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彼女のハンモックは
ピンク色だったそうだが
僕のハンモックは…
完全な漆黒であり
プランクトンの雪の舞う
蟹のいる深海の黒
練炭より
エスプレッソコーヒーより
悪魔の翼より
....
彼氏は火星の開拓団に参加した
ミリーはグレイのキャミソールを着て
カーキー色のキュロットスカートを穿き
金色の髪の毛をポニーテールに束ねて
ラジオの音楽番組に耳を傾けている
....
踊る黒猫
踊る白兎
ミックスする
モダニズムの灰色
歯医者の診察台
に座らされ
歯を削られる
リューターの奇声
飛び散るカルシウム
丸い蛍光灯大小2本
収めた四角い枠
ぶ ....
思い出が消せない
あの時は確かに
愛していたから
トラウマよ眠れ
ただ一度だけ眠れ
カットグラスの
ように
脆い僕の心が
壊れてしまわない
ように
トラウマよ眠れ
....
煙草を買おうと部屋を出た
外は大粒の雨
アスファルトは鯨の背中の
光沢で濡れ
商店街のタイルばりの地面は
輝く水をたたえる湖
薬局のトタン屋根を
雨が叩く バ ....
ジワジワと心に染み入る
焦燥感
ブツブツ独り言を言ってるような
薄汚れたオヤジには成りたくねぇ
意味不明な奇声を発する狂人
にも成りたくは無い
壁から人が出て来る
天井に赤ん ....
空を見上げた
あまりに高い空なので
空に落ちていく妄想に
とらわれた
空の片隅には
誰かが切り飛ばした
爪のような
透けた細い月が出ていた
重力はその物理法則を
放棄して足は ....
大声はり上げても
列車の通過の轟音で
まったく聞き取れない
そんなCMが昔あった
ぴっぷ…
まで言った所で
電車が通過で以下まったくの
不明瞭
資本主義 ....
かの国
かの地にて
劣化ウラン弾で
破壊された
鋼の戦車の
履帯(キャタピラ)の下
ではダンゴムシが
地面に孤独な詩を書いている
と詩人は歌う
お ....
君と僕歩いたね
手も握らずに
二人の距離と温度
冷めていった
飲まずじまいの珈琲みたいに
冷たくなった
小さな寂しさ
消えていった…
褪めていった
ヒナゲシの花弁のようのように
脆く儚い恋だった
今思えば綱渡りのような
危うい恋だった
恐る恐る僕は君に触れた
あまりにも君はすんなり
僕を受け入れた
僕は困 ....
儚きかな人生
仄暗い闇より生まれ
そして闇に死んでゆく…
生とはつかの間の
享楽的な饗宴
悲劇も喜劇になる
僕は恐れる!
生きて行くには
千の顔を持て
あるいは
顔を持 ....
空虚な空気
肺に吸い込む
咽はしない
ただ冷たくて
ラークマイルド
一本に火を付ける
精神が気化して
登ってゆく
不思議な感覚
煙は換気扇に
....
捕まえてごらん
物事の本質や中心は
あっけなく
そっけなく
鰻みたいにぬるりと
その手から容易く逃げる
亀を捕まえるように
簡単にはいかないんだ
君の瞳の中の僕が微笑んでる
人影のないベンチ
君にKissしても
僕は、制度に脅え
泣くことも出来ない
全てのモラルに傷つき
切り刻まれても
愛は守り続ける
....
混沌と虚無
襲い来て
僕の意味奪う
超えられぬ
実存
薬の白さより
冷たい雪が
僕の心に降り注ぐ
ある秋の昼下がり
空から蝶の羽が落ちてきた
すかさず見上げたら
小鳥が一羽飛び去った
僕もそうだが人は
蝶の羽を好むが
小鳥はその肉を好むらしい
彼の食べ残し ....
石ころの一つ一つに
木々の一つ一つに
雲の一つ一つに
名前なんかない
本当は犬や猫にも名前がない
無論人にも最初は
名前がない
....
携帯が鳴らなくて
心細くなる
こっちからかけてみる
「…電源が入っていないため…」
不安は的中
君は今何処で誰といるの?
もう僕の元には…
誰かが走りよって来 ....
光が澄んだ音を立てて弾け飛んだ
ガンジス河の砂の数ほどの光の結晶
僕は、身体に受け止める
日の光は身体の大きさしかない
でも哀しくなんかないよ
それで十分さ…
空は ....
寒い夜でした
北の空に
銀の尾を引きつつ
お星さまが流れて
行きました
願い事一回目
夢は死に
お星さまは消えたのです
そんなに長いお願い事でも
....
楽器を演奏するやうに
キーボードを叩く
伸びた爪もそのままに
文字列の音楽を奏でる
鉛筆や万年筆が
不要の詩人となります
それでも時として
何も浮かばず
....
僕は眠るまえにいろんな物に
”おやすみ・・・”と言う
僕の部屋の中にいる死んで
眼に見えなくなった人々に
「おやすみなさい」
僕の好きなあの娘に
世界中の人々に
....
もし僕が猫になれたなら…
初めは君の足にまとわり付くけど
すごすご家を出るはめになるだろう
そうしてゴミをあさるうちに
人間だったことな ....