すべてのおすすめ
とうめい が
好きですよ
漆黒も
好きですよ
漆黒が とうめいな日が 好きなのです
玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて
その輝きは あまりに ちいさいので ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ
羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
また沈んでいく
またここに帰ってくる
どうしようもない汚濁に肩までつかり
どうしようもなく青い空を見上げている
どうしようもない汚濁の只中で
私は漸く少しだけ安堵する
薄汚れた ....
降りたいときに降る春雨が優しさの向こう側
十字路を曲がる
手前の道で
お洒落な堕天使たちは
漆黒のハートマークを
隠している
小さな機械仕掛けの電話機を
白い手のひらで
握り締めていて
まるでレザーの
ロングブーツを
....
私はむずかしくないことをむずかしくなくいいたい
朝毎に届くはずのすべてが今朝は来なかった
、理由を得たので取扱説明書を紐解く
こんなに立派に手続きも踏んで
(かぞえてごらん
と そっと風から ....
車が少ない
道路は空っぽで静かだ
小さな音が聴こえる
風の音が鳥の声が
太陽の光が囁く声が
だけれど静かだ
しんとしている
信号は赤
ぴたりと止まると
野球のユニホームを着た
....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて
勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで
最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
その男は
幾つも電球を並べた灯りの下で
ぼくの胸を切り開き不機嫌な心臓を取り出した
心臓の中に豚を入れ調子よく動かそうというのだ
更に男は心臓のあった空洞を覗き込み
ぼくさえ知らない潜み物 ....
【龍人】
滑らかに曲がって
緩やかに曲がって
何時までも曲がって
何処までも曲がって
掌の記憶の球体
見覚えのある顔
球体を眺める
目の奥が笑う
掌の人の形
見覚えのある顔 ....
さっき買ったばかりの
ペチュニアの苗にあった
つぼみが
うらうらとした
ひなたの中で
もう咲きかけている
そうやって
ほどけ始めた
濃紫のはなびらは
見せかけより何倍も
ふくら ....
敵対者には花束を送れ
上等のやつが良い
色も香りも惜しみなく
リボンもしっかり選ぶが良い
和解のため?
平和のため?
とんでもない
刃物は優美さに隠される
獣は息を潜めてじっと待つ ....
乾いた空気の部屋に コン コンと響く
胸騒ぎと同時に 時計を見る
ノックの音が響く時間ではない
外の気配も 空気の振動も感じられない
乾いた心の ゆらめきと 空気の揺れが
....
何処かに眠っている昨日
さとうきびから生成される明日
個人的に厳しい毎日
会社的に使いやすい存在
安定した自分という誤解
信頼できる友という希望
愛という夢想
性という分離
....
機械に認識されない
音を掻き集めて
波打ち際で放したら
いつか何処かの
誰かに届くかな
潮風に揺れるウェルウィッチア
砂漠に朝露の雫が落ちる
遠くのあなたが
その音の階段を ....
にぶい金色の肌が
冬の陽だまりを
そっとはねかえしている
アルミニウムの
浅い洗面器のうしろに
整列している
こどもたちの
頬はあかく
順番になれば
みないちように
そこへ温か ....
痴態は演じられるものではなく
晒してしまうもの
ネズミを焼く匂い
霞の向こう兜を脱いだ少年の
老いを孕む眼差し
生を一巡りしたかのよう
遺灰を踏み しめる
空を模した青磁器/亀裂の風
....
ヨシノさんは江戸末期の
北豊島郡染井村で生まれた
生まれながらにして容姿端麗
娘盛りには五枚の花弁を振り撒いて
道行く人を虜にした
染井村のヨシノさんを
なんとしても手に入れた ....
あれから
もう一年くらいになるだろうか
久しぶりにレジでみたその女性の
艶やかな微肉はとれていた
(少し お痩せになられましたね )
聞き取り難かったのだろうか
もう一度 ....
半端な陸にこべりついたエゴを
深海からしか償うことの出来ない
生温い血の風
魂を忘れた翼
深淵から破壊し続けるいつの世も
眼球は破裂 きっと
いいさ どうせとっくに硝子玉だった
....
私は小学生高学年の頃
ものもらいを患った
瞼の下がぷっくらと腫れ膿んできたので
近くの総合病院に行くと
診察台に抑えつけられ
はんだごてのようなもので
じゅうと焼かれそうになったので
必 ....
かなしみはいつだって
握りつぶされた
缶コーヒー
むけられた怒りは
やり切れなさと
くやしさの色をにじませ ....
煙草を燻らしながら
想いの海に言葉をたずねてさまよう
軋む船はちょっと疲れているようだ
シフトをわずかにに緩めて波間をただよう
遠望する水平線にはゆっくりと一日がかたむいてゆく
....
女は二人目の子どもを男の手に渡すと
彼岸に渡った子を追ってすーっと消えた
こちらに残した子は
父も祖父母も伯母もいて
大勢の大人に囲まれて
春も夏も秋もあって
冬も暖かい部屋
十分な食 ....
君の笑顔の反射率
と
僕の視線の屈折率
君のあどけない未知数
と
僕のくたびれた無理数
君の心への直線距離
と
僕の言葉の射程距離
....
闇夜の狂騒が頭の中で渦巻いている。
この音楽は私の思考を天空へと飛翔させる。
青も赤も黄色でさえも全ては黒に変容される。
黒く塗れ、私の目に見える物全てを。
ため息すらつけな ....
私を旅へと誘う郷愁が運河沿いの私の星空へ舞い戻ってきた。
存在価値などをぶら下げているそいつは
ひどく私を非難した。
旅に出ろよ、こうもりが私の頭上を飛んでいる。
マイルスの ....
【めばえ】
優しい言葉ではなく
優しさって何だろう
おとなっぽさではなく
おとなって何だろう
それが貴女にわかるのは
長々と月日が寝そべって
太陽と月が寄り添った後
少 ....
一羽の鷺が
ふわり 弧を描き
降り立った 見えない川辺
出来事との距離は
程良く 霞となり
コンマ何秒か遅れ
波紋は伝う
記憶の水面を
現実よりも
純白 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142