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痛みに耐えて目を閉じている
今日で臥して四日目になる
病室にはひかりがしみている
トイレに行くのも辛いから
あまり食事もとらないでいる
ひかりのなかにいる
風が ....
僕たちは有限な生を生きるのだけれども
異なった価値観の人生をそれぞれの主観で生きるしか無いのです
だから自分で思い込んでる真実なんてたいしたものじやないのですね
僕は人に無駄と指摘されながらも
....
世界に陣痛が始まった
新しい朝が生まれるのだ
新しい私も生まれる
はぐれてしまった宇宙飛行士は
地球を見つめながら死んでゆくのだろうか
ぼくは誰とはぐれてしまったのだろう
かなたに何を見つめながら死んでゆくのだろう
下唇をすこし噛んだら
....
窓辺にやってきた
小鳥が泣く
さも かなしそうに
おまえもひとりなのかい
世界はこんなにも
広いというのに
庭のとまり木で
小鳥が啼く
さも たのしそうに
うたをおぼえたんだね
....
人のこころは
おそらく丸い
誰かに
支えられなければ
何処かに
転がっていってしまう
ころころこころ
人のこころは
おそらく丸い
どんなに
縛りつけたところで
....
夕方の台所で
君を抱きしめた
つらいことが沢山あったし
他にどうしようも無くて
火にかけたアルミ鍋から
醤油の優しい匂いがただよい
嗅ぎなれ ....
先生、お昼からどこか出掛けるんですか
お芝居ですか
お芝居を観にゆくんですか
そとは風が吹いてますね
水っぽいひんやりさが、何かの始まりみたいですね
ぼくも、ちょうど ....
ささくれだった
心は
ささくれごと
捨てるべし
さもなくば
ささくれは
夜毎の宴で
成長つづけ
わたくしは
ささくれの
奴隷に成り果ててしまうだろう
闇に伸びる金鎖
....
今更なことを
ぼくらはやってゆこう
自我は時間だ
自我を減らせば
時間も変わる
今更なことを
ぼくらはやってゆこう
愛されなくてもいいじゃないか
愛 ....
とうきびをかじる
ささやかな甘さが
舌をとらえて
愛撫する
脳神経へと伝わって
それは幸せな記憶になり
藍のリボンがかけられる
目印、として
シナプスは電気信号をおくる
わたしは ....
ぼくは馬鹿だ
みんなかしこだ
夜8時に空を見る
北西にふたつ
星が列んでる
強い光と弱い光だ
ふたつは他人だ
でもひとつだ
{画像=120323010313.jpg}
忘れられた想い出 / 勘太郎川 紅橋付近
ぶらり ぶらぶら
裏町通り
場末の路地の夕餉時
さあさ いらはい いらはいよ
....
たいせつな存在が
ぼくらの土台となって
働いてくれている
たいせつな存在の
ぼくも
土台となって働いていよう
それが空しくなるようなとき
そんなときこそ
....
夜明けの明けの
ほのあおい闇と光の均衡に
無垢なクラゲが部屋を舞う
流れるままに漂って
夢から溢れたクラゲが舞う
夜明けの明けの
ほのあおい夢とうつつの端境に
大きなクラゲが天井を過 ....
消毒薬で洗った
白い部屋は
どこまでも
清潔で よそよそしい
菌という菌は
すべて
死滅し
有機体は私ひとり
お見舞いにもらった
ガーベラが
いつのまにか
造花に変わる
( ....
空は突き抜ける様に青かったし俺のバイクは相変わらず
走り出すまではやけに重かった
時々はビニールレザーのシートの上に安っぽい天使が
休んで煙草をふかしていたりするのだけれど
それでも自由を愛を ....
入ってくるものが
多すぎる
出ていくものは
少なすぎる
残ったものは
結晶化し
塩辛い粒となる
時々こうして
泣いてみるのは
心の塩を
涙にまぜて
捨てているからなんだ
....
雪がとけはじめたので
家族に会いにいく
小径のうす紅の梅が春を さそっている
久しぶりに会う誰もが
笑顔でいるのに ほっとする
( もう 一年になるのですね )そう語りかける ....
ゆうてみて
あたしのどこがきつねなのか
そらぁ
お天気の日に雨はおっかしわなぁ
そんでもなぁ
この雨を降らしたんはあんたやで
しょぼくれた顔してうどん食べてたから
声かけたん ....
海の底の
とある場所に
海亀の墓場があるという
大海原を
潮流にのって
悠々と回遊していく
海亀は
死期を悟ると
特別な流れをつかまえる
それに乗り
終焉を迎えるために
....
誰か止めればよかったのに
投石器に自分の箱庭みたいな心を乗っけて
あいつは遠くへに飛んで行ってしまった
ほらそこのベンチ 降り積もった火山灰
虚ろなカタパルトがじっとしている
誰か止めれ ....
月が消え去った
その予兆はあったのに
みな新月の日だと想っていた
しかし 何日待っても
満月も
上弦の月も
下弦の月も
三日月も
夜空に現れなかった
月面の裏に存在したモノリ ....
スカイブルー・スカイ
去年の私は
もういない
テロメア
擦り減って
私は少し身軽になった
あなたのメール
まばらになって
私は
一歩踏み出す準備
愛してるって
転写し ....
商談フロアは明るかった
外光のような明るさはすべてLEDだった
設計課長が施工後の保証を求めて来た
外からはこの社屋の外壁工事の音がしていた
私たちはその仕事を商品の納入だけだ ....
街の
人の
屋根瓦を
頬っぺたを
ボンネットを
ランドセルを
街の
人の
やわらかいところを
かたいところを
親切なところを
依怙地なところを
つついて
....
薄いセロファンに
優しく包まれている
そのなかに
甘いものが
入っていることを
私は知っている
子供のころ
歯医者が大嫌いだった
何より
歯医者のおじさんが嫌いだった
というか ....
届かない
あんたに触れたい指先は
夜に搦め捕られる
張り付く空気には微かな花の香
見遣った窓には真ん丸には足りない上弦の月が浮かぶ
あんたは今、誰と愛でているんだろう?
誰 ....
どうして見えないのか!
早咲きの桜の下に
噴水の飛沫の先に
賑やかに降り積もっているのは
詩ではないのか?
どうして拾わないのか!
膨らみ続ける蕾の上で
ベンチで踊る ....
1
必要と頷いても
近くにあっては困るらしい
それは遠くにあって
必要なときにだけお世話になる
ありがとうございました
添えたお礼と深く折り曲げた腰を上げてしまえば
あと ....
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