-7-9
蝶のお葬式- 丘白月自由詩319-7-9
バス停_第4話- 丘白月自由詩119-7-2
雨宿り- 丘白月自由詩119-7-2
バス停「第3話」- 丘白月自由詩119-7-1
星の想い出- 丘白月自由詩219-7-1
バス停_「第2話」- 丘白月自由詩119-6-30
バス停「第一話」- 丘白月自由詩219-6-30

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