すべてのおすすめ
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
元気がないから
ぼくたちはただ
夢のどこかに広がる
だだっぴろい草むらに
黙りこくって穴を掘ってる
そんなような
お別れの時がきて、
....
オーディオの世界は異性や酒や賭博とは
較べ物にならない程 のめり込めばのめみ込めほど
留まることのない私財を投入してしまう
そのひとたちはオーディオを製品と呼ばず作品と呼ぶ
そう呼ぶひとの ....
感情や感性の揺れ とは
どこから来るのだろう
恋はするものではなく
落ちるものだという
それに似た感覚
視覚から入った言葉は
意思を持った生き物のように
あた ....
アチッ
二日酔いの朝
朝靄に包まれた意識の森で
突然発火するのは
昨夜の記憶の欠片
アチッ
酔いにまかせて
自分のてのひらとあしうらに
醜く刻まれた皺を
語ってしまっ ....
いつからだろう
戦わなくなったのは
リングコングはもうならない
15ラウンドもたないな
ダメージがきつくなる
簡単な平和主義
もたなくなきてる肉体も心も
チガウンダヨアンタノソノ ....
細身の女は、
恐ろしく小さな核ミサイルを抱いて
なぜだか不思議と人通りの少ない
一匹の異様に痩せた野良猫の、
か細い瞳で睨んだ薄汚い裏通りに
幾年月も在り続けたベンチさえ置かれていない露天の ....
終わらない天幕が何層と襞に重なり
それでも演出家は起き上がろとしない
俳優の耳元で小さく囁いた
(そろそろ終わりにしようか)
三幕は途切れたままでいいのか
このままずっと眠らせてやりたい ....
その昔、水は鉄を含み、鉄は水の浄化を畏れ池の沼と溜まる
森の樹海より沼を這いい出た
池は湧き水へ灌がれ
道を逸れた一人の女僧が餓鬼を孕む
いつの日か鬼が母となり
母は子を宿しながら性 ....
あることないこと つぶやいて
名のある人が 闊歩する
ごんべいは 名無しというのかいわぬのか
誹謗中傷 人知れず
2次元の世界に生きて 暗躍し
地震雷家事親父
果てはみえない ....
さわれないことば
冷えてゆくかけがえのなさ
いつもとぎれてしまうモチーフ
あたたかいスープもないテーブルでは
君の影がゆらめいてみえる
ほんとうは君の髪にふれていたかった
ゆびがい ....
切り取られた一枚の記憶が川下へ流れては沈む傍らに
日暮れを思い起こせば深く胸に刻まれた年輪の危うさ
地上より高く聳え立ち
波は大きくうねりながら目蓋を伝い近づいてくるけど
‖溜まりに浮かぶ ....
ある用事があって久しぶりに
母校の大学の図書館を訪れた帰り坂
どこかから何かを燻らしている様な
芳しいとも苦っぽいとも想える
懐かしいような想い出したくない様な
薫りが否応もなくぼく ....
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっ ....
バンドネオンの演奏を初めて生で聴いた。
黒い直方体の蛇腹を拡げたり縮ませたりしながら、
左右ともに30以上あるボタンを押して演奏するその楽器は、
習得の難しさから悪魔が発明した楽器と ....
{画像=120514020301.jpg}
幼い日
五月五日
かしわもちが右手の親指にからみつく
ふわふわした髪
大きな耳
口元に大きなえくぼがあった
一瞬の喜び
木の床に ....
一代を30年で計算すると
ぼくの20代まえは600年まえ
それは室町時代のただ中で
西暦1400年前後の人々のこととなる
2を20回掛けると104万8576
だから600 ....
今日
わるぐちを投げた
うまくいかない 輪投げみたいに
二度ほど
書き直してから
送信
ほどなく
私の書いたわるぐちが
白い画面に現れる
匿名の
小さな怒りだ
ああ
私 ....
確かに歳はとったよ
正直に言うなら老いたのかも知れない
からだは正直に歳月を投影する
そりゃ60年も酷使してきたんだ
無理をすれば音も挙げる
死にかけたことだってある
でもぼくの精 ....
倉庫の隅で
ひとつの闇と
もうひとつの闇が
汗をかきながら踊っている
南京錠のこじあけられる
冷徹な音をおそれ
かれらは時折、同時に
....
古本のあいだにみつけた四葉のクローバー
これをはさんだのはどんなひと
幸福をひとつ逃したのかなあ
それならかわりに僕がもらっておこうか
きみの幸福の受信感度は良好かな
太陽にはいま怪物級 ....
さくらんぼの花が咲いている
うっすら目を閉じ微笑んでいる
ソメイヨシノのような艶やかな色香はない
浮世を忘れようとその下で酒宴を張る者もいない
白く清楚なその花は
....
初夏
少年の頃
お話の木の絵を見た
広葉樹の木陰で
子供達が
眼を輝かせ
耳を傾けている
お婆さんのことば
森や草原を漂い
風に運ばれて
村や町や港や
海や諸国を巡り
....
ママ あたしはアンタが大嫌い
ママ アンタはあたしを殴って出て行った
あたしを捨てて出て行った
ママ アンタを殺したい
ママ あたしは絶望してるんだ
アンタをなぶり殺しにしたい
憎 ....
嵐の海を
さまよう
一艘の舟
なすがまま
耐えるのみ
時間が経つのを待ち
天に祈る
無事に帰れますように
次の朝港につく
灯台は一晩中
見守っていてくれた
感謝します。
....
天から光がさし
地から湯気が立つ
鳥たちの声
虫たちの息
生きている
感じている
日常を忘れ
自然に返る
敵はいない
味方もない
一人で歩く
今を生きる
少し大げさに
五月の朝を吸い込んだら
つまらない不純物など
軽々と許せてしまうくらい
気管が心地好くせせらいだ
少し控え目に
五月の朝を吐き出したら
ためらいや秘め事を
うっか ....
仮面ライダーはバッタ屋だったけど
気づかなかった 。
トンボって
身体機能の凄いこと 。
町から田んぼが消えると見えなくなった
春から夏へ、山から谷へ
なんだか損をしたようで
....
頭を掻きつつ辺りを見回しながら惚けている。
食べ滓が下顎にへばり付き、それでも平気で涎を垂らしている。
何をするでもなく、何かを考えている様子でもない
背もたれの高い椅子に、深々と腰を ....
雨上がりの傘はステッキ代わり
クルクル回してスキップすれば、水たまりにパシャリ
そして、キャッキャ、キャッキャと
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