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闇夜の狂騒が頭の中で渦巻いている。
この音楽は私の思考を天空へと飛翔させる。
青も赤も黄色でさえも全ては黒に変容される。
黒く塗れ、私の目に見える物全てを。
ため息すらつけな ....
私を旅へと誘う郷愁が運河沿いの私の星空へ舞い戻ってきた。
存在価値などをぶら下げているそいつは
ひどく私を非難した。
旅に出ろよ、こうもりが私の頭上を飛んでいる。
マイルスの ....
【めばえ】
優しい言葉ではなく
優しさって何だろう
おとなっぽさではなく
おとなって何だろう
それが貴女にわかるのは
長々と月日が寝そべって
太陽と月が寄り添った後
少 ....
一羽の鷺が
ふわり 弧を描き
降り立った 見えない川辺
出来事との距離は
程良く 霞となり
コンマ何秒か遅れ
波紋は伝う
記憶の水面を
現実よりも
純白 ....
もう二度と心から笑える日は来ないと思います
見たところ私よりも一回りも若いあなたは
これから半世紀以上続いていくであろう
(続いていってほしい)あなたの人生を
一度も心から笑うことなく歩ん ....
硬質なおんなと軟弱なおとこ
大切なものと捨てなければ進めない足枷
サボテンのようにわずかな水分で生きて行く
だれもじぶんを交換できないので
大好きなシャツの袖に腕を通す
生きる意欲は ....
私は十年ほど前に
リサイクルショップのビラ配りをしていた
すぐやめてしまったけれど
一軒のポストで
お爺さんに呼びとめられて
昔学生時代に何十万もしたというイタリア製の
壊れたアコーディオ ....
種をまくという行為は楽しい
反面
どこにもいない誰かに
試されているようで
神聖な気持ちになる
この手にある幾粒かは
芽を出さないだろう おそらくは
皆が
花を咲かせるわけではなく ....
空き瓶収集所まで行く途中に
今年始めてみたカエルは仰向け
四肢を広げて道の真ん中に一匹
こちらの路肩とあちらの路肩にも一匹と
まだ冬の残る雨に濡れている
暖かい日が二・三日続いて
冬 ....
マイナス16℃のニューヨークで
外では行列が出来ている
超有名人のやって来る
そんなゴージャスな店の中で
お前は、すでに死んでいた
だらしなく延びきって、
下品な臭いのするスープの中で ....
妄想と暴走の果てにある
方眼紙の平野には
フタコブラクダの形をした山が
文鎮がわりに置いてあった
緑の色鉛筆で
マス目を乱暴に塗り潰すと
山を駆け下りてきた風が
それを青 ....
やわらカイ貝殻カラかなもじの
ぬるっとした意味うまれる
りょうせいるいかしら
もしかしてしかしら
しらしからぬしかしら
おかしらつきのおかしなしかしら
ナンタイドウブツカシラ
....
私にゃ小さな夢も無い
おとう(父)は、昭和の春の夜
サナトリウムから旅立った
おかあ(母)は、平成の認知症
旅立つことさえ忘れてる
田舎の家は朽ちはてて
今じゃ住む人誰も無く
私にゃたい ....
私を望遠鏡で覗きこむ
遠くから眺めるとよくわかる
良くないことを考えると顔に出るぞ
もう少し背筋を伸ばしたほうがいいな
人をあまりきょろきょろ
見ないほうがいいかな
口をあけたまま
ぽか ....
孤独が桜を揺らしている
傷あと
月の光が溢れる
花束を置く
童話の中のソファーに
薔薇の花束
青白い身体寄せ合い
僕らはたましいをつなぎあう
やさしくいじりあう
ふた ....
肺の音はきれい聴診器つめたい明日がとおい
帰宅すると妻がキレていた
子供が泣いている 上手にお座りしながら
帰りが遅いとキレていた
仕方のない理由 会議とラインしたが既読スルーだった
育児中のストレスを二人で割っているつもりだけれ ....
空き地に
なつかしい
水色の小さな花が
咲き始めれば
私の中でも
息吹く何かを感じる
おかえり
ただいま
膝を折って
のぞきこめば
別名 星の花
と呼ばれる
あなたたち ....
ずうんと長く
夜がこないので
すみれの花で
まぶたをふさぐ
薄っすらと閉じ切らぬ
....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる
不思議な夢を見た
とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃
カーテンから漏れた
....
今日もひっきりなしに飛行機が通る
あの人だった人が外を眺めている
「沢山通るね」
あの人だった人は無言だ
体の何処からも表情が消えている
きっと見えないものを見ているのだろう
部屋を見渡せ ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない
刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
さいしょの一口
ほおばる咀嚼
甘くて美味しい
時間が迫る
さあ行かなくちゃと
さいごの一口残して鞄に入れる
時間が流れる
忘れる私の時間を取り戻し
ふうとため息
そういえばとぽろりと ....
途上の果てに途上が永遠に続く程
過程こそ命だったりするのかもしれない
結果の全てを錆びれた勲章のように刹那の時代に留め
天へ行く虫の息を深呼吸の懐の泉 澄む結びに憧憬の界
今を ....
サラリーマンが命を担保に金を借り
建てた家々の集落
書割のような中流階級
文化を支えたピアノ
音の断片が集落の中を
誇らしげに 恥ずかしげに
歩いていたのは何時のころだったか
口 ....
ポンコツな身体に
多過ぎる情報量
回路は常にオーバーヒートして
壊れたようにこんこんと眠る
君からその
人型の身体を取っ払ってあげる
何ももう君を縛るものはない
意識だけになった君を ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう
もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある
月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む
が
長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
....
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