片目をつむると殻が置いてあったので
ひょいと拾い上げてみると
それはカタツムリの抜け殻で
蝉や貝の抜け殻ではなかった
延々と続く空洞の底は見えない
殻を持ち上げても
...
曖昧な更衣室で
僕らはすべてのものを
等号で結びあわせた
軟らかい材質でできた身体は
嘘をつくことが
何よりも得意だったから
花粉の積もった改札を抜けると
溢れだす人という人
...
あなたはぼくが広告界に入ったときに
すでに殿上人かのような女性でした
しかしあなたが階段を昇られる時代は
男性が重で女性が軽のときのはずでした
でもあなたはその類い稀なる才能と努力で
...
心身の底から
信じられるものを求めて
探しまわっても
見つからない
小さな懐疑が
意識の奥で
息をひそめて
笑っている
ひとつの真実らしきを
信じることで
ほかの真 ...
爽やかをどう表現しよう 漢字の中に幾何学を見る淡白
この候を満たす 華麗な空の下 色などつけなくとも いと美しい
彼女の耳に音階の異なる民謡が流れる もう初夏に目覚めている南風の栄え
イソヒ ...
わたしは恥を恥と知りながら生きてきたのです
そうやってずうっと生きてきたのです
指をさしてはなりません
その背中は誰の背中
きっとわたしの背中でしょう
指先に愛しさを
老いて紡ぐは ...
米櫃を覗く月末の瞳
集める音のさあらさら
一掬いして落とす音
ぱらぱらと ぱらぱらと
眺めやる心の
注視するのは隅の方
骨のように 月のように
あるいは 雲の ...
飛ばされたまつげを探していたら
足元に春が落ちていた
あぜ道にはなずな
不規則に並び、ゆれる
隙間を縫うように細く流れる水、
昨日降った雨の名残だ
まだ小さな双葉にしずく、 ...
昼下がりのあちこちで
残雪にめり込んだ風がある
そのうち一枚を手にとって
冬の毛先と春のしっぽをスケッチする
腐葉土は絵がうまかった
3月の冷たいキャンバスに
季節の終始を要約した
...
(無人駅を捕まえた視力に
昼の色彩が降り注いで
言葉を一匹残らず狩っていった)
こびりついた目玉
形容詞で特注した粗い網で
漁へ向かう
釣れないこと、を
釣って帰る日もあった
綺麗 ...
僕たち、私たちは、なんて始まる卒業式
それから、校長先生のお話のように
長い、長い、思い出話、語ってるんだもんね
おまけに私の隣の奴なんか、もう泣いちゃってるよ
あーあ、早く終わんないかなあ
...
かなしい、
張り巡らされた路線のどこか
車窓は残像をつくるだけだし
吊り革の黄ばみは
誰かしらの時を、わたし以外の
世界の破片を蓄積させ
運びつづける
町から街へ、
昼から夜へ ...
ばさばさ、
ばさばさ と 鳥がかえってゆく
曇天に八重をばらまき
水は流れだしてしまう
流れていってしまう
僕はここで永遠に君と腐っていたいのに
近くなり遠ざかる海のかさなり
乳白色の巻貝の奥に
うずくまる内蔵
砂となった記憶の粒を探して
耳の感覚だけになる
ふくらみ、しぼむ浅い眠り
とうに輪郭をなくした風の面影に
なつかしい ...
【カタツムリの抜け殻】
実家には もう人の気配は無い
生気のない 家に行くには 迂回路しかなく
すぐそこに家はあるのに ふるい路は
家を まの当たりにしていながら ゆるやかに曲がり ...
干潟の鳥はどう飛ぶか
頭に描いてみる脚に力はいらない
力んでいるのは視線
飛び立とうとする足をとらえるものが
砂かセメントかセメントってなにか
この距離からでは分からない ...
真っ赤な闇に2分間切り裂く風が吹けば
愛しさは多重構造の鬱屈を砕き
白銀の刃よろしくブリリアントな願望で穿っていく
苦しみを包んで生き延びた花束があった
小さな街の小さな出来事 ...
白い海 と 青い空
そっと触れて夢
波紋ができて
音が聞こえる
鳥の羽ばたきが
白い海から飛び出して
ざわつく空の
揺めきはイルカのよう
時は過ぎて
海には黒が 空に ...
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる
小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ...
くゆらす紫煙の
リアリティが止まらない
最新のAndroidが
端正な顔立ちで時報
失くした腕時計が
魔法になるはずだった
見つけてしまったから
秒針のリズムが愛おしくて
生きてい ...
四月を前にして
雪を振れば風もふく
何かをごまかして生きるのは
つらいけど らくだった
夏までには
ダメになっちまおう
決意みたいな確信みたいな
淋しい独り言を路傍の草が聴いている
...
この街に
とどまれば 色々な
この街の 誰かなんだと 理解する 君も 僕も
荒れ狂う矛盾の中を歩く 透明な 風を受けながら
やがて 語ろうとする 自分の言葉も忘れ
それを忘れさせ ...
きゅうりの存在感ってば 凄いんだゾ!
昔は 何だか 味気もないし
どっちかって言うと 彩豊かな
トマトの方が サラダの主役!
な〜んてコト 思ったって ひ・み・つ☆
だって だって
お ...
浴衣をあわせ夏祭り
太鼓の撥がみつからない
山車の担ぎ手きまらない
祭りはまだか、もうすぐか
あなたが来るまで始まら ...
あひるは腰かけていた
石のおいろはみどりいろ
あひるはそこへ腰かけて
誰かが来るのを待っていた
誰かが喋り声を出すのを
じっと待っていた
しんしろの太陽は黙っていた
これらの人を知っ ...
誰だ?
マオたんが
なんとなく
首相に似てるって
言ったのは?
マオたんは
どこぞの
金メダリストと違って
何度見ても
ハッキリ特徴が
掴めないみたいな顔じゃ
ないんだかんねーだ ...
ねぇ聞いて 私の声に 返る音 踏み込まないで ただ傍に居て
ペアグラス 割れた欠片に描けた "スキ" もう戻らないと知ってるけどね
届かないんだって知ったときは、怖かったよ。
それに、驚いたし。
僕自身もこれから何をしていいのか、分からなかった。
恥ずかしいね、自分のことを喋るのは。
けど、そういう時代、いつまでも続いてい ...
苦しいときに祈るちから
それがまだあるぼくは
まだまだ大丈夫だろう
苦しいときに祈るちから
それがまだあるうちは
まだまだぼくは大丈夫だ
DNAのように
他者と融和してやろう
愛の実 ...
銀紙をくしゃくしゃに丸めたあとで
拡げたみたい
海面で瞬く無数のさざ波が
煩い
雲から
スポットライトが注ぐ
見えるはずないステージが
現れ
翳む
ぼやける
ぶれる
沈み ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
カタツムリの抜け殻
赤青黄
自由詩
2*
13/3/19 20:27
初夜
たもつ
自由詩
6
13/3/19 19:58
遅れし弔辞
HAL
自由詩
4*
13/3/19 17:38
真なる信
シホ.N
自由詩
3
13/3/19 17:20
この候を満たす風
朝焼彩茜色
自由詩
9*
13/3/19 16:42
致死節
瑠依
自由詩
9
13/3/19 16:36
月末のうた
ドクダミ五十...
自由詩
5*
13/3/19 15:49
三月某日、雨の翌朝
あ。
自由詩
6*
13/3/19 13:04
無題
風呂奴
自由詩
1
13/3/19 12:42
〃
〃
自由詩
1
13/3/19 12:26
僕たち私たちは.com
北橋勇輝
自由詩
1*
13/3/19 12:07
かなしい
風呂奴
自由詩
3
13/3/19 11:56
鳥曇
はるな
自由詩
3
13/3/19 10:28
春の巻貝
佐野権太
自由詩
8*
13/3/19 9:07
カタツムリの抜け殻
るるりら
自由詩
28+*
13/3/19 8:39
ひがたのとり
pikopi...
自由詩
1
13/3/19 7:04
生き延びた花束
よしたか
自由詩
2*
13/3/19 2:56
夢現の霞み
夜恋
自由詩
0
13/3/19 2:30
駅のホームと立ち食いそば屋
灰泥軽茶
自由詩
18*
13/3/19 1:58
寝るための思案 6
机
自由詩
0
13/3/19 1:32
銀の筒、真鍮の壁、珪素の靴
竜門勇気
自由詩
1
13/3/19 1:08
幸せと名付けられた街で
番田
自由詩
3
13/3/19 0:43
かぼちゃくん
藤鈴呼
自由詩
4*
13/3/19 0:07
赤い金魚と水風船
石田とわ
自由詩
12*
13/3/19 0:07
みどりが丘で
salco
自由詩
16*
13/3/18 23:43
マオたん
花形新次
自由詩
1
13/3/18 23:25
ふたつふたり
しんとよみ
短歌
1
13/3/18 22:01
圏外
北橋勇輝
自由詩
1*
13/3/18 21:54
苦しいときに祈るちから
吉岡ペペロ
携帯写真+...
5
13/3/18 21:50
凪ぎ
Lucy
自由詩
19*
13/3/18 21:48
2733
2734
2735
2736
2737
2738
2739
2740
2741
2742
2743
2744
2745
2746
2747
2748
2749
2750
2751
2752
2753
2754
2755
2756
2757
2758
2759
2760
2761
2762
2763
2764
2765
2766
2767
2768
2769
2770
2771
2772
2773
加筆訂正:
ギター弾きの想い人
/
まーつん
[13/3/19 13:01]
くぼみを探る→括れをなぞる 身体なんて→肢体なんて
二千十三年三月十一日に
/
夏美かをる
[13/3/19 4:11]
罪と共に背に負う娘の重さを出す為、7連に言葉を追加、最終連に視線を繋げるため8連にも言葉を追加
4.3sec.