すべてのおすすめ
遠くまで 届きたい
おもいが 橋となる
その たもとから
深淵を のぞいて
たちすくむ
みてよ みてよ
わたしのこと
って ものほしげな
おはなにも ちゃんと
みずを やってますか
おとこの乳首はさみしい ふたつの
わすれられた 夢のあわいに
ひらかれる とおい戦線
それを おんなの指が
不思議そうに つまむ
しあわせを きみとかわした
約束の 小指ほどの
大きさの こびとが
うじゃうじゃ わいて
ぼくを 責めるのだった
遠くばかり みていると
いまを みうしなってしまうけど
遠くをみてないと じぶんを
うしなってしまうから
いつでも星を さがしているんだ
こわれた たましいの
かけらが 寄り合って
ぼんやり ひとの
かたちを つくっている
影がないので それとわかる
ふるいうたを うたってよ
みどりもえる ことばを
きかせてよ せかいの
くちびるが いちばん
やわらかだったときの
すてきな しっぽのある
いきものを もらった
まちがって しっかり
聖水で 洗ったら
死んでしまった
耳をすませば
月と星の ささめき
うしなわれた言葉の
ゆりかごを ゆすって
噴水が歌っている
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
ハッピーエンドから
はじまる ほんとうの物語
それからそれから どうしたの
うれしいときに いやというほど泣いて
かなしいときは ふつうに笑っていたさ
銀杏の枝に 月が
ひっかかって ゆれているから
それとなくわかる 風の道を
じぶんのいない 未来のことまで
しのんで あるいてきた
通り道に たおれていたら
ぞろぞろ やってくる
異形のものたちに
ふみつけられて すこし
げんきに なるのである
名前のない鉢植えを買って
如雨露で水をやっていたら
ある日 みぎとひだりの
ひとさしゆびの さきっぽを
あわせたような虹が咲きました