工場の若い工員が
長細いフランスパンを
後ろ手に握りしめ
食堂から持ち場へと
小走りで駆けてゆく
グレーハウンドの尻尾のように
揺れているパンの影を見送れば
午後一時を告げる鐘が鳴る ...
他にやり方はあったはずなのに
言葉でもよかったのに
きみは{ルビ擁=いだ}くことを選んだ
他に道はあったはずなのに
きみの肩ごしに
山並みは夕日に ...
きみのうしろに
きみが見える
脱ぎ捨てたシャツのようにさりげなく
きみのうしろに
きみの母や父が見える
ひっそりとしたブランコや
いくつもの ...
浮かばない、
影、踏みに、
蝶が、ふくらむ、
ねむりの、底に、
レンズの、
おうとつに、
ざわめきが、
すべりおりる、
夕ぐれの、
回転を、
踏切の、渡る、
詩人に、
...
流された、砂場に、
さし込んで、増える、
飛行機から、
まなざしを、
あのトンネルは、
仰向けになって、
揺れて、
思いだせない、
名前の、絞められた
首の、あふれた、
す ...
洗い桶に沈んだ
果物ナイフで
指を
つうっと切ったような
昨日の サヨナラ
ほら
あれは中身なのです。
どれもみんな一緒にされて
今ではとても
中身のようには見えませんけれど
あれは間違いなく中身なのです。
(粉が主成分の)
微細な氷が
おおごとではなくな ...
進歩ないってつぶやいたら
進歩ってなに と雲がきいた
同じ白で
私のよく知る姿で
きいた
進歩ってなに と
これじゃいままでの恋とおんなじじゃないか
あたしだって必死だったんだ
必死であればわかってくれるはずじゃないのか
生命が、あたしのことわかってくれているように
朝起きるとあ ...
数学の教科書の端に
赤ん坊と女の子の絵を書いた
学校に通っていたころ
妊娠して学校を辞めた女の子が
頭の中を通ったみたいだった
次の日になって頁をめくると
白い女が赤ん坊を抱いて
昨 ...
何かが失われようとしている。いつも、常に。移行する状態のなかで。いくつかの物事が同時進行的に失われていく。
落下した車両の撤去も済まぬうちに鉄道は再開する。ニュースは技術の盗作を騒ぎ立てる。 ...
お前か
私は影を追った昔の私の
お前はたよりなげにだが希望に満ちて
笑っていた
私は今子供を持ち。
お前に見せる顔があるかを聞きたく思う
車の中で弁当を食べた
月曜日
そうすることが好きだった
女の間で染みつけられたような
いつのまにか 染みついたような 生活
人は何を探して見たことのない世界をさまようのだろう
...
ちいさな命たちが
炭素でできた液体で
ながれ星
そう書きあげた半紙が飾られていた
ちいさな命たち
彼らもまた宇宙の炭素なのだ
百日紅の咲かない夏という小説を読みながら
ことしの蝉は鳴かないことに思いあたった
鳴かないどころかぼたぼたと地面に落ちている
地震のせいなのだろうか
それとも放射能だろうか ...
{画像=110726012953.jpg}
はるか大昔に天子が山頂にのぼり
おお我が美味し国よと祝詞を上げた山は
小さいころの遊び場だった
山の中腹には幾つか洞穴のようなものもあって
...
夏空の四隅に黒い塊
そこからスルスルと四本の手が伸びてきて
かわりばんこに僕の首を絞める
だから僕は苦しい
あの{ルビ娘=こ}も僕のことが嫌いだってさ
ブレーキかける
下り坂
スピードつけて
おりてもいいが
無駄なちから使って
失速させるもよし
苦しまぎれの
上り坂
後退しては
またのぼり
ぎりぎりいっぱい
出すちから
...
あたたかな
彩りの
うつくしい
絵を描きたいと
思ったけれど
哀しみは
キャンバスを
暗い色彩に染め
決して
壊れることはなく
さやか水流した
静かな時は
すうっと
...
京の街中に引っ越してきたのは
師走に入った頃でした
世間も僕も慌しい頃でした
東向きのベランダの彼方には
百年の風雪に耐えてきた
銀瓦の低い峰々が連なっていました
午後の北 ...
そのひとが
どんな人生を歩んできたのか
二秒のすれ違いでは
理解できないかもしれないが
考え始めることが
何かのはじめ
漠然としすぎているから
ためしに
どういう風に髪を洗っている ...
セックスも
...
好きという気持ちを大事にしたくても
それが苦しいのなら
きらいという気持ちをつくればいいんだよ
ビートルズだってサザンだって
活動をやめちまったじゃない
夜景に列車がつっ ...
「僕等は何処に行くのでせうね」
始発のホームで誰かがそう呟く。
電車の行き先は決まっている。
けれども誰かがそう呟く。
「僕等は何処にいくのでせうね」
病院の屋上で誰かが ...
...
それは、わたし
眠たい壁の一種
舌の裏で
縄跳びをする子供たち
名前の回数だけ跳んで
空想のまま
その間、冷蔵庫に向かって
嘘をつき続ける
アフリカ行きの
切符を手に入れ ...
イチゴのクレープ頬張って
オレンジジュースを飲む
ダイエーの一日楽しかった。
両手に荷物を持って
本当の意味を教えて
本当のことを教えて
もどって来て欲しい。
信じた事を忘れない。
...
仕事をやめて
また風来坊になって
雲を仰いだら
鳥の群れが光った
へやにあったものはみんな売った
売れないものは捨てた
あの本も
あのレコードも
あの写真も
手紙も
何もか ...
愛を説く前に銃を取れ
もう
清い心だけで
乗り越えられる時代じゃない
神は
兵器の値踏みを始めた
軍隊を揃えて
戦略を指揮するつもりさ
愛を説く前に銃を取れ
なにも出 ...
白いスカートにコーヒーのシミをつけて
笑う少女の無邪気さを
貴方はそうやって嗤いますけれど
残念ですね
口の端にケチャップがついてますよ。
文学少年気取りの
私たちのエスプリなんて
...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
フランスパン
佐倉 潮
自由詩
3
11/7/26 12:54
擁く
草野春心
自由詩
3*
11/7/26 12:47
きみのうしろに
〃
自由詩
2
11/7/26 12:38
まどろみ
リンネ
自由詩
1
11/7/26 12:32
公園デビュー
〃
自由詩
1
11/7/26 12:31
無題
blue
自由詩
2
11/7/26 11:48
砕かれ際
yuugao
自由詩
1*
11/7/26 10:40
進歩する雲
朧月
自由詩
4
11/7/26 9:19
朝起きて
吉岡ペペロ
携帯写真+...
1
11/7/26 9:19
I am “I am”
長押 新
自由詩
3*
11/7/26 9:10
何かが失われようとしている
はるな
散文(批評...
1
11/7/26 9:03
お前に
田園
自由詩
1
11/7/26 4:20
卸売り会社で営業5年
番田
自由詩
5
11/7/26 2:06
宇宙の炭素
吉岡ペペロ
携帯写真+...
2
11/7/26 2:02
蝉の鳴かない夏
〃
自由詩
5
11/7/26 1:53
橿原断片 / 耳成山
beebee
散文(批評...
21+
11/7/26 1:29
手
ぎよ
自由詩
3
11/7/26 0:56
坂行くちから
シホ.N
自由詩
3
11/7/26 0:18
五十のオトが描く夢。
aria28...
自由詩
2
11/7/26 0:13
お日さま色の猫
yumeky...
自由詩
8*
11/7/25 23:40
街のあるきかた
中川達矢
自由詩
8*
11/7/25 23:16
辿り着く為の手段
TAT
短歌
0
11/7/25 22:45
きらいになれた
吉岡ペペロ
自由詩
1
11/7/25 22:17
「僕等は何処に行くのでせうね」
亜樹
自由詩
3
11/7/25 22:05
ピカレスク
TAT
自由詩
0*
11/7/25 21:50
朝焼け
たもつ
自由詩
2
11/7/25 21:45
サンデー
ペポパンプ
自由詩
2*
11/7/25 21:37
はらたいら
はだいろ
自由詩
5
11/7/25 21:36
愛を説く前に銃を取れ
ホロウ・シカ...
自由詩
0
11/7/25 21:23
貴方はそうやって嗤いますけれど
亜樹
自由詩
2
11/7/25 21:19
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3475
3476
3477
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3483
3484
3485
3486
3487
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3490
6.67sec.